第63話 ・・・★ こんなユウは知らない……【シウ視点/R−15指定】
・・・★ シウ視点
少し前の二人からは想像のできない行為に興奮を覚え、もう歯止めがきかなかった。
ユウに触れられた場所がどんどん熱を帯びて、気持ちの昂りを抑えきれなくなった。
『こんなの知らない……、ユウの顔もこんな
互いに余裕がないまま求めて、触れているだけでいっぱいなのに更に触れたくて、身体を擦らせて快感を探していた。
『どうしよう、こんな展開になると思ってなくて今日の下着、あんまり可愛くない。せっかく可愛い下着を和佳子と買ったのに……』
身体を起こしてシウの服を脱がし始めたユウが、見たことない色っぽい表情で眺めていた。心臓が騒がしくて胸がいっぱいだ。下腹部がキュッとなって切ない。
「シウ、ベッドに行く? それとも」
「そ、それとも」
ユウの下半身に目をやるとしっかり反応してくれていて、シウは嬉しさを隠し切れずに顔を覆うように隠してしまった。自分のことなんて対象外で反応してくれないんじゃないかと、だからはぐらかして先延ばしにしていたんじゃないかって。
そんなしているうちに、ユウがテーブルに手を伸ばして、リビングの照明を暗く落とした。薄暗い室内で彼の輪郭だけが視界に入った。
「……シウは自分で脱ぐ? それとも脱がされたい?」
「え、待って? あの……っ!」
「まぁ、いっか。服を着たままでも。乱れた着衣も嫌いじゃないし」
ニヤッと意地悪に笑ったのが見えて、シウは激しく動揺した。エッチ過ぎる、カッコ良い……! 好き過ぎる!
「え、ユウは……このままがいい? 下着もつけていたほうがいい?」
「ホックは外すけどね。シウの胸を見たいし」
こ、こんなユウ、知らない! どうしよう、もう……こんな欲望に忠実なユウ、意地悪な雰囲気がしてドキドキが止まらない。
物欲しそうな顔で見つめていると、そのまま顔が近付いてきて唇を落とされた。
艶かしく動く舌が、唇をこじ開けて絡ませてきた。ちゅ……くちゅっと、交わる音が暗くて無音の部屋に響き渡った。
「あの、ユウ……、覚えている? この前、ユウが見てた動画」
そのワードにユウも一瞬止まって口角を引き攣らせた。甘い雰囲気が一瞬で凍りついたのがシウにも分かった。
「———なんで今、そんな話をするん?」
「だって、恥ずかしくて……」
「だからって、こんな時に黒歴史語られたら気分萎えるよ。あー……もうシャワー浴びてこようかな」
さっきまであんなに密着していた身体が離れて、顔を背けられた。うそ、恥ずかしくて話題を逸らしただけなのに。
「え、待って。嘘だよ、冗談だよ?」
そう言って引き留めるように抱き付くと、俯いていたユウが笑いを堪えるように口元を抑えていた。
「ははっ、シウ必死過ぎ。どれだけエッチなんだよ」
「え、エッチって……!」
「そんな話をされたくらいで萎えるわけないじゃん。そういや、そんなこともあったね。シウが一緒に見たいとか言ってたこともあったな。見せてくれないのなら一人で借りに行くって言ったり」
確かにそんな会話をした記憶がある。あの時はユウの気を引きたくて必死だったのだ。今は自分以外の女の子のエッチな姿なんて見て欲しくない。それが例え映像の女の子だとしても。
「今から一緒に見る? 今なら見せてあげてもいいけど?」
「み、見ない」
そんなことよりももっと触って欲しいのに、一度開いてしまった距離はなかなか埋まらなかった。
ユウはもうイチャイチャしなくても平気なのかな? シウは欲求不満の身体を捩らせながらユウの様子を伺った。
「……何? そんなに気になる?」
不意に距離を縮められたかと思ったら、今度は耳元で囁かれて頭が真っ白になった。そんなふうに戸惑っていると、またニヤニヤしながら胸元を掴まれて好き勝手に弄ばれた。
「そんな切なそうに見られたら、放っておけないだろ?」
「でも……んン……っ!」
クイっと乱暴に掴まれて思わず変な声が漏れる。初めて込み上がる感覚に、もう限界だった。無理、もう……!
ビクっと痙攣したにも関わらず、変わらずに愛撫は続けられ、シウの思考は限界を迎えようとしていた。
そんなうつ伏せになったシウに覆い被さるように抱き付いたユウの手が、ゆっくりと腰のところを這って、そのまま太ももの付け根で止まった。
「シウはそのままキスを続けてて。少しだけ、いつもより深くまで触るから」
さ、触るってどこを———?
その瞬間、下着の中に指が入り込んで、誰も触れたことのない場所に
「っ、んン……っ、ン♡」
身体中に力が入って、もう限界だった。それでもユウの攻めは止めどなく続いて、シウはもう何も考えられなくなっていた。
結果的に、二人は最後まで着衣を脱ぐことなくことを終えたのだが、お互い色んな意味で限界を達していた。
『和佳子、いつもこんなことをしているの? 脳が溶けてバカになる……!』
実際に触れられていたのは胸と愛撫なのに、何度頭が真っ白になったことか。それにユウ自身はシウのことばかりで、触れもしなかったが大丈夫だったのだろうか?
「僕のことは気にしなくていいよ。十分良いことをさせてもらったから」
「でも、出さなきゃ男の人って気持ちよくないんでしょ? 私、口でしようか?」
「したこともないのに、軽々しく言わないでくれ。けどごめん。結局中途半端なところで止めて」
自分の意思を曲げられなかったとユウは悔やんでいたけど、シウは十分だった。ユウなりに気持ちに応えようとしてくれたのが伝わったから。それに彼が自分のことを女として見てくれたから、それで今は十分。
「今度、一緒に見ようね? あの私に似た女子校生のエッチなの」
「———あれは冗談だから。絶対に見ないから」
こうしてシウとユウは互いの心の穴を埋め合っていった。
・・・・・・・・★
「———早く一人になって済ませたい……(切実)」
どこまで攻めていいのか分からず、結局中途半端な感じに。でも何だろう。ズバっとやるよりもエモいですw
そしてたまにはお願いしてみようかな……。
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