最終話 終わらないハーレム
愛おしい恋人たちに幼馴染である真壁真央について話をすることになる。
「幼馴染がお見合いの話を持ちかけられているんだ…」
少しだけ俯いて残念そうな僕の表情を目にした恋人たちは何かを察したような表情を浮かべる。
「良いですよ。私は…」
カレンの意味深な言葉に僕は首を傾げる。
その言動の意味が理解できなかったから首を傾げることしか出来なかった。
「私も別に良いわ」
瑠海も何でも無いような表情でその様な言葉を口にした。
他の恋人たちも概ね同じ様な態度であったのだが未だに理解が追いつかない僕にミサトが決定的な言葉を口にすることになる。
「その娘と結婚したいんじゃない?それでも良いわよ。私達は…」
その言葉を耳にして僕は少なからず動揺することとなる。
「え…それって…」
続きの言葉を口にしようとするのだが勇気が出ずに口を噤んだ。
「違うよ。タカシが想像しているようなことじゃないよ」
小豆が微笑んで口を開くと首を左右に振って僕の嫌な想像を払拭してくれた。
「じゃあ…どういう意味…?」
「結婚しても私達は離れないってこと」
萌が口を開くと追随するように汐も口を開く。
「幼馴染と結婚しても私達の関係は終わらない。ずっとこのハーレムは終わらなければそれでいいでしょ?」
「でも…皆はそれでいいの?」
「仕方ないでしょ。私達の誰かと結婚するってなったら…それはそれで争いになると思うし…ハーレム外部の人と結婚するのが一番平和な解決なんだと思うよ」
ミサトが年上らしく場を収めるような言葉を口にして皆もそれを納得していた。
「みんなありがとう…」
感謝の言葉を口にして頭を下げると僕らの関係はこれからも続くのであった。
時は流れて。
僕と真央は結婚することになった。
僕は実家に戻り両親と真央と共に暮らすことになる。
だが一週間に一度は出張だとか接待だとか何かしらの言い訳を口にして恋人たちの待つマンションに顔を出す。
皆はいつでも僕を歓迎してくれて息抜きをさせてくれる。
全員が三十歳を過ぎても四十歳になっても彼女らは僕との関係を終わらせなかった。
それぞれがそれぞれの道へと進むようなことは無く…。
僕の夢のようなハーレム生活は亡くなっても終りを迎えないのであった。
完
みんな恋人。全員まとめてかかってこい!!! ALC @AliceCarp
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