第81話 はだけた浴衣、布越しの感触 【R−15指定】

 せっかくの豪華な食事は背後に二人は何度も何度も求め合い、一心不乱にキスを交わし合った。

 シウの体重と体温がダイレクトに伝わってくる。互いに下着越しに堪えられない状況に陥っていることを察していた。


「———せっかくのご飯が冷めちゃう」


 とは言え、目の前の乱れた浴衣から見えた淡い桃色の下着と、熱を帯びた肌が魅惑すぎて、思わず谷間に顔を埋めた。


「んっ、ユウ……!」


 シウにとっても予想外の行動だったようで、驚いた声を上げた。そして襲いかかる快感に身体が強張って、耐えきれず喘ぐ声が溢れた。


「んっ、ンンッ……! だ、ダメだよ、ユウ。夜はまだ長いから……ね?」


 涙目で叱るシウを見てやっと我に返った。

 血の気が引いて、なんてことをしてしまったんだろうと激しく後悔した。


「ごめん、シウ。僕……」

「ううん。本当は嬉しいんだけど、今はご飯を食べないといけないもんね? せっかくの料理だから食べよう?」


 確かに美味しそうな料理。それにシウの言う通り夜は長いのに余裕がないと自己嫌悪に陥った。これだから童貞は———と水城のツッコミが聞こえてきそうだ。

 シウはそそくさと着衣を整えて、席について手を合わせて食事に手をつけていた。


「んんー、美味しい♡ このお肉、口で溶けるよ」


 でも目の前で美味しそうに食べているシウを見ていたら、もういいやって気分になった。


「この刺身もすごく美味しいね」

「うん、ウニも美味しい。このシラスご飯も美味しいし、幸せー♡ ユウ、連れてきてくれてありがとうね」


 こうして食欲を満たしたユウ達は満腹になったお腹を摩りながらベッドに横になった。

 温泉にも入ったし、極上のご馳走で食欲も満たしたし、幸せの余韻のまま即座に寝れる。


「え、寝るの? もしかして食欲満たされて満足しちゃった?」


 さっきまで仰向けで眠っていたはずのシウが身体を起き上がっていて、ユウの上に乗っかってきた。顔に掛かったシウの髪が擽ったい。それに互いの鼻先がぶつかって、近い。


「車で言ったこと覚えてる? ユウにだけ特別に見せてあげるって言った……。さっき少し見られちゃったけど」


 少し下を向くと、露わになった肩とブラ紐が見えた。そしてその先には花をあしらった可愛い下着があった。けどその布地は透けすぎて、あまり下着としての役割を果たしているようには思えなかった。一応大事なところには厚めの花の刺繍が飾られていたが、そんなの気休めにしかならないくらい心許ない。


「そんな下着を学校でも着けたりしてんの?」

「ううん、今日初めて。ユウに見せる為に買ったんだよ?」


 落ち着いてきた興奮が再び燃え上がる。ただの薄い布にこんな破壊力があるなんて知らなかった。もっと見たい、できることなら近くでしっかりと。

 でもシウはモジモジと恥ずかしがり、渋り始めた。


「何か、いざとなると……緊張して」

「———うん、わかる。僕もすごく緊張して心臓が酷いことになってる。早死にするんじゃないかって思うくらい」


 するとシウは胸元にピタリと耳を当てて「本当だ……」と笑った。


「私の心臓もバクバクだよ……ほら」


 そう言って手を掴んで、シウの谷間に押し付けてきた。柔らかい肌に沈む手のひら。余計に心臓が騒ぎ出す。

 やっぱり今日こそ、覚悟を決める時だろう。

 ユウは予めベッドの下に仕込んでいたコンドームを確認し、勇気を出してシウに告白しようとした。


「でもね、ユウ。大丈夫……! 私も今日は一線守ることを心掛けるから! ユウが私のことを思って耐えてくれているの知ってるから……」

「———え?」

「でも、その分沢山甘え合おうね? その為に隅々まで身体を洗ってきたから」


 いや、今日はその先まで進もうと覚悟を決めてきたんだけど?


「シウ、あの」

「ユウ、いつも大事にしてくれてありがとうね。大好き……」


 あぁ、もうこれは無理だ。今までの自分の行いのツケだ。こうして二人は甘くて熱い———焦れ焦れの夜を過ごした。


 ・・・・・・・・・・★


 近藤さん「あれ、ボクの出番は? どこ? まだー?」


 ユウ、どんまい!

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