第7話 魅惑の生足、生き地獄
結局、
ベッドにはすでに眠っているイコさん。ショートパンツにノーブラのタンクトップという生殺しコンボの服装で寝息を立てているものだから、つい意地悪をしたくなる。
「……イコさん? 起きてる?」
反応はない。スースーと静かに寝息を立てて、たまにムニャムニャと口を動かして、呑気に眠りこけていた。
普段はイコさんに合わせて我慢しているんだから、少しくらいは許されるよね……?
ユウは隣に寝そべると、背後から抱き寄せて胸元に手を忍ばせた。布越しだが伝わってくる柔らかい感触に胸が躍る。
ゆっくりと中央に寄せて、親指をさするように動かして感触を味わった。
「んン、うン……」
意外と気付かれないものなんだ。流石に寝込みを襲うのは旦那とは言え無礼だと思うので、これ以上のことはしないけど———。
ユウも今年で27歳になった。イコと付き合ってから九年になるし、結婚してから五年だ。流石にそろそろ一線を越えたい。
いつまでの右手が恋人ってわけにもいかないだろう。
とても16歳の娘がいるとは思えないほど綺麗な奥さん。一緒にいるだけで胸がときめいて、いつまでもユウだけが片想いをしているような気がする。
それもそうだろう。シングルマザーという弱みにつけ込んで結婚まで漕ぎ付けたのだ。シウという存在がなければ、未婚の母という苦労している立場でなければ、自分なんて到底相手にされなかったかもしれない。
熱くなった下半身に手を伸ばし、自らを慰める。オカズにすることくらいは許してほしい。
「……ん、イコさん……、イコ……」
だが瞑った瞼の裏に浮かぶのは目の前で寝息を立てる
———嘘だろう、シウでイッた?
ただただ受け止めきれない現実を白濁と一緒にテッシュに包んで、切り捨てるようにゴミ箱へと捨てた。
「……くっさ」
何もかも最悪だ。
洗面所に行って手を洗ったが、先程のシウの下着姿を鮮明に思い出し、更に嫌気がさしてしまった。
寝室に戻ってベッドに入ったが、モヤモヤが止まらない。寝息を立てているイコさんに申し訳ないと思いつつ、ユウも背を向けて目を閉じた。
・・・・・・・・★
「救われない、それが現実。何が正解かもうワカラナイ」
お読み頂き、ありがとうございます。
今回、このまま終わるとユウが可哀想なので、もう1話更新します。なので次の更新は17時05分を予定しております。
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