うみのどーくつダンジョン・13 ~実家のような安心感~
◆ うみのどーくつダンジョン・ボスエリア ◆
あっという間に辿り着いてしまいましたねえ……。で? このボスに来るまで何回赤いのが出たと思う? なんとね、4回。4回も出たよ……。今私の死体安置所はまっさつしゃーちが4匹、さつりくしゃーちが3匹、これから手に入る真・殺戮者と真・抹殺者の死体で枠が全部埋まる予定ですね。凄い、なんという豪華な素材達……!!
さて、さてさて、現在は初手の即死ビームをどん太にペネを付与して全員で後ろに隠れて防いで、千代ちゃんがばっと飛び出してあっという間に排気口を蹴り壊して来ました。紫電脚、なんと攻撃にも転用出来るんですねぇ……。千代ちゃんの脚は丈夫で強くて……いいね。
『…………GAGAGAGAGA…………!!! H-E-L-L!!!! GO TO HELL!!!! :> :> :> :> GO TO HELL!!!!!!!!! :> :> :> :>』
「おお、凄いな……。外装は美しくないからどうでもいいとして、だ。内部はどのような構造をしているのだろうか? リンネ、あれを鎮圧可能だろうか? 詳しく調べて見たいな、兵長殿……どうにかならないだろうか……」
『Σ(´∀`;)!?』
「んーーやるだけやってみようか! どん太! とりあえず走っておいて! 千代ちゃんは赤いのの始末ー! 終わり次第黒いのをどん太が誘導、つくねちゃんと共闘して始末! 行動開始!」
「御意に!」
『わん!!』
「わかった!」
「リアちゃん回避優先、武装と自爆装置の破壊、出来れば!」
「にゃんだーを当てたら壊れるかなっ! やってみまーす! 飛んでおきますからねー!」
「え、と、飛んだ……!?」
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【熱暴走モード】になりました』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【緊急変形! 徹底抗戦モード】を発動しました』
そしたらね、マリちゃんがあのグレートホエール号を見て大興奮! もうどうしてもあれの構造を解析したいって鼻息を荒くしてるのよ。とりあえずリアちゃんには防御に徹して貰って、可能であれば鎮圧まで持っていくけど……。しっかし、ドゲルの作ったであろうこの潜水艦、外装が美しくないって全否定されてて笑っちゃう……。ドゲルとマリちゃんは美的センスが絶望的に合わない、と。あ~そういえばリアちゃんが飛べるのも知らなかったか。飛ぶんだよ、ねこはね、飛ぶ。
「き、来ますね……つみれ、離れちゃダメだよ」
『ぴゅう!』
『GO TO HELL!!!!!!!!! :> :> :> :>』
『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)に変形しました!』
『ヘルホエール号(Lv,????)の高速移動に反応し、【真・殺戮者(Lv,????)】が乱入しました!』
『ヘルホエール号(Lv,????)の高速移動に反応し、【真・抹殺者(Lv,????)】が乱入しました!』
『『GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』』
『ヘルホエール号(Lv,????)が【ヤバイカミサイル】を複数発射しました』
来たな、よし! 行動開始!!
『アビスウォーカー状態になりました。どん太の影に移動します』
「前みたいに当ってあげませんよ~」
『オーレリアが【
「いけ、にゃんだーー!!」
『オーレリアが【
『ヘルホエール号(Lv,????)に【
『Error……Error……』
『ヘルホエール号(Lv,????)の【自爆装置】が破壊されました』
あ、やった。やったわ、もうね、へるほえ君は鉄の塊みたいなもんだねこれで。しっかし、毎度毎度感電に弱すぎない? 接地してないからアース取れなくて感電に弱いの? 絶縁しっかりしときなさいよ……。
「え~……。ぜ、絶縁とか、しないから、壊れるんじゃ……」
「それね。運動機能とか重大なシステム関係の脳に当たる場所は、こういった攻撃から徹底的に守らないとダメだよね」
「なるほど、こうした機械と呼ばれるモンスターは電気に弱いのか。乾燥した冬の時期に鉄などを触った時に発する電撃、あれが火薬に引火して危うく大惨事ということがあった。これらも同じか、なるほど……」
「そうだね~基本的に重要なものは外部からの浸水とか、熱とか、電気通電対策とか、後は土埃とかのゴミとかさ~? そういうのに弱いだろうね~」
「わっち達が、この世界に来るための装置も、それらに弱いので……。VR学科で、教わるから、詳しい……」
「あ、つくねちゃんのところもVR学科あるんだ~。いい学校なんだね~」
「え、あ、そ、そう……えっへへ……」
「なるほど、参考になる……。では何がダメなのか、早く構造が見たいな!」
マリちゃんがすっごい食いついてくるなあーこの手の話題。さて、殺戮と抹殺はどんな状況? どん太が走って二匹に追われて、遠距離攻撃を受けたりなんだりで大変な状態のはずだけど? あっ!
『姫千代が【牙突紫電】を発動、真・殺戮者(Lv,????)と真・抹殺者(Lv,????)に平均1,445Kダメージを与え、撃破しました』
『真・殺戮者(Lv,????)から経験値 12,999,998 獲得』
『真・抹殺者(Lv,????)から経験値 57,777,777 獲得』
『マリアンヌがレベル50に上昇しました。上限に達しました、進化しましょう!』
『つみれがレベル50に上昇しました。上限に達しました』
『真・殺戮者(Lv,321)を撃破しました! MVPは姫千代です。MVP報酬は【★スペシャルカードバインダー・2個】でした』
『真・抹殺者(Lv,444)を撃破しました! MVPは姫千代です。MVP報酬は【?家具(虹)】です』
『死体安置所・8に【真・殺戮者(Lv,321)】を納棺しました』
『死体安置所・9に【真・抹殺者(Lv,444)】を納棺しました』
「ええええ~~……。横っ腹を二匹同時にぶち抜いちゃったよ……」
「あ、耐性を無視してぶち抜いたダメージな感じ、ですね……。姫千代さん、もっとダメージ大きいですよね。ダメージカット分で減少してる分かな……?」
「あ~なるほど……」
『Σ(´∀`;)!?』
『わうわうわう~~ (倒しちゃったよ~~)』
「倒せてしまいました」
「倒せ、ちゃったねえ……」
あわわわ……。作戦よりもあっさりと、あれだけ苦汁をなめさせられた真シリーズの鯱二匹を……。あ、死体安置所に回収しとこ。今はマリちゃんの安置所も増えているから固定が5枠、空きは9枠だからこれでいっぱいだね。
それにしてもやるなあ、千代ちゃん。ケロッとした顔で『倒せてしまいました』だって。ひえ~~……。あれ? じゃあもしかして千代ちゃん、弱い方のさつりくしゃーちも耐性ぶち抜きからのダメージカット分も超えたら、一撃だったってこと? 私のカーススピアのスリップダメージ……あ、あれ……? あれ? やっぱり私は本当の戦闘員から比べたら、補助止まりなんだなぁ!
「にゃんだー! ごろごろどっかーん!!」
『オーレリアが【
『ヘルホエール号(Lv,????)に【
『ヘルホエール号(Lv,????)の【ウツボさんバズーカー】【フカヒレーザー】が破損しました』
『ヘルホエール号(Lv,????)が使用出来る武装がありません』
『OH……NO…… X<』
…………。うわ。へるほえ君、動けない自爆できない武装壊れて何も出来ない、もう……。終わりだね……。タネがわかってればこんなにあっさり片付くんだ、空中の敵を最優先が本当にダメなAIだね……。本当は上から攻撃しようとするやつを撃墜するためのプログラムなんだろうけど、それが仇になってるよ。
「あ、落ちてくる」
「落ちて、きますね……」
『ぴゅい~~?』
「うん、もう攻撃手段がなくなって、何も出来ないようになっちゃったんだよ。哀れだよね」
『ぴゅぁぁ~……』
「なんと呆気ない……。三度目ともなればこの程度でしょうか」
『わう~~…… (後2匹いないと、弱いね~)』
「あ~サメ号とシャチ号だっけ? アレが居ないと弱いね~……地獄パーティ専用ボスなのかな」
「あっ……そのボス、見たかった、ですね……。美味しいって、聞きました」
「かなーーり美味しかった! あ、マリちゃん、もうあれを解体しても解析しても何しても大丈夫だよ~」
三回目ともなれば、こんなもんか~。自爆できない、動けない、武器がない、本当に何も出来なくなるボスだもんねえこいつは……。僚機がいないと、本当にただのデカい的にしかならないや。じゃあマリちゃんにゴーサインを出して……。あ、そうだ。
「本当か!? じゃあ、早速――――」
「あ、その前に進化しちゃおう! これで3回目だね~」
「おお、また進化か! ぜひ、凄まじく力が漲ってくるんだ、我が我ではないようだよ」
「んっふふ~。じゃあ、また私が選んでいい?」
「ああ!」
その前にマリちゃんの進化をやっちゃおう。マグナティストを45までやった後にハイマグナティスト、それを50レベルまでやると次の進化があってこれからなんだけど……。段階的には多分、次のキャップが75だろうからこれでおにーちゃんと同じランク帯まで上がったことになるのかな? まあレベルはまだまだ遠いけど。どれどれ、何が選べるのかな~?
【マスターマイスター】(無属性・人間系・中型)
・魔界技師系の上位クラス、機械系の装備を生産し、戦う生産系戦闘員
・武器は銃火器系、機械系、特殊鈍器と多種に渡る
・攻撃力はTECの影響を大きく受ける
・防具適性は重甲
・このルートを選択しない場合、以後選択不可
んー普通。凄く、普通な内容……。ただしこれ以降はもうこれを選択し直す事が出来ないのね。マイスターに戻るなら今のうちだぞってことかな?
【マスタークリエイター】(無属性・人間系・中型)
・総合生産職クラス、機械系装備のみならず、それに付随する装備やアイテムも生産可能となる
・戦闘には向かない為、最低限の護身装備として小火器、特殊短剣等が装備となる
・攻撃力はTEC、もしくはMAGの影響を大きく受ける
・防具適性は布
・このルートを選択しない場合、以降選択不可
こっちも同じ様な内容か。まあここまで戦闘に熱意を持ってるマリちゃんをこれに就かせるのはないなー。ない。じゃあ……あ、次で最後ね~?
【★★マグナティクス・マキシマイザー】(無属性・人間系・中型)
・天に禁忌とされた魔の技術の果てに何があるのか
・禁忌の技術によって生み出される芸術とは何か
・これは、魔界技術と神域芸術の融合を目指し歩む者に用意された終わりの見えない道の始まりである
・攻撃力はTEC、もしくはMAG、またはその両方の影響を大きく受けるであろう
・身に纏う装備の適性は機械系である
・このルートを選択した場合、完全に挫折するまで転職・転生することは出来ない
いやこれはちょっとね、マリちゃんと相談しよう。流石にこれを私の一存では押し付けられないかなあ……!!!
「ちょいちょい、マリちゃんや」
「何か問題が?」
「そのね、この、マグナティクス・マキシマイザーって職なんだけどね? あの――――」
この職業は間違いなくマリちゃんに向いてそうな小難しいことが書いてあるんですけど、かる~い気持ちではぽち~っと出来ないかな~~って……! 説明、説明をこう、噛み砕いて……伝われ、伝われ~……。
「それを選ぶことに何の問題が?」
「ええ……いいの?」
「ああ、むしろ進もう。用意された道を歩むようなことは、つまらない」
「おお~う……!」
マリちゃん、凄い肝が座ってるっていうか、覚悟が決まってるっていうか、一直線だなあ~……!! じゃあ、険しい道になるけど、頑張れよマリちゃん! それ、ぽちーーーっ!!
『【アンデッド管理】から【強化】を発動、マリアンヌの【★★マグナティクス・マキシマイザー】への進化がリクエストされました』
『【魔神バビロン】、【冥神ティティエリィ・ティスティス】、【真理の追求者、禁断の技術者マグナ】がリクエストを許可しました。マリアンヌの進化を開始します』
『どうなるか楽しみね~♡』
『ふれ~ふれ~♡ お姉ちゃんは応援してま~す♡』
『なるほど、面白い』
『マリアンヌに新たなスキルが複数セットされました』
『マリアンヌのステータスが大幅に上昇しました』
『マリアンヌの【★★マグナティクス・マキシマイザー】への進化が完了しました』
おお、なんか複数の方々から応援メッセージみたいなのが届いてる! マリちゃん、応援されてるよ! 頑張ろうね!
「……終わったのか? 魔神様や、冥神様にマグナ殿の応援の声が聞こえた気がする。ああ、我はここから……始まるのだな……!」
「終わったよ~! じゃあ、え~っと……」
『OH……NO…… X<』
じゃあ、完全に何も出来なくなってオーノーしか言えなくなったへるほえ君の解析、しよっかぁ~……。
「……つみれ、全然大きくならないね? わあ……!!!?」
『ぴゅいいい~~~~』
『Σ(´∀`*)!』
「おお、巨大化出来るようになったのですね、つみれちゃんは」
『わう~~!!! (大きくなれたね!)』
『きゅぅ……』
「あ、小さくなった……」
「一時的な力なのですか。なるほど」
「小さくなると窮屈ですからねっ! 実は私も猫に変身するとちょ~っと窮屈感がありますっ!」
「おお、大きくなることが出来るように進化したんだ~!」
「そう、みたい! 大きくなった時も、可愛かったですけど……。あ、寝ちゃった……」
「巨大化はまだ疲れるのかな~……?」
「なるほど、これが君の心臓部か。ここから、いやしかしこれでは無駄が出すぎる……。ここを削ればもっと可動域が、これでは鈍重では……」
皆思い思いに過ごしておりますね~。いいねえ、楽しいねえ~。んで、皆ちょーっと忘れているかもしれないんだけどね?
『OH……NO…… X<』
あいつ、一応ここのボス……なんだよね? 今、一応戦闘中……のはず、なんだよねえ……。本当、へるほえ君さぁ…………。
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