第6話何気ない日常風景

他の恋人たちも同棲するようになり数日が経過していた。

「当番を決めたいんですが…」

カレンの一言によって話は進みだした。

「料理は私が担当します。ここ数日の皆さんの食生活を見ていた限り…何だか心配なので」

「じゃあ私は掃除が良いな」

萌は静かに手を上げると他の面子もそれを否定しようとはしなかった。

「私は洗濯が良いです」

小豆も挙手をすると僕と瑠海の二人は残されてしまう。

「瑠海ちゃんは…間接的にでも住む場所を提供してくれたから何もしなくて良いんじゃないかな?」

僕の提案に彼女らは否定することも無く頷いて見せる。

「最後に僕はゴミ捨てかな?カレンの買い出しにも一緒に行くよ。重たい荷物を運ぶときもあるでしょ?あとは雑用とか。他の人の手伝いとか」

「良いんですか?ありがとうございます」

カレンの嬉しそうな表情を目にして僕の心はほころぶ。

「早速買い出しに行く?萌ちゃんはその間に掃除を済ませて。小豆ちゃんもここ数日の洗濯をしてほしいな」

「「分かった♡」」

二人は息のあったタイミングで返事をすると早速僕らは休日の家事に追われていくのであった。


カレンと共に車でスーパーに向かうと二人並んで食材を吟味していた。

「皆さんの好き嫌いとか知らないんですよね…」

「僕も。でも作ってもらうんだから何でも文句言わずに食べてもらおうよ」

「良いんですかね…リサーチしたほうが良いんじゃないですか?」

「いいよいいよ。アレルギーとかがある食材は避けてもらえばいいでしょ。それは食べられる人が食べればいいし」

「そうですね…。もっとちゃんとやりたかったんですが…」

「それじゃあカレンにだけ負担がかかりすぎちゃうでしょ?もしも調査したいなら今度紙にでも書いてもらおうよ」

「好き嫌いをですか?」

「そうそう。そうしたら全員の紙を見て作れる料理と避けるべき料理がわかるんじゃない?」

「そうですね。今度書いてもらいましょう」

それに頷くと僕らは昼食と夕食の食材をカゴいっぱいに買い込んで帰宅していくのであった。


「部屋キレイになったでしょ?褒めて〜♡」

帰宅してリビングに顔を出すと萌は僕に近付いてきて自分の頭をこちらに向けてくる。

「本当だね。えらいえらい」

軽く頭を撫でてリビングの様子を眺めていた。

「瑠海ちゃんと小豆ちゃんは?」

「瑠海ちゃんは部屋で作曲?作詞?してくるって行ったきり帰ってこないよ。小豆ちゃんはベランダで洗濯物干している」

「わかった。ありがとう」

作業をしているのであれば瑠海には構わないほうが良いだろう。

きっと一人で集中したいはずだ。

それをなんとなしに理解すると僕はベランダへと向かう。

「おつかれ。手伝うよ」

「崎森さん。ありがとうございます」

「もうタカシでいいよ。苗字呼びじゃ余所余所しいでしょ」

「そうですね…じゃあ…タカシくん」

「はい。陽があるうちに洗濯終わらせよう」

小豆はそれに頷き僕らは数日分の洗濯を干して過ごすのであった。


ハーレムを築いた僕の何気ない日常の風景。

本日はそんな一幕を御覧いただいたわけで…。


これからどの様な事が僕を待っているのか…

それはまだ誰も知らない。

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