第3話.オフコラボで同期てぇてぇ Bパート
「さて、華の様子はー?」
「……えー、皆さん悲しいお知らせです。らうめん食べてる間に耐久配信終わってたみたい」
:タイミング的に惜しかった。さっき終わったよ
:らうめんあるし仕方ない
:実際てぇてぇみれたしヨシ!
「まあ、切り替えよう。颯さんはなんか告知ある?」
「んぇ?」
:らうめんに夢中で話きいてないじゃんwww
:颯ねぇwww
:草
「多分ないよー。そんな事よりらうめんよ」
「らうめんハマってくれてるのは嬉しいけどー。まあ、耐久配信終わってたみたいだし、配信はこの辺で! まったねー」
希望は配信を切った。
「……それで、今日はなんのご用だったの?」
「あー……ちょっと家出してきちゃった」
「またぁ?」
颯は家出癖があった。
月に二回ほど希望の家に家出でくることがあるので、想定内ではあったのだ。
「ついでに彼女も魔王の器になったよ」
「えっ?」
いつの間にか部屋に現れたアスタロトが口を挟んできた。
「いつの間に……」
「一応彼女と一緒に入ってきてはいたよ。そんなことよりも、だ」
「?」
「恐らくだけど、明日明後日は二人にとって大変な日になると思う」
アスタロトの言葉に、希望と颯はなんのこと? と言った反応で互いを見た。
確かに、家出してきてる以上多少の面倒はあるだろうが、それも慣れたものだ。
「どういうこと?」
「颯の方だけど、初戦でレベルが一気に上がったんだよね。相手が地道に経験値貯めてたからではあるんだけど、でここから大事なんだけど、どうやら俺みたいな立ち位置のやつには、他の器の位置とレベルがわかるアイテムがあるみたい。最もログボみたいなもんだからまだ俺は手に入れてないけど」
「なるほど、だから狙われると」
「そういうこと。昨日まで居なかった新人が二人現れて、片方は程々にレベルも上がってる」
アスタロトの話は、予想と呼べる範囲であるが、確かに都心でなく田舎にぽつんと新人が現れ、狩り時だとすれば狙われる可能性はあるだろう。
「でも、移動の手間考えたら、近場で相性のいい人狙うんじゃないの?」
「それがね、どうやら同じ相手からは一度しか経験値を取れないらしい。
まるで、観る側が変化を楽しめるようなルールだね」
「ふぅん……なら、狙ってくるリスクは高いか。颯さんのレベルは今いくつなの?」
「6だよ。あの素人狩りはかなり地道に稼いでたみたいだね。溜め込んだのに狙われてなかったのをみると早い内に負けるだけ負けておいたんでしょう」
レベル10までとなると、確かに見逃せない経験値量になる。
都心から来るなら、早くても日付が変わるだろうから、アスタロトの予想の確度も高いと言える。
「そういうことなら、ありえるね……なら」
「今はしっかり休んでこー」
「……え、お互いの力を確認しとかないのかい?」
「チッチッチッ、やだなぁ。浅はかぁ。颯さん達位てぇてぇ関係なら、何となくわかるもんよ。ねー?」
「ねー?」
アスタロトは困惑した。
色々策を練りたいタイプなので、スタンスが違いすぎていた。
「そういや、あの一緒にいた人は?」
「幻月かい? 偵察してもらってるよ」
「奇襲対策ってこと?」
「そんなとこだね。相手からは場所わかるのにこちらはわからないんだから、早く見つけてくれないと」
希望は、とりあえず状況がわかったので、後はしっかり休みながら備えておくぐらいしかないなと、感じてた。
だが、同時に短期決戦となることがわかったので、実感がない内に戦いを終わらせられると理解した。
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