閑話 運営side(1)

サービス開始直後


「さてと、さっきサービス開始けど問題は起きてない?」

「今のところ問題はないですね。レアジョブとかレア種族もちょくちょく出てますね。」

「そうか、性格分析AIがうまく使えてるようで良かった。ちなみにいま出てる一番レア等級が上なジョブはなんだ?」

「ジョブ、賢者ですね…ヤバいですね……もう英雄エピック等級が出てます…」

「まじか……でもまあ、それはある程度想定していることだ。それがこのゲームの特徴だしな…それにそのほうが面白いじゃないか。」

「そうですけどねぇ。こういうゲームバランス崩れそうなジョブは最初は就けないほうがいいと思うんですけどねぇ…… 」 画面から目を離さずに会話に入って来た男がそう言うと、周りで作業を黙々としていた者たちも同意と言った感じで頷いていた。


「うわぁ……、しかもレア種族のプレイヤーですね。ハイエルフか…」

「まぁ魔法が得意なハイエルフに賢者はあるあるだな…もっとヤバい種族じゃなくて良かったよ…」

「大体ハイエルフは100人を想定してますけどやっぱり多いですかね」

「まぁとりあえず様子見で…」

「とりあえずストーリー進行に影響あったらいろいろ考えましょう。」




――――――――――――――――――――――数分後


「しゅ、しゅ、主任…………!!!!大変です!!!!」

「どうしたんだ?そんなに慌てて。なにかバグでも見つかったか?」

「と、とりあえず…これ…みてください……」

主任が画面を覗き込むとそこには信じたくないようなことが写っていた。

「………………」

周りで作業をしていた者たちも気になって覗き込んで見ることにした。

「………………」


そこに写っていたのはレイたちのステータス。

つまり、最高レアリティの種族のプレイヤーがサービス初日に誕生したという悲報である。


「あれ?皆さん膝をついてどうしたんですか?」

沈黙を打ち破ったのは他部署の社員の声。

「……………実は…神族と神等級ゴッドの…しかも…、ユニークジョブを…ゲット……されてしまい…まし…た………」

当たりが騒然とする。当たり前だ。自分達の計画が大いに狂うことになるのだから。

「………まじ……で……?」

そう言って画面を覗き込む。画面の中にある内容はどうやっても変わらない。

「まさか………序盤にとられるなんて!社長の思いつきで緩く設定だけ作ってただけなのに!ちょっと…社長と他の部門の主任を呼んできます!」


――――――――――――――――――――――

しばらくして


『これより会議を始める。もちろん皆、議題は分かっていることだろう。例の神等級ジョブのことだ。』

『まず、ジョブ部門主任。私はこうなることを予期していたのだ。』

「「「「「「え!?!?」」」」」」

「社長…詳しくお聞かせ願いますかな?」

『まず、この神等級ジョブを得た者、いいや者達は私の知り合いだ。』

「「「「「「は!?!?」」」」」」

『詳しく言うと私の娘達だな』

「「「「「「………………………」」」」」」

主任達は皆絶句した。なぜなら社長が娘がいた事や結婚していたことを知らなかったからだ。皆の絶句していることを気にも留めず社長は喋り続ける。

『私は娘達のためにこの世界Personaality Online を作った。』

その言葉を聞き一人の主任が正気に戻った。

「なぜ…ですか………?娘達に強いジョブを与えて好き放題できるようにするためだったのですか!?」

今にも殴りそうな勢いで怒っている。だがしかし、その怒りはたった一言で落ちついた。

『違う』

「ではなぜ!」

『私の贖罪だ。』

それっきり社長、もといレイとゼロの母は沈黙してしまった。


――――――――――――――――――――――

運営sideでした。なかなか筆が遅くてすみません


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Personality Online 〜二重人格なせいで特殊ジョブになりました!?〜 宵月ノル @nol_yoizuki

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