第2話

今日から始まる中学校生活。とは言っても半分以上は同じ小学校から集まっており、だいたい4割くらいが他の小学校から集まっている。俺は元々野球をやっていた。途中で辞めてしまったが、よく言う、運動部のイメージには当てはまる人間だったし、俺らの小学校は人数も少なくなかったが、みんな仲良しだ。だからそこまでの不便は無かったし、同じクラスにも特に仲のいい友達が何人かいた。

「中学でもおんなじクラスじゃん!いえーい!」そういって話しかけてきたのは小学校の頃、一緒に野球をしていて、6年のころも同じクラスだった星だ。星は勉強は全然出来ないが、運動神経が抜群に良く、明るく能天気でいつもふざけたことばかりしている。アニメやドラマによく居るムードーメーカーそのまんまだ。

「星と一緒か!すげー嬉しいけどあんまり問題ばっかり起こすなよ?」と俺は言う。

「あれー?俺そんな問題起こしてたっけ?」とあからさまにとぼけている。

「よく授業中騒いで怒られてたろ?それによくじゃれあってそれがエスカレートして喧嘩してたし、中学ではそんなくだらない事で怒られるなよ。」と俺は言う。小学校の頃はそーゆーのを見てて面白かったけど、ほぼ毎日おんなじ事で怒られてを繰り返して、流石に中学でそんなことして先生に怒られるのは恥ずかしい。

「さすがに中学ではそんなことしませーん!」と星が言う。信用は無いが多分思春期とかそーゆーので多少は大人しくなるだろう。

特に仲が良かった男友達は星で他にもよく遊んだやつが何人かいた。サッカーをやっていた太一、直也。他は大人しいやつが多く、以外と同じクラスの中には仲の良かったやつらは少なかった。と思って言えるとでかい声で「あーーー!優じゃん!」と俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。声のする方を見ると、愛がいた。女子の中では身長が高く、ずっとバスケをやっていて運動もできる。それに男みたいな性格でうるさい。小学校の頃何度か同じクラスでお互いの兄貴も友達同士で良く知っている。くそ、こいつも同じクラスか。

「初日の朝っぱらからでかい声で呼ぶな!それになんで同じクラスなんだよ!」

「そんなのうちは知らないし!でも良かったね〜、うちと同じクラスで。あんた自分から女の子に話しかけられないもんね〜。」こいつ、痛いところを初日の朝からクラスの中で言いやがって。確かに俺は女の子には人見知りで自分からほとんど話しかけられない。きっかけがあったり、話しかけてくれる子に対しては話せるが、特にかわいい子には話しかけられない。何を話せばいいのか、迷惑じゃないか、などと考えてしまう。

「別に、話そうと思えばいくらでも話せるわ。」情けないがこんな事しか返せなかった。

「あっそーう。ふーん。じゃあ気になる子がいてもうちに頼らないでよね。」とニヤニヤしながら言う。「そもそも頼った事ねーし。愛も俺に構ってもらえなくて泣くんじゃねーぞ?」と半分ガチで言う。そもそもこいつに女子の相談したらすぐ広まるだろ。「いつも構ってあげてるのはうちのほうなんだけど?」と愛が言う。このままだと話が終わらない。そう思った時、「愛〜!お同じクラスだね!」と可愛らしい声が聞こえた。加奈子だ。いつも笑っていて生まれつき明るい髪色に少しませた感じが男子に人気だった。確かに可愛い。「優も一緒なんだー!よろしくね!」と加奈子が俺にも話しかけてくれた。空気が和み、愛との会話も終わらせられた。「一緒だね、よろしく。」と俺は言う。もっといい感じの言葉が出ればいいのに、必要最低限の言葉しか出ない。愛との会話ではいくらでも言葉が出てくるのに。「うん!」加奈子は笑って返事をした。加奈子の後に続いて見覚えのある女子がいた。望未だ。「あー、愛と優じゃん。よろー。」とひとこと。望未は加奈子と仲が良く、小学校の頃からよく言う、イケてるグループに入る女子だ。望未は普段、のんびりしてるが興味のある話になったり、テンションが上がるとうるさいタイプだ。この2人とほかに、仲のいい女子が何人かいるがそいつらが集まるとキャンキャンキャンキャンうるさい。

そんなこんなで話していると、チャイムが鳴り、みんな席へ着いた。まあ悪くないメンバーかな、と思いながらその日は入学式をし、色々と先生の話があり、お昼には下校になった。

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