幸せな時間

◆ ローレイ・魔神殿のギルドルーム ◆


 さて、魔神殿のギルドルームでの鑑定結果をお知らせ致します。


・ゴミ53個

・★マル・デ・ウニ2個

・★ホ・タテ1個

・★マグロスボウ1個

・★ユルセン帽1個


「こ、この、ユルセンボンの帽子可愛くないですか……?!」

「攻撃されると膨らむギミック付き! なんだろう、可愛いな……憎めない装備だわ……」

「これとか、ちっちゃいマグロ型のボルトが発射されるみたいですよ」

「マグロが発射されるクロスボウでマグロスボウかあ~~……」

「こういう武器の見た目を、アバター化したい人多そうですね」

「あ~確かに。見た目用装備とかに変えたい人居そう~~」

「そういうシステムが来るかもしれないですし、とっておくのもありかも……」

「ありだね、確かに!」

「ですね、ふっふ……」

『ぴゅぃぃ…………』

「あ、起きた……? あ、寝言かあ」

「可愛いねえ~……」


 とりあえずアクセサリーのカバン系アンコモン装備が6個も出たので、それ以外は指輪、腕輪、ネックレスの金シリーズを1個ずつ残してそれ以外全て解体。カバン系アイテムはね、アクセサリーのその他に分類される装備で、この装備に登録したアイテムをインベントリを開くことなく瞬時に取り出せるってアイテムだね。これのミスティックシリーズが、シャチさんリュックサックとか、虎ッキングリュックとかなんだろうねえ~。

 ん~で。なんでこっちのギルドルームで鑑定中なのかって言うと、千代ちゃんが何となくお風呂に入りたい、ついでにリアちゃんも一緒に入りたいっていう理由と、どん太をモッチリーヌちゃんのところにぐいぐい引っ張ってって会わせてきたのと、マリちゃんがマグナ研究所で忘れない内に構想を書き殴りに行きたいって理由だね。おにーちゃん? マリちゃんが暴走しないように、今度こそ見守ってるって。リベンジマッチだねえ。あ、そういえば最後にへるほえ君から経験値が6,500万手に入ったから、それでマリちゃんはレベル5まで上がったよ。うーん、やっぱり暫定クラス4段階まで来ると渋いねえ……!


「……じゃあ、メインのやつ、行っちゃう?」

「行っちゃう! えっへ……!」


 さて、それでは今回のメインの未鑑定品をご紹介します。まずは真・殺戮者のMVP報酬であります【?家具(虹)】、そしてボス撃破報酬の中にあった大量の【?素材(虹)】と【?部品(虹)】と、通常の宝石箱にあった二重底の下に【?部品(黒)】が2個、もう1つ二重底があったほうから【?家具(黒)】! 後は通常宝石箱から【?弓(虹)】が出たぐらいかな? じゃあまず、弓から行ってもらおう!


「弓から行ってみよー!」

「そ、だね。使ってる人、居ないのから」

『【?弓(虹)】は【★★魔導弓・月】でした! おめでとうございます!』

「……お?」

「天はゴミスティックでしたけど、これはどうでしょうね……」


 出たな魔導弓。天って付いてるのはカルママイナスだと使えないゴミだったけどこっちはどうだろうね? 



【★★魔導弓・月】(最上級・ミスティック・魔導弓・空きスロットなし【●】)

・【呪】この装備はカルマ値が600以下でなければ装備できない

・【呪】要求:素のTEC200以上

・【呪】要求:素のMAG100以上

・【呪】要求:マジカル系パッシブスキル

・紋章化が可能で、非実体武器として使用可能

・装備を外す際は直接インベントリに収納のこと

・スキル【ルナスプラッシュ】使用可能

・スキル【ルナクライシス】使用可能

・スキル【月食】使用可能

・攻撃時MP消費

・魔術攻撃力+40%+0%

・【月のタロットカード】魔術攻撃力+25%・反射されない

 強化可能・装備登録者【――】・重量なし



「「つよい」」


 これはね、ヤバイ。どう考えても強い。ただしここでふと気が付きました、これを装備する人達ってライトシューターとかヘビーシューターとか、そういう系の人達だよね? ああ、だからこんなに強いのか……って納得する部分が一点だけ。


「素のMAG100ってことは、そこまでステ犠牲にしなきゃダメなのね」

「あ……。これ、ちょっとつらいですね……」

「ステアップで8の状態の人で92ステポイント振らないとダメなのかー」

「あ~~……。ちょっと残念ですね」


 これ、必然的にステポイントが合計300以上割り振りしないとダメだし、しかも全く関係ないステータスのMAGに100も振らなきゃ使えない。ここまでして使いたいならどうぞって感じだから、こんなに強いのか。しかも物理攻撃力じゃなくて魔術攻撃力が上がるから、戦闘スタイルも激変要求だ。


「どうする?」

「…………ワンチャン、ここを見落として買う人を狙って…………即決、2億とか…………」

「ん~……あ! これも見た目装備に出来るかもしれないじゃん! 非実体武器って格好良くない!?」

「あ……。じゃあ、それがもし実装されたら、凄い値段になりそう……」

「だよね! 取っておこうか!」

「ん、取っておきましょう」


 これをいま売るより、多分来そうというか……私達でも思いつくシステムだもん、きっと来るよね! 武器のアバター化、ね! これは取っておこう、ほんじゃあ続きだよ!


『【?素材(虹)】は【★★バビロニウム超合金】でした! おめでとうございます!』

『【?素材(虹)】は【★★バビロニウム超合金】でした! おめでとうございます!』

『【?素材(虹)】は【★★バビロニウム超合金】でした! おめでとうございます!』

『【?素材(虹)】は【★★バビロニウム超合金】でした! おめでとうございます!』

『【?素材(虹)】は【★★希少鉱石ドカ盛りボックス】でした! おめでとうございます!』

『【?部品(虹)】は【★★スペシャルマグナメイカー】でした! おめでとうございます!』

『【?部品(虹)】は【★★スペシャルマグナメイカー】でした! おめでとうございます!』

『【?部品(虹)】は【★★ハイウェポンメイカー】でした! おめでとうございます!』

『【?部品(虹)】は【★★ハイメイルメイカー】でした! おめでとうございます!』

『【?部品(黒)】は【◆コズミックエナジーマテリアル】でした! おめでとうございます!』

『【?部品(黒)】は【◆カオスプレート】でした! おめでとうございます!』


 んーーーー…………? うん、わかった。わからない。


「うちのマリちゃんに、これを渡してもよろしーでしょーか……」

「ん……。説明文読んでも、大変希少なバビロニウム超合金とかしか、出ないんですね」

「ん~……。シークレット素材に至っては『用途不明』だよ? ひどくない?」

「酷いですね……。その道のプロにおまかせしましょう……」


 後でマリちゃんにプレゼントしよう。希少鉱石ドカ盛りボックスとか、マリちゃんの練習用とかになりそうだし、良くない? 確か強力な武装以外は簡易版マグナメイカーって、マグナ研究所に設置してある何回でも使えるやつで作れるんだよね。このスペシャルマグナメイカーとか、ハイウェポンメイカーとかで、専用の奴とか強いオリジナル装備とかを作れるのかな? 多分、レーナちゃんもこれ使ったって言ってたし。

 そういえば、この報酬の分配なんだけど、つくねちゃんが欲しがるものがなかったら全部私が貰っていいことになってるよ。自分では安全に倒せないしゃーち達を倒して貰ったから、その寄生分のお礼ってことで。んーまあ、本人がいらないって言ってるし、いいのかなー。


「家具、行こっか」

「そう、ですね」


 まあ気を取り直して。じゃあ後は真赤シャチから出た家具と、二重底の下の家具! 行ってみよう~!!


『【?家具(虹)】は【★★走るよ! 可愛いしゃち列車!】でした! おめでとうございます!』

『【?家具(黒)】は【◆職人の本気シリーズ・熟睡、土鍋】でした! おめでとうございます!』

「じゅくすい」

「どなべ……」


 しゃち列車のインパクトも凄いんだけど、職人の本気シリーズ・熟睡、土鍋が気になってしょうがないんですけど、なんですかこれは……?



【◆職人の本気シリーズ・熟睡、土鍋】(史上最強・家具【ベッド系】)

・見よ、これぞ職人の本気。猫ちゃんワンちゃんキツネにたぬき、入れば皆熟睡を約束されるであろう

・魔法家具により、対象のペットにジャストフィットのサイズに変形します

・ペットが沢山入っても大丈夫、割れたり欠けたりしません

・快適な睡眠環境をご提供いたします

 重量1.0kg



「ベッドなんだこれ……!?」

「猫鍋とか、それ用ですかね……。あ……つみれ……」

「…………入れよう」

「入れましょう」


 つみれちゃん、眠っているつみれちゃんが悪いんだよ。さあ、お入り……。この熟睡が約束された土鍋の中へ……。


「「つみれ鍋……ふふふ……」」

『ぴゅぅぁ……ひゅぅぅ……ぴゅぁぁぁ……♡』


 スポッと、土鍋に収まってるよ、真っ白い可愛らしいドラゴンが!! スクショ。完璧じゃん、完璧過ぎるつみれ鍋じゃん。スクショ。

 ええ、なにこれ、どうしよう可愛すぎない……!? スクショ。これはちびバビロンちゃん達も、い、入れたい……。ちび鍋、作らなきゃ……!!!!!


「後でちび鍋も作ろう」

「……作りましょう」

「スクショ、撮ってるんだけど……」

「当然ですね……。どんどん撮りましょう」

「ね」


 凄い、可愛い、可愛すぎる……。土鍋ドラゴン、つみれ鍋……。丸くすっぽり入ってるよ……。いい、いいね、なんだこれは、どうしよう、可愛い……。




◆ 暫くして…… ◆




「君の主人は凄いねえ、次から次へと、希少な素材や機材をぽこぽこと運んでくる」

「ああ、正直これだけのものを呼吸するように置いていくから少し怖いよ」

「オリハルコン、アダマンタイト、ミスリルが当然のようにぎっしりと入った箱、練習用だとか言っていたけどこれは……並の技師では扱わせて貰えないような、一生かかっても手に触れるかどうかのものだぞ。それにこのような超合金や、途轍も無いエネルギーを保有しているマテリアルまで……」

「ああ、それがこれだけあれば……。それに、とある巨大兵器の構造もゆっくりと研究出来る機会も貰った。それに先程、今日はこれを好きなだけ弄ってよいとも了承を得た」

「ちゃんと寝ろという発言は忘れていないだろうね?」

「…………ぜ、善処する」


 リンネから、大量の素材や機材を頂いてしまった。地下に建造されたマグナ研究所には置ききれず、設計台と簡易マグナメイカーだけが置いてあるガランとしたとても広い部屋……第二マグナ研究所に素材や機材を移動した。目を爛々と輝かせてソワソワとしていた我を見かねたらしく、今日はこれを好きなだけ弄って良いと許可も貰った。リンネには感謝しかない。ありがとう……。


「さて、こっちは余計な口出しはしない。どのようなものが出来上がるか、楽しみに待っているよ」

「付き合ってくれないのか?」

「私は私で作らせてもらうよ。それに、完成品を見せ合ってそれを評価し合うのも楽しそうだろ?」

「ああ、それは良い。それは楽しみだ。じゃあ、マグナ殿……また後で」

「程々にね。そうだ、寝る時間にはアラームをセットしておいてやろう。それが鳴ったら寝なさい。君を信頼してくれているマスターとの約束、そして君に期待している所長の命令だよ? いいね。守れないなら出禁だ」

「そ、それは困る……。わかった、約束するよ」


 ここを出禁になったら困る……。わかった、しっかり約束は守ろう。まずは、そうだな……。頭の中の設計図をアウトプットする作業から始めよう。あの鯨型の戦闘機械からは学ぶことが多かった。あれの悪い点を改良し、良い点は流用し、応用し、まず我の作りたい物の一つを作り出そう。ああ、心が躍る。こんな気分になったのはいつ以来だろうか…………。ああ、楽しい、楽しいなあ……。楽しい……!!!




◆ バビロニクス・ギルドルーム・ちびちゃんズの部屋 ◆



『『『『『…………Zzz』』』』』


 オ゛…………オ゛…………!


「大きい声を、出しちゃ、だめですよ……」

「…………ッ」


 苦しい、死ぬ、スクショ、可愛い、無理、ちびちゃん達が皆土鍋に入って寝てる、やば、んほ、おほ……!!! 叫びたい、でも叫んだら、ダメ……!!!


「スクショ、スクショを静かに撮るんです……静かに……それが、プロ……」

「それが、プロ……!」


 つくねちゃん、凄い……。これを目の当たりにして冷静――あ、目が血走ってる!! とても冷静じゃないんだ、心の中では!! 凄い、つくねちゃんはプロフェッショナルだ……!!


「こ、この列車も、ここにおいておきましょう……」

「……! ……!」

「目が覚めたら、これに乗って遊んでくれるかも……」


 走るよ! 可愛いしゃち列車はね、ペット用のおもちゃ系家具だったよ! ミニサイズの列車だった! 先頭車両に乗る座席が付いてて、後ろの連結車両にも乗る所があるの! つまり、これに乗って遊ぶちびちゃん達が見られるかもしれないということ! それも早く見たい、ああでも寝てる、大きい声はダメ!


「よ、し……。静かに、出ましょう……」

「ね、出よう出よう……!」


 静かに、そーっと……。おやすみ、ちびちゃん達~……。みんな仲良くねんねするんだよ~……。ふう~……。私の心臓、耐えてくれた。


『ぴゅぁぁぁぁ……♡』

『んっふ……♡ やぁだぁこの子、角にリボン巻いて、超可愛い~……ねえクーガー?? でけえ声出したら殺すわよぉぉ?』

『……おう……! おう……!!』


 あらあら、こっちはこっちで、クーガーさんが死にかけてたよ……。サリーちゃん、つみれちゃんの顎をゴロゴロなでなでしたり、遊んであげてる……。そんなサリーちゃんの愛くるしい小動物を愛でてる時の表情もまた、結構可愛らしいんですよね。あ、クーガーさん、そっちは……。


『待て、おいクーガー、その部屋覗いたら死ぬだろうが』

『な、ォ…………』

『…………あ~あ♡ 死んじゃったぁ♡』


 ああ、クーガーさんが、ちびちゃんズの部屋を覗いて死んじゃった……!! あ、そういえばちびカレンちゃんからのちょうせんじょー、寝てるけどどうすれば良いんだろ? ああ、クエストタブからクリア報告が出来るんだ。じゃあこれで大丈夫なのかな?


『シークレットクエスト【ちびカレンからのちょうせんじょう! No,4】をクリアしました』

『報酬として【◆地獄パーティ会場転送チケット】を入手しました』

「お…………?」

「ん、どうしたんですか……?」

「あの、挑戦状のクリア報告をしたら、地獄パーティ会場転送チケットが貰えたんだよね」

「え、あ……。本当だ、わっちも貰えました」


 おお~。これは、地獄パーティのポータルまでわざわざ歩いていく必要がなくなるチケットだ! 使用回数は10回だけど、いやでもまた貰えるかもしれないやつっぽいし、パーティ全員を1枚で転送出来るし、回数有限でも問題ないね。


「ん……。そういえば地獄パーティの固定、わっち抜けたんです」

「え、抜けちゃったの?」

「はい。タンカー不足のところ、コナーさんと代わって貰うことにしたんです」

「そうなんだ…………でも、どうするの?」

「まだ、力不足かなって……それに、継続戦闘じゃないからバフ切れて、役に立たないんです」

「ん~……」


 ん~……。つくねちゃん、地獄パーティ固定ぬけちゃったんだ。あ、うちはマリちゃんが入ってもまだ2人空きあるし、今日はマリちゃん来ないから空きあるし……。誘おうかな?


「真覚醒すればその辺解決するかもよ? スキル統合とか、強化とか入るから」

「そう、なんですか?」

「うん~。そろそろまゆ……ペルちゃんも来るだろうし、これから行こうかと思ってたから、空きもあるし行こう~?」

「え、お邪魔してもいいなら、あの……」

「つみれちゃんはどうする?」

「流石に置いていかなきゃダメです。まだ、早すぎるので」

『ぴゅぅぁ……?』

「ん、とっても怖いダンジョンに行くの。つみれはあっという間にやられちゃうから、待っててくれる?」

『ぴゅいぃ!』

「いい子だね」

『じゃあ~サリーちゃんが面倒見ててあげよっかぁ~? サリーちゃん、天下一今日はおやすみするしぃ~……。クーガーもここで、ちびちゃんのお洋服作りたいらしいからぁ、い~い?』

『ああ、この可愛い子のお世話なら任せておけ……』


 ん、丁度良いんじゃない? サリーちゃんは見た目とか色々がアレだけど、悪い人じゃないだろうし。クーガーさんも面倒見がいい人っぽさそうだし。


『(*´ω`*)b』


 おにーちゃんも『こいつらなら大丈夫だよ』って感じで親指立ててるし。いいんじゃな~い??


「じゃ、じゃあ……」

『ペルセウスがログインしました』

「ご機嫌――――」


 マズイ! ペルちゃん大声は禁止! 食らえ、秒殺口押さえタックル!!!


「むぐぐぐ……!?」

「しーーー……。今ちびちゃん達、ねんねタイムだから」

『やだぁすっごいアグレッシブぅ♡』

『仲が良くていいじゃないか』

『(*´ω`*)』


 決まった。よし、じゃあペルちゃんに事情を説明して今日の地獄パーティに突撃しようじゃないの。


「ペルちゃん御機嫌よう。あのね、相談があるんだけど」

「こん、ばんは」

「御機嫌よう……。あらあら、何かしら?」

「つくねちゃんも地獄パーティ一緒に連れて行こうかなって。あ、そのドラゴンはつくねちゃんのペット……従者まで行かないのかな? の、アルビノドラゴンのつみれちゃん」

『ぴゅい!!』

「きゃわ……!! ん、んっ! つみれちゃんね? どうぞよしなに」

『ぴゅぅい!』

「かわわわ……!!」


 あ、ペルちゃんもつみれちゃんにイチコロだ。可愛いもんね、可愛すぎるもんね。この子に地獄を見せるには、まだ早いよね……。


「つくねさん、固定はどうしますの?」

「コナーさんが地獄パーティ行けるみたいなので、こ、交代……。タンカー、不足だから」

「なるほど。では、大丈夫ではなくって? わたくしは大歓迎ですわ」

「ん! じゃあ一緒に行こうよ」

「あ、ありがとう、ございますっ」

『(*´ω`*)』


 よしよし、ペルちゃんもオッケーなら良いね。それじゃあまずは一回ローレイに飛んで、おにーちゃんはこっちに居るから残りの皆を回収して、地獄パーティに行ってみましょうか~??




◆ 地獄パーティ・第一階層 ◆




 さ、て、と? 早速やって来ましたよ地獄パーティ。どん太は久々にモッチリーヌちゃんとお話が出来て嬉しそう、毛並みが微妙にツヤっとしてる気がする。しっぽがうるさい。リアちゃんと千代ちゃんはリフレッシュしたみたいでやる気バッチリ。おにーちゃんは用意オッケーとばかりにサムズアップ。ペルちゃんはね、今つくねちゃんと悪いことをしてる。


「さあ、どんどん打ち込んで来なさいな!」

「っらああ!!!」

『つくね☆が【フルスウィング】を発動、ペルセウスにダメージを与えられませんでした。ペルセウスがペネトレイトを消費しませんでした【ペネトレイト・14】』

『つくね☆が【高揚・10】【快楽・10】状態になりました』

『つくね☆が【ジェノサイド☆オーバーキル!!!】状態になりました! 素体ステータスが3倍、全スキル強化状態、最終攻撃力5倍、オーラ9,600、ペネトレイト96になりました!』

「っしゃあああああ!!!!!」


 なにもつくねちゃんのバフはね、モンスターを殴って上げる必要がないよねって話。攻撃スキルを使ったらカウントアップするんだから、味方を殴ればいいじゃんってことよ。この待機場でね!!


『地獄パーティへようこそ! 1階層ボスエリアにて、主催【完全体・蛇神ミズチ】がお待ちしております。開催場所は【崩壊したステラヴェルチェ】が予想されます』

『準備が出来ましたら、正面のポータルにお進みください。10秒後に転送が開始されます』


 んじゃあ、やろうか。今日の地獄パーティ…………第一階層のボス、完全体・蛇神ミズチに地獄を見せてやる!!!


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