第84話 事後、その後……
結論からいって、あの後ユウとシウは無事に目的を達成することができた。だが二人の表情は明暗がはっきりと分かれていた。
ご満悦な笑みを浮かべるシウと、絶望的な表情のユウ。そう、童貞のユウにとって昨日の行為は思い描いていたのと全く違ったのだ。
十分に前戯をして、焦らして、そして———とは事前に勉強していたのだが、問題は本番だ。
あんな快感知らなかった。手でシコるのと女性と交わるのじゃ全然違って、自分の身体なのに全くコントロールが効かなかった。
最初の持続時間を考えると泣きたくなる。
シウは気にしないでと気を遣ってくれたけど、早漏ってレベルじゃない。トラウマ級の早さだった。
「あんなに焦らしておいて短時間で終わるなんて、最悪だろう? もう死にたい」
「ゆ、ユウ。気にする必要ないよ? 和佳子の彼氏も数秒でイくこともあるって話してたし」
「———いいんだよ、シウ。他の人がどうであろうと、僕が早漏であることに変わりはないんだから」
「でも二回目は長かったから、ね?」
一度出せば持続時間は伸びるもんなんだよ、なんて言えるわけもなく。ユウは絶望的な空気を引きずりながら、朝風呂に浸かろうと支度を始めた。
「あ、ユウ! 今度こそ背中をお流しします」
「い、いい! 今日はゆっくり温泉に浸かりたいから! だから邪魔しないでくれ!」
「えー、私も温泉入りたいのに……ね、ユウ?」
くそ、シウの奴……、そう言いながらもニヤニヤと企むような顔をして、ズルい。
でもどうせ可愛くせがまれても、もう出せるものはない。好きにすればいい、そう思って「いいよ」と返事をしたのが最後……。
性の快感を知ってしまった若者を好奇心を甘くみていた。
「ねぇ、ユウは……触りたくない?」
「もっとキスしたいな……ねぇ、ユウ♡」
「あ……♡ ちょっと大きくなった?」
「なってない! 僕はゆっくり温泉に浸かりたいんだから、邪魔するなら上がってくれ!」
「もうユウー……、意地悪。でもいいや。どうせマンションに帰ってからも一緒なんだし、時間はいくらでもあるし……♡」
ダメだ、やっぱり18歳まで待てば良かった……! 時を戻せるのなら戻したい。悔やむユウは先に上がって行ったシウを見送りながら、ブクブクと沈むように温泉に潜っていった。
そしてその後は近くの観光地を巡り、それなりに旅行を堪能して帰ったとさ。
・・・・・・・・★
「ねぇ、ユウ。1キス1ハグに1エッチ追加で」
「ダメ、絶対。僕の体力が持たないから、せめて週末で」
「何それ、ムリムリ。そんなことだから日本の少子化問題は回復の兆しを見せないんだよ?」
「いや、そんなことを僕に言われても……!」
温泉編、終了ですw
すいません、焦らして焦らして……書きたいシーンを詰め込んだ結果、こんな話数になってしまいました。しかも肝心なシーンは自主規制だし。
公開は6時45分です、気になる方はフォローをお願い致します!
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