ドラゴン狩りにいこ~よっ!・4
◆ ファイアドレイク討伐戦 ◆
転送と共に姿を現したのは、やはりあの時戦った暴龍炎帝ドレイクではなく、スーパーレッドドラゴンと大差ないような感じのドラゴンだった。やっぱりあれは、ユニーク枠とかそんな感じのモンスターだったんだなーって。
『ゲゥグ・ナウダス!! リェラ・プリネラ・レヴェンガ!!! キィラ・アゥル!! アニェーラ!!! カァ――――』
『フリオニールが【フリスビー】を発動、クリティカル! ファイアドレイク(Lv,140)に0.02Kダメージを与えました。暗闇・激怒状態にしました』
『m9(^Д^)9m』
『フリオニールが【プロヴォーク】を発動、ファイアドレイク(Lv,140)が激昂状態になりました』
『ガアアアアアアアーーーーーーーーー!!!!!!!!』
あ……。リアちゃんが挑発するよりも早くおにーちゃんがドラコンシールドをファイアドレイクの眼球にぶち当てたわ。30~40メートルは離れてるのに、よくもまあ正確に当てるなあ……。天才的な才能だよおにーちゃん。
「聳え立て、
『オーレリアが【
『ファイアドレイク(Lv,140)が【全身全霊】を発動、【アニヒレイションナパームブレス】を吐き出しました!!』
『【
『にゃぁぁぁぁあぁ~~~ん…………』
「沈め、ネガティブオーラ!」
『279秒間、パーティ全員の全ステータスが――――』
この流れならもう、いつものパターンよ。私がネガティブオーラ、千代ちゃんが無双緋影、リアちゃんが多分狩人の瞳をキラッとさせて一点集中火にゃ術偽装ぶりにゃーど、つくねちゃんがオーバーキル開始からの高揚と快楽カウント開始、どん太が走り出す準備――――今回はおにーちゃんを背中に乗せて出撃よ。そして私がボーンシールドを使って、適宜エピクレシスを唱えながらランス・オブ・ヴラドを当てれる時に当てる。
『ガアアア!!!!』
『ファイアドレイクが【全身全霊】、【尻尾ぶちかまし】を発動、【
『にゃにゃ……』
あ、限界が近いと余計に可哀想な声が……。リアちゃんの悪戯心によるエフェクトとは言え可哀想になる……。これ、対人戦の相手が猫好きだったら心が痛むっていう別のダメージが発生するよね絶対。私だったらかなり戸惑うなあ……。でも殺らなきゃ自分達が殺られるって割り切って、ギリギリ殴れる……かも。自信が半々だわ。よし、そろそろだね。行こう。
「阻め、ボーンシールド! リアちゃん!」
『オーレリアの瞳がキラリと光りました』
『パーティ全員が【ボーンシールド】状態になりました』
「行きますっ! 紅蓮の太陽、鼓動する爆豪、喰らい尽くす炎よ、一点集中!!
『ムダダァ!!!』
『偽装工作!!! オーレリアの【
『ガァ……!?』
全員ものの見事に引っかかってくれる、疲れてるところに活力源になるはずの炎が飛び込んできたら我慢できなくなって口を開けるAIでも積んであるのかな。これの倒し方はもうこれで確立したかも、今度からは本当に戦闘とすら呼べない程の狩り? 処理? そんな一方的なものになりそうだわ。普段じゃ処理が厳しい、パーティも組めなくて経験値すら貰えない人とかを3人ぐらいキャリーしても良いかもしれないね。
「行け、どん太! ボッコボコにして来な!」
『わう!!! (やるぞーーー!!!)』
「ひぃっ!! ひゃあああーーー!!! 獲物獲物獲物獲物獲物!!!!」
「どういう掛け声ですか!?」
『(;´∀`)』
「……お姉ちゃんは私と少し前進して、様子見ですか?」
「そうだね、そのほうがいいかも。前線に猫ちゃんの壁を出して、急降下爆撃みたいな技を警戒しよう。たしか立ち直りも早かったはず、次弾のぶりにゃーども用意しておこう」
「はいっ!」
前衛組はおにーちゃん含めて4人が前進、私とリアちゃんは魔術の効果範囲ギリギリ付近で様子を見ながら火力支援。これがあのユニークのドレイクと一緒ならHPは60M、変身も残ってるはず。それとも火力が高ければ……奥の手前に討伐も出来るかな? あえて奥の手を出させたほうが報酬良くなるとかあるかなあ? ああーー!! それよりいいことを思いついた! 千代ちゃんに念話でもしも~しってしちゃお~っと。
「…………? お姉ちゃん、内緒話ですか?」
「えっ……。ば、バレた?」
「バレてます! 変なところを見ながらお口をぱくぱくしてます! 誰かに内緒話ですね!? 聞きたい聞きたいっ!」
「ん~~……内緒!」
「ぶ~~~~」
およよ、リアちゃんに千代ちゃんに念話を送ったのがバレてしまった。でも内容まではわからないのね。よかったよかった……でも口がパクパク動いてたってことは、もしかしたらリアちゃんなら……読唇術とか身につけてきそうで怖いなあ……。この子ハイスペック過ぎるからなあ……。最初は自分の吐いた炎で喉を焼くぐらいぽんこつだったのになあ。ほうきがコントロール出来なくて頭をぶつけたり、宙吊りになったりもしたねえ。
「……もう戦闘始まってますけど、バトルログ? っていうんですか? 見なくていいんですか?」
「ん~? どうせあのデカいトカゲが死ぬまでボコボコにされてるだけだし、今は状態異常になった時と解除された時だけを監視するタブを作ってそれを見てるんだよ~」
「そうなんですか。一番強いのって、瞬間的なのと持続的なのとだと、誰がどんな感じなんですか?」
「ん~。リアちゃんは容赦なくにゃ術を叩き込んでたら恐らく瞬間一位なのは間違いないだろうね。DPSっていうんだけど、秒間当たりにどれだけダメージが出てるかはリアちゃんが一位。これに対してDPM、一分間当たりの継続ダメージにすると、本気になってる千代ちゃんかな。どん太はちょうど中間で、おにーちゃんは敵の恨みを集めるのとダメージ分散のコントロールが上手いね。私は完全な弱点が取れればリアちゃんより重い一撃が出せるよ~。バビロン様の拳抜きでね」
「えっ……。お姉ちゃんに、負ける……? なるほど……。でぃーぴーえす、でぃーぴーえむ……。そういう概念があるんですね……なるほど~……」
さて、ファイアドレイク解体ショーの様子はどうかな? ん~千代ちゃんとつくねちゃんがダメージグラフの大半を占拠してるなあ~……。どん太は重篤な出血狙いで同じ場所を食い千切ってるね。本来ならなかなか猟奇的な光景で、野生を感じる瞬間なんだろうけど……じゃれてるようにしか見えない不思議……。このゲームに表現をマイルドにするフィルターがあって、それでマイルドな感じにされてる気がする……。本来なら首を食い千切られたら血がぶしゃーーーってなるよね、絶対。だって重篤な出血だよ? 絶対こんなもんじゃないって。
『ファイアドレイク(Lv,140)が【セルフバーニング】を発動、低体温から復帰しました』
『オノレェエエエ!!!!!』
『ファイアドレイク(Lv,140)が【奥の手】発動スタンバイ! 空高く飛び上がりました!』
あ、奥の手来た。これを待ってたんだよね、これを! それじゃあ千代ちゃん、おねがいします!! さーて、ここからはちゃんとダメージ統計見ようか。既に32Mダメージも稼いでるのね、恐ろしい火力よ……。
「聳え立て、
『オーレリアが【
『姫千代が【驚天動地】、【無双緋影連斬(未熟)】を発動、ファイアドレイク(Lv,140)に2,555Kダメージを与え、翼を斬り落としました!!!』
『ファイアドレイク(Lv,140)が【奥の手】の発動に失敗しました!』
「あ! これですかっ! 内緒話の内容!」
「そっ! どーれ、落ちてくるなら構えるものがあるでしょ~……どん太!! 退避!!!」
『わう? わんっ!!! (ん~~? わかった!!)』
「わああ!?」
『(*´ω`*)』
『フリオニールが【ハイパーガード】を発動、つくね☆を庇う状態になりました』
よし、全員退避したか、防御状態になったね。おにーちゃんもつくねちゃんのフォローナイスなんだ、流石としか言えない立ち回りよ。それじゃあ――――遠慮なく。
『オーレリアの瞳がキラリと光りました』
「知れ、静謐の檻の冷たさを! 刻め、鼓動止まる最期の時を! 【
「積み上げよ、討ち滅ぼされよ、骸を晒せ。ランス・オブ・ヴラド!」
『オーレリアが【
『【ランス・オブ・ヴラド】を発動しました』
『姫千代が【無双緋影】を解除、緋影御前を納刀しました』
『姫千代が【水月】を発動、攻撃を回避し瞬間移動しました』
『スキルリンク! 【破裂・オブ・ヴラド】が発生、クリティカル! ファイアドレイク(Lv,140)に11,994Kダメージを与えました』
『ファイアドレイク(Lv,140)が落下ダメージにより1,000Kダメージを受けました』
『フリオニールが衝撃波により0.2Kダメージを受けました』
落下地点に串刺しにする闇属性の無数の槍置いてやったー! リアちゃんが便乗してぶつけたぶりにゃーどくらすたーも絶大なダメージで、1200万近くダメージが出たわ! 深々と刺さったもんねえ、足元からグサグサっと刺さった前回と違って今度は落下した自分の体重込みで槍にぐっさり行ったもんねえ……! そりゃあダメージも違うわ。 これで落下ダメージ込みでほぼ45Mぐらいダメージ入ってるけど、後15Mぐらいかな? ここからはゴリ押しで削っても何をしてもいいと思う!
『カァ……ガハッ……?!! コンナ、コンナ、ハズハ……!!』
『(`・ω・´)』
『フリオニールが【フルバスター】を発動、クリティカル! ファイアドレイク(Lv,140)に335Kダメージを与え、撃破しました。経験値 156,638,118 獲得』
『レベル92に上昇しました。おめでとうございます』
『つくね☆がレベル92に上昇しました。お祝いしましょう!』
『どん太がレベル22になりました』
『オーレリアがレベル7になりました』
『姫千代がレベル47になりました』
『フリオニールがレベル47になりました』
――――あっ!? あ、レベルギリッギリ上がった!! 92レベルと2%ぐらいしかないわ!
「あっ!?」
「あ、やりましたね……」
『Σ(´∀`;)』
『わううっ!?』
「およよよよ…………もう風前の灯火で御座いましたか……」
『時間経過により、つくね☆の全てのバフが解除されました』
「はふっ……」
「うーん、なんにせよ! ナーイスおにーちゃん!」
『(*´ω`*)b』
こいつ、奥の手封じて倒すとHP、45Mしかないの!? そういえば変身した時にHPが再設定されたとかログあったなああの時!! うわーーーもしかしてこれ、報酬も駄目な方な予感……? ちゃんとしっかり奥の手も受けて倒さないとしっかり報酬も貰えなかったりして……。
『出現した宝箱6個を全て回収してください』
あ、数自体は減ってない……。これなら最低でも宝石箱は何個か出てそう――――。
「おっ……。全部、赤箱ですね……?」
「宝石、ゼロじゃん……」
うむ。出てない! 清々しいほどに赤い! 宝箱真っ赤っ赤!!!!!
『わうわうわうわうわうわうっっっっ!!! (これだけあったら、出るよ! 一個ぐらい!!)』
「期待、出来そうで御座いますね……!」
「ちょうど6人ですから、皆で開けちゃいませんかっ!?」
『(*´ω`*)!』
「い、いいですね、そうしましょう!」
どん太が大喜びするようなのが出ると良いんだけどね……。じゃあ、全員でぽこぽこと開けちゃうっか!!
「それじゃあ、せ~の、ぱんぱかぱ~んで――」
「ぱんぱか――――あっ!!!」
「リア殿!?」
「リ、リアちゃん、フライング……っく……くくひっ……可愛いぃぃぃ……!!」
『Σ(´∀`;)!?』
『わうわうわう~~!! (我慢できないも~ん!!!)』
「ああーーーもうめちゃくちゃだねえ!? 各々ぱんぱかぱーんするように! ぱんぱかぱ~~ん!!」
――――では、以下……。ダイジェストでお送りします……。
『つくね☆が【★★★アニマルアバターシリーズランダム箱】を入手しました』
『【★★シリーズ装備(レッドドラゴン系討伐戦地域)選択箱】を入手しました』
『【★★シリーズ装備(レッドドラゴン系討伐戦地域)選択箱】を入手しました』
『【★ドラゴンシリーズ装備ランダム2点箱】を入手しました』
『【★ドラゴンシリーズ装備ランダム2点箱】を入手しました』
『 ハ ・ ズ ・ レ ♡ 』←どん太
…………では、どん太先生とそれを慰めるフリオニール先生の様子を生でお送りします……。
『くぅぅぅぅ~~~~ん……くぅぅん……くぅぅぅ~~~~~ん…………』
『(´;ω;`)』
『きゅぅぅん……』
ずーっと赤箱の中身をガリガリガリガリガリガリガリガリって引っ掻いて、もう今にも泣きそうな声で赤箱にしがみついてるの。とてもじゃないけど、胸が痛い。裂けそう。どうしてこんなにどん太を虐めるんですか……。食べ物ぐらい、入れてあげてもいいじゃないですか……。
『(´・ω・`)??』
『くぅぅ~ん……?』
「ん……?」
「およ、おばけ殿が、何かしておりますが……」
「あれ? どうしたんでしょうねっ……」
「……ガコガコって、音、しし、しないですか……?」
ん? つくねちゃんに言われてよく聞いてみれば、確かになんか…………。あのハズレ箱から『ガコガコ』って音がするような…………?
『(´゜д゜`)!!!』
『フリオニールがレジェンダリーボックスの二重底を発見しました!!!』
「「!!??」」
「なるほど、二重底に御座いますか!!!」
「ああ!! 確かにこれ、底が浅いです!!」
『わうぅぅうう!!!????』
に、に、に、二重……底ォーーーーー!!!!???? いや、まさか、今までももしかして、そんな、ありえない……。嘘だ、私はなんてことを……。もしかしたら今までも……!?
「お、お姉ちゃん!? お姉ちゃんお顔が真っ青ですよ!?」
「リア殿、リンネ殿は恐らく……今までの宝箱にもあったのではないかと、思っているところに御座います……」
「あ…………」
「い、ひひ、ひひっ……!? わ、わっちも、いいいい、今まで、そんな、嘘……」
『Σ(´∀`;)!?』
『わ、わう!? わう……!?』
みせ、て……。二重底の、中身……。見なくちゃ……。大したものじゃないなら、まだダメージは軽い、まだ軽い。まだ軽傷で済む……!!
『【◆ランダムフルコースお食事券・4枚 (魔界スペシャル便)】を入手しました! おめでとうございます!』
『【◆ランダムギガ盛りお食事券・1枚 (地獄超特急便)】を入手しました! おめでとうございます!』
無理です吐きます、吐く。おえ…………!!!!!
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