第12話

家に帰り、メールを確認する。加奈からやはりすぐに返信が来ていた。「うちは十分優はすごいと思うよ!応援してる!」との内容だった。前にも同じようなことを言ってくれている。加奈は優しいな。「ありがとう!」と俺は送った。またすぐ来るかな?と思ったがなかなか来ない。俺は風呂に入る事にした。

風呂から出ると、加奈から返信が来ていた。「うん!話変わるんだけど、、、優は好きな人とかいないの?最近付き合いだした人も多い見たいだよ!」との内容だった。急に話変わったな。たしかに最近、だれだれが付き合ったらしい、とかの噂はちらほら聞く。正直、ちょっとうらやましい。好きなひとか、、、特にいないな、と思ったが、ふと菜摘のことが頭に浮かんだ。いやいや、好きとかじゃないだろ。まだそんなに話したこともないし、まだよく知らないし。もっと話したいけど。そう思ったところで俺はまだ菜摘のことをよく知らないと改めて実感した。好きな歌手は?好きな食べ物は?普段、何してるのかな?そう考えているうちに、俺は思った。もっと菜摘のことが知りたい。もっと俺のことも知ってほしい。

その前に加奈に返信しないと。「好きな人はいないかな。気になってる人はいるけど。加奈は?」と送った。加奈には正直に応えようと思った。少ししてまたメールが届く。「えー!以外!だれだれ!?ちなみにうちはいるよ!」との内容。いや流石に加奈にもそこまでは言いたくない。それに、加奈は好きな人いるんだ。まあたしかに加奈はいい子だし、たぶん結構人気あると思う。「内緒。加奈はいるんだ!だれだれ?」と送る。またすぐ返事が来る。「えー!気になる!優が内緒ならうちも内緒!」ま、そりゃそうだよな。加奈の好きな人、結構気になる。でもたぶん俺も言わないと教えてくれないだろう。俺は誰にも知られたくない。しょうがない。「俺は絶対教えない!でも、加奈、その人とうまくいくといいね!」と送る。そろそろ眠い。どうせまた学校で会うし。次で終わりにしよう。今度は少ししてから返事が来た。「えー!けち!でもありがとう。優はほんとに優しいね。」ちょっとかわいい。てか、俺優しくなんかしてないぞ?まあいいや。とりあえず寝よう。最後に返信する。

「ケチって言うな!あと、そんな俺優しくないし、加奈のほうが優しいよ!ごめん!眠いから寝るね!おやすみ!」よし、寝よう。また学校で話そう。ちょっと好きな人ネタでいじってみよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る