第104話 ユウ×シウ② 【White Xmas】R-15指定

 ソファーに座ったユウに跨り足を広げたシウと抱き締め合って、何度も何度もキスを交わし合った。しっとりと、大人の雰囲気が漂う。

 少し汗ばんだ肌から漂う女性特有の香り。熱を帯びた吐息、濡れた唇、乱れて少し落ちたこめかみの髪を指ですくい耳に掛けて、そのまま首筋に噛み付くように唇を押し付けた。


「ンっ、ァ……」


 甘い声が唇からも溢れる。そしてそのまま服の上から片乳を掴んで中央へと押し寄せた。ふにっと簡単に形を変える柔肌、まさかこの下は———?


 ハッとしてシウを見ると、恥じらうように顔を隠して「エッチ……」と呟いた。


 エッチなのはどこのエロサンタだよ!

 こんな最高なサプライズプレゼントを貰って健全に終われるわけがない! 


「あ、でも……せっかくだから先にピザは焼こう? 焼き上がるまでに時間がかかるし」


 そう言って逃げようとするシウを掴まえて、背後から動けないように腕を回した。慌てたシウは困ったように見つめてきたけど、こんな格好をお披露目したシウが悪い。

 ガーターベルトって初めて見たけど、一体どうなっているんだろう?

 短いスカートの裾を捲ってみたが、現れたのはスベスベの白いお尻。一瞬「ん?」と疑問符が浮かんだ。


「あっ、あぁ……っ! あの、ユウ! ちゃんと履いてるから! 勘違いしないで!」


 必死に両手を振ってアピールしているが、肝心の布が見当たらない。ブラジャー同様未装着なんじゃ?


「紐っ、紐パンだから! Tバックなの!」

「紐……?」


 しかもそんなエロい下着を履いていると⁉︎

 確かにスカートの中に手を入れると心許ない結び目が指に触れた。


「だ、だめ……、それは解かないで?」


 人間って不思議なものだ。押すなと言われると押したくなるし、解くなと言われると解きたくなる。

 そもそもこんなエッチな下着を履いたってことは、見せるために履いたに違いない。ソファーの上で四つん這いになったシウに身体を重ね、顎をクイっと上げてキスを落とした。可愛い……。

 しばらくキスを交わし合い、舌を絡ませて、胸元を隠していた布地に指を忍ばせ身体をまさぐりだしたその時、ピンポーンと訪問を知らせる音が響いた。

 せっかく良い雰囲気だったのにと興醒めたが、を頼んだのは自分だったことに気付いて、ユウは黙ったまま立ち上がった。


「———はい、すいません」


 インターフォン越しに確認して施錠を解除した。お預けを食らったシウも「え?」と首を傾げつつも続きを欲しがるような顔で見つめていた。


 いやいや、それどころじゃない。

 こんなプレゼントしか用意できなかったのが残念だが、これが今の自分にできる最大のサプライズだった。


 ユウは玄関でそれを受け取り、背後に隠しながらシウの前に立った。


「シウ、メリークリスマス」


 キョトンとする彼女の前に差し出したのは大きな真紅のバラの花束。そう、両親へ送る花と一緒に注文をしていたのだ。

 少しベダだと思ったのだが、前に水城から「なんだかんだ言って、花束を貰った女性って満更でもない反応するんですよねー」って言葉を思い出し、お願いしたのだ。

 確かにこの大きさは圧巻かもしれない。

 大輪のバラを40本、花言葉にちなんで作ってもらったけれど、どうだろう?


「え、こんなにたくさん……? スゴすぎる」

「プレゼントに花束なんてベタすぎたかな?」

「ううん、すごく嬉しい! ユウ、ありがとう!」


 本当ならベッドルームをバラの花束で埋め尽くそうと思ったのだが、現実的に片付けなどが大変だと思い、却下した。


「実は……私ももう一つプレゼントがあったの。コレ」


 そう言ってシウが渡してくれたのはペアのマグカップだ。二つのコップをくっつけると某キャラクターがキスをする可愛らしいデザインだった。


「これからこのコップを使って、一緒にお家デートが出来たらなって思って」

「シウ……、ありがとう。大事に使うよ」


 すっかりエッチな雰囲気がなくなってしまった二人は、再びピザ作りを再開してアットホームなクリスマスを過ごした。

 美味しそうなブッシュドノエルと一緒にホットココアを淹れて、暖かな聖夜を満喫していた。


 もちろん夜は———……White Merry Xmas...!


 ・・・・・・・・・★


「40本のバラの花束の花言葉は真実の愛……らしいです」


 予約入り忘れてました💦

 遅くなってすいません💦💦


 まだ先ですが、皆様もよいクリスマスを!

 明日は水城と胡桃さんでお送りします✨

 6時45分更新ですので、気になる方はフォローをお願い致します。


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