第26話 ・・・★ 最近の高校生の恋愛事情【シウside】
シウside...★ ※後半、視点が変わるので気を付けてください
昨日はユウと一緒にデートに行けて幸せだったけど、お母さんの本音を聞いてイライラが止まらなかった。
ユウに好きな人ができたら止めない、権利がないって? そんなことを言って、ユウに嫌な役を押し付けようとしているお母さんが許せなかった。
シウは眉間に皺を寄せて頬を膨らませて、不機嫌な様子で教室へ入った。
「シウー、おはよー! 昨日はどうだった?」
「和佳子おはよ。うん、楽しかった。映画っていいね」
シウの親友の和佳子。メイクが得意なオシャレで可愛い楽しい女の子だ。同年代の中でも群を抜いて整った顔とスタイルのシウに嫉妬する女子生徒も少なくなく、何かと邪険にされがちだったが、和佳子だけは好きだと言って構ってくれていたのだ。
「シウは可愛いからねー。いいなぁ、彼氏さん。こんなシウを独占できるなんて♡」
背後からギューっと抱き締めてイチャイチャする和佳子。羨ましそうに眺めている男子生徒の視線が集まる。そしてそんな男子の様子に嫉妬する女子生徒までシウ達を睨み出した。
だがそんな視線なんてお構いなく、二人は恋バナに花を咲かせていた。
「ねぇねぇ、カップルシートよかったでしょ? どうだった?」
「うん、楽しかったよ。でも思ったほどイチャイチャできなかった」
「えー、あの雰囲気で? 私の彼氏はすごく興奮してそのままホテルに直行したのにー」
和佳子の彼氏は年上で今年25歳だった。もうすぐ付き合って一年で、お互いの親にも挨拶済みの真剣なお付き合いをしているらしい。
周りからは陰口を叩かれたり、ロリコンとか言われたりしてるけど、お互いのことを大事にし合っている二人をシウは応援していた。
「私はね、恋愛に年齢は関係ないと思うんだ。お互いを想い合って、周りに迷惑をかけずに付き合っているならそれでいいんだよ。遊びまくってる根岸よりもウチの彼氏の方が誠実だし」
「和佳子と彼氏さんの出会いって、家庭教師だったっけ?」
「えへへー、そうだよ。クマみたいに大きい身体が可愛くて、ポニョポニョで大好きなんだ♡」
いいなぁ、自分もいつか和佳子に紹介したいけど今は父親と娘だからとシウは口篭った。そんな訳ありの人を彼氏と紹介して和佳子を困らせたくない。
「和佳子、いつか彼氏を紹介するから。その時まで待っててね?」
「うん、いつでもいいよ! 待ってるね」
———と言いつつ、和佳子は嘘の笑いを浮かべた。
『ごめん、シウシウ! 本当はシウが好きな人気付いてる! シウのお父さんだよね? そうだよね? だってお父さんに迎えにきてもらった時、シウシウめちゃくちゃ可愛い顔で微笑んでるんだもん! ちょーっと、いや、かなーりインモラル臭がするけど……! 血の繋がりのない義理のお父さんって話していたし、優しそうなあの人なら無闇に傷つけないと思うし……。それにシウが初めて打ち明けてくれた本音が嬉しかったから、私だけは二人の恋を応援する!』
ユウのことを思い出してはにかむシウを見て、またしても胸がキュンと締め付けられる。シウ、可愛いよーっと和佳子は悶えていた。
「あ、そういえばライブの件だったけど、お父さんが泊まりはちょっとって言ってたから私は行けないかも」
残念というよりも嬉しそうに、でも申し訳なさそうに眉を下げるシウに、またしても和佳子は胸を締め付けられた。
「そうなんだ。男子も一緒だったから仕方ないよね! きっとお父さん、シウのことが大事だから心配したんだよ」
「………うん、そうだよね」
『またこっそり微笑んで! シウシウ可愛い! っていうか、これはお父さんでいいんだ? まぁ、いっか! うん、シウシウが可愛いからどうでもいいよー! もうシウパパ、さっさと奥さんと別れてシウのことを大事にしてあげてよー!』
「でも和佳子とは行きたかったな。今度地元であるライブに行こうよ?」
「うん、私もシウと行きたいー! ねぇ、何なら私の彼氏とシウのお父さんの四人でライブ行かない? それならシウパパも行っていいって言ってくれそうじゃない?」
「えぇー? 高校生にもなってお父さんと一緒にって、変じゃない?」
「変じゃないよ、大丈夫だよ! だってシウのお父さんって若くてカッコいいから、もしかしたらシウの彼氏って勘違いされちゃうかもしれないけどね?」
口元を両手で隠して、にやけた表情を覆っているつもりだろうが全く隠れていなかった。
『シウシウ可愛いー! もうバレバレなんだけど!』
この抜けてる子を自分が守らなければ、そう心に誓う和佳子だった。
・・・・・・★
「シウシウー、私はいつだってシウの味方だよー!」
※途中からシウから和佳子へと視点が変わってしまってすいませんでした><
次の更新は12時05分を予定しております。
続きが気になる方は、フォローをよろしくお願いいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます