俺は前世で、俺の恋人である幼馴染を同学年生に寝取られて、心も体も壊れてしまう。でもその後、幼馴染と同学年生の心も体も壊れていった。今世でも幼馴染はいる。しかし、俺だけを愛する素敵な女性と結婚したい。
第73話 春百合ちゃんの両親へのあいさつについての相談
第73話 春百合ちゃんの両親へのあいさつについての相談
春百合ちゃんも、
「大七郎ちゃん、寿屋子ちゃん、ありがとう。祝福してもらって。これほどうれしいことはないと思っている。そして、とてもいい幼馴染を持つことができて、幸せだと思っている。わたしも浜海ちゃんを幸せにする為、浜海ちゃんに尽くしていきたいと思っている。寿屋子ちゃんも言っているけど、お互いに結婚してからも、家族で仲良くしていきたい。そして、わたしたち全員が幸せになっていくことを願いたいと思う」
と力強く言ってくれた。
「それじゃ、二人の幸せ、そして、ここにいる全員の幸せを願って、お弁当を食べることにしよう。それじゃあ、いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
俺たちは満面の笑みで、お弁当を食べ始める。
ここにいる全員が幸せな気持ちになっている。
俺は本当にいい幼馴染を持ったものだと思う。
俺は、俺を含めた四人が全員幸せになれるように、願っていた。
「ところで、春百合ちゃんと浜海は、もう結婚前提で付き合っていることをお互いの両親には伝えているの?」
お弁当をほぼ食べ終わった後で、俺は二人にそう聞いた。
「春百合ちゃんの両親へのあいさつ」
春百合ちゃんと恋人どうしになり、大人になったら結婚するという方針を定めた俺にとっては、春百合ちゃんの両親へのあいさつをいつにすべきか、ということを思うようになってきた。
結婚というところまで既に想い浮べているのだから、もう今から春百合ちゃんの両親の公認の仲になった方がいいと思う気持ちが強くなってきていた。
春百合ちゃんも俺と同じ意見だったが、大七郎と寿屋子ちゃんは俺たちよりもはるか昔から恋人どうしになっているので、意見を聞きたくなったのだ。
俺の両親には、春百合ちゃんと付き合い出したことと、大人になったら結婚するつもりだと言うことを電話で手短に伝えておいた。
両親は、俺がいきなり電話してきたことについて、驚くことはなく、
「お前が決めたことなのだから、わたしたちはそれに従うだけ。恋人どうしになったからには、お互いの理解を深めていき、結婚に向かって進んでいきなさい。そして、春百合ちゃんと幸せな人生を歩んでいきなさい」
と言ってきた。
俺の両親の仲は、決していいとは言えなかったので、その言葉には重みがある。
俺は、
「ありがとう。付き合うことを認めてもらって。俺は春百合ちゃんを幸せにする」
と両親に言った。
こうして、俺の両親の公認の仲になっていたので、次は、春百合ちゃんの両親の方だった。
ただ、女性側の両親、特にその父親へのあいさつとなると、緊張するものだと聞く。
春百合ちゃんのお父様は、老舗企業の社長。
先代である自分の父親から社長の座を受けついでから、二年ほど経っているのだが、先代の時よりも業績をさらに上げるようになっていて、優れた経営者として評判が高くなってきていた。
俺の両親が家庭内別居状態になるまでは、両家は家族ぐるみの付き合いをしていて、俺もかわいがってもらっていた思い出がある。
幼い頃のイメージは、誰にでもやさしく接する人柄というものだった。
しかし、今は社長になっている。
経営者になったからには、そういうやさしさは、もう捨てている可能性がある。
春百合ちゃんは、今日の朝、俺と話をしていたのだが、春百合ちゃんのお父様についての話になった時、
「お父さんは、最近、家に帰ってからも一人でいる時は、厳しい表情をすることが多くなってきた。社長というのは、それだけ大変なことだと思う。でも、お母さんやわたしには、以前通りやさしく接してくれている。浜海ちゃんのことも、昔、かわいがっていたから、いきなり嫌ったり、難しい表情を向けて、厳しい言葉を言ったりするということはないと思っている。そして、浜海ちゃんを認めてくれると思う」
と言っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます