天下一決定戦・エントリー
◆ バビロニクス・魔神殿 ◆
『来たわねーー♡』
んーーー♡ 来ちゃーーーー♡
『すっっっごいだらし無い顔してる自覚、ある~?』
「ありまぁす!!!」
『元気でよろしい♡ じゃあさっそく本題だけど大丈夫かしら~?』
「大丈夫でぇす!!!」
うひぇ~~~バビロンちゃん、階段の上から見下ろし視点だから、足、足、太もも、絶対領域、そして見上げれば!! 顔がいい! 顔がいい!! 顔がいい!!! うっひょぉ~~~~~~~~。今日の為にいつもの服じゃなくて、正装みたいなの着てる~~~超、超が何百個も何千個もつくぐらい可愛い!! 可愛い! ひょげえええ~~~~~!!!!!
「大丈夫ではないお顔をなさっておられます……」
『ねえイカれ女~。いちたすいち、わかる~?』
「ふぇ……??」
「『あ、駄目……』」
え、何か駄目だった!? いや駄目じゃない、バビロンちゃんは最高で最強で最高なんだから大丈夫! ん…………はぁ~~…………。バビロンちゃんと同じ空気吸ってる~……これもう同棲? 同棲では? 婦妻では? 結婚では? あ、ここが私の人生のゴールだ――――。
『警告:バイタルに軽度の異常を確認。セーフモード起動』
『リズムに合わせて深呼吸してください……』
ちょ、ちょっと待って、興奮しすぎて、過呼吸が……っ! 深呼吸、深呼吸……!! 人生でここまで興奮したことなかったから、呼吸が……っ!?
『バイタル安定を確認』
『過度な興奮にご注意ください』
『通常モードに移行します』
『ねえイカれ女、大丈夫? 顔が青くなってたわよ? お医者さんが必要かしら?』
「あ、だ、大丈夫です。申し訳ありません、興奮しすぎて呼吸が……」
『ワタシのこと、大好きなのは嬉しいけれど、イカれ女が倒れたらワタシ悲しいから、気をつけるのよ~……?』
「はい……。申し訳ありませ――――」
特殊イベが発生する前に、バビロンちゃんにガチ心配されるっていう特殊イベを発動させてしまったねえ……? 流石に今後はこんなことにならないようにしっかりしないと……。興奮しすぎもほどほどに!! いやでも、バビロンちゃん様お美しい……。顔がいい……。覗き込んでるその表情…………! ア゛…………!
『これじゃまともにお喋り出来ないわね~……♡』
「お美しい姿に正気ではいられない様子に御座いますね……」
「はひゅ――――」
や、やば、二回目のセーフモード来ちゃう、流石に連続は、強制ログアウトだけは……!!!
『イカレ女が飛んじゃう前に、代表として任命する儀式をするわよ! 魔神バビロン、死神カレン、冥神ティティエリィ・ティスティスの三柱が命ず、リンネ! 第100回天下一決定戦にて、必ずや我等の陣営に勝利を齎しなさい! リンネを魔神陣営、団体部門代表に任命する!』
「はひっっっっ――――」
『第100回天下一決定戦、魔神陣営団体代表プレイヤーに任命されました』
『バビロニクス、ローレイ地域の魔神殿、死神殿、冥神殿に常駐している【天下一決定戦・会場案内人】に話しかけると、都市エリア内ならどこからでもイベントに参加できる【天下一パス (使用無制限)】と【ルールブック】を受け取ることが出来ます』
『警告:バイタルに軽度の異常を確認。セーフモード起動』
『警告:連続したバイタル異常により、強制的にログアウトを実行します』
『リズムに合わせて深呼吸してください……』
や、やば、緊張と、感動と、バビロンちゃん様の凛々しいお姿に、かかか、過呼吸――――!!!
◆ ◆ ◆
「――ということで、ルールブックと天下一パスを、貰ってきました……」
「これですねっ! ちょっとじっくり読ませてくださいっ!」
無事、強制ログアウトからの過呼吸を解消して戻ってまいりました。だってね、お美しすぎるバビロンちゃん様が悪いんだよ。完璧オブ完璧なバビロンちゃん様が――――バビロンちゃん様は悪くないよ。バビロンちゃん様じゃなくて私が悪いんだよ。どっちだよ。
「むむっ……」
「千代ちゃんとお姉ちゃんとどんどんには、後で私がわかりやすく教えてあげますねっ!」
「むぅ……申し訳ありませぬ……読めぬ字に御座いました……こちらの字はまだ、食べ物の名前しか……」
『わっふ……(読めないよう~)』
どん太がルールブックの字が読めないのはともかく、千代ちゃんは一部読めるけど食べ物の名前限定なんですか……。千代ちゃんらしいといえば千代ちゃんらしい……。あ~~~…………。バビロンちゃ~~ん…………。
「お姉ちゃんは……。余韻ですね、余韻に浸ってますねっ! これは暫くダメです!」
「実際、お美しかったですから、仕方ありませんね……」
『(;´∀`)』
「おにーちゃんは、大丈夫そうですか?」
『(`・ω・´)b』
『余っているものを一冊、お借りいたします。我々も読んでおきましょう』
『熟読』
「じゅくどく~」
『真っすぐ行ってぶっ飛ばす! それで十分だろ!』
『それで十分ではないからこうしてルールを読むんだろうが』
『サリーちゃんは、何をどこまで持ち込んでいいのかしらぁぁ~~??』
「アイテムの持ち込みは基本出来ないみたいだけど、スキル依存の物は幾つかストックしたのを持ち込み出来るみたいだよ~」
「ワイも武器交換にクールタイムがあったわ、うっかりしとると武器掴み損ねてまうわ」
――――皆、ルールブックをしっかり読んでるなあ~……。私もね、読もう読もうって思ってるんだけど、ついついバビロンちゃんを撮ったスクショに目が……。あああ~~~…………。過呼吸は辛かったけど、正装バビロンちゃんに会えて代表任命イベが見られただけでもう、割りと満足してるところあるね……。いや、必ず勝たないと!! ルール!!!
「あ、やっとお姉ちゃんがやる気モードに入りましたねっ」
「ほんまや。顔が変わっとるわ」
「真剣なリンネちゃん、キリッとしてて格好いいよね~……」
「はい!? 呼びました!?」
え、なんか今呼ばれた!?
「あ、大丈夫大丈夫。呼んでないよ~」
「真剣になると、どっぷりなんやな……」
「よう!」
「ハッゲこんちゃー」
「ちゃ~」
「あ、こんばんは!」
「来よったかハゲぇ!」
「ようレイジ。早えな」
「残業なんざしてられへんわ!」
「あ~ハッゲは? 代表じゃないんだっけ?」
「そうだな、流石にな。で? ルールブックか、それ?」
「そっかー。んじゃあ、魔神殿で会場直行パスとルールブック配ってるNPC居たからそこからかな~」
「…………PvPやらない組は、キングキラータイガー討伐戦か」
あ……。ハッゲさん来た。代表じゃないんだっけ? そっか。そういえばPvP以外にもキングキラータイガー討伐戦なんてあったね。忘れてた。まあ良いや。暇だったら行こうかな? ターラッシュの東西二箇所でイベント会場設置してあるんだっけ。別になんのガイドもされてないけど、自然と東がメルティス側プレイヤー、西がバビロン様側プレイヤーで分かれてるんだって。面白いね。一応は両陣営プレイヤー同士でもパーティ組めるらしいけど、まあよっぽどじゃないと組む理由ないみたいだね。一応難易度は開放式らしくって、弱いやつから順に攻略して行ってどんどん難易度が上がるらしいよ。
「――――お姉ちゃ~ん。聞いてますか~~??」
「え?! あ、本当に聞いてなかった! ごめんリアちゃん!」
「私、これを千代ちゃんとどんどんに教えようかなーって思うんですけど、お姉ちゃんも私から聞いたほうがいいですか~?」
リアちゃんに読み聞かせして貰えるの!? 聞く聞く――――いや待って? なんだろう、読めるのに読み聞かせ……? プライド……。私にプライドはないんですか……? アカンでしょ、流石に自分で読むわ。
「いやっ!! 自分で読むから!」
「ちゃんと読んでくださいね~? じゃ、皆の邪魔にならないようにあっちの部屋で!」
「ええ、お願いします。どん太殿、参りましょうっ」
『わうっ!』
読むって言ったんだからちゃんと読まないと。これで『あ、ルールよく見てなかった~ごめん~負けちゃった~』なんてことがあったらもう、好感度ガタ落ち確定よ。そんなにルールいっぱーーいってわけじゃないんだから、頭に叩き込んでおかなきゃね!!!
「あ! そうでしたリンネ殿、バビロン様から伝言の手紙を預かっております。こちらで御座います」
「ほわ…………!! あ、ありがとう!!」
「いえいえ、今まで忘れていてむしろ申し訳ありませぬ」
て、手紙!? ああ、あの特殊イベあれだけじゃなかったんだ! くぅ~~見逃したイベントがあったなんて、辛い! 悲しい! でも手紙として物が残ったからある意味嬉しい!! 保護ロック機能で捨てたり売ったり廃棄したりしないようにして、どれどれ! なんて書いてあるのかな~~♡ んっふふふ~~…………ふ…………?! ふぇ!?
「ほぁああ!?」
「リ、リンネちゃん!?」
「どわああ急に大声出すなや、びっくりするわ!」
『どうしましたか、マスターリーダー』
「すっごいかお~~」
『驚愕』
バビロンちゃん、え、これ、冗談? 嘘だよね? え、え、え――――ええええええええええええーーーーー!!!!???????
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます