ドラゴン狩りにいこ~よっ!・3
◆ スーパーレッドドラゴン討伐戦 ◆
そういえば、スーパーレッドドラゴンって最初が随分と長いおしゃべりをしてたよなあ、なんて思ってたんですよね。
『オーレリアの瞳がキラリと光りました』
『ゲゥグ・ナウダス!! リェ――』
「紅蓮の太陽、鼓動する爆豪、喰らい尽くす炎よ、一点集中!!
ああ、やっぱりやりましたわ。問答無用でやりましたよにゃ王様が……。喋ってるのを無視して口の中にぎがにゃぱーむをぶち込みましたね。しかも向こうもこれが火属性の攻撃だと思ってるから避ける素振りすらしない。そうだよねえ、向こうが初見殺しのブレス攻撃をしてくるんだったら、こっちだって初見殺しの攻撃をする権利があるよねえ。
悪いな、スーパーアカトカゲ……。こっちはお前の弱点を既に知っているし、もう既に倒したことがあるんだよ……。
『偽装工作!!! オーレリアの【
あーあ……。遂にブレスすら撃てなかったねえ……。
「やったやった! おしゃべりトカゲの口を塞ぎましたよ!」
「流石リアちゃんだわ……。問答無用でやったよ」
『ヾ(*´∀`*)ノ』
「おおおお凄いねぇえ!! じゃあ遠慮なく行くねえ!?」
『つくね☆が【★オーバーキル!!!】を発動しました。攻撃力が2倍になり、受けるダメージが2倍になります』
『つくね☆が【高揚・1】状態になりました。攻撃力1.1倍加算、被ダメージ5%減少、毎秒HP0.5%回復』
『つくね☆が【快楽・1】状態になりました。攻撃力1.05倍加算、全ての状態異常耐性+10%加算』
あれ!? 今回はおにーちゃんも全力で走る準備してない!? よし、後押ししてあげようじゃないの。防御系はあとでも届くから、先にバフ掛けてあげよう!
「沈め、ネガティブオーラ!」
『279秒間、パーティ全員の全ステータスが+69されます』
やっぱり、死で彩る右手の効果のおかげでネガティブオーラの効果量が上がってるのね。本当なら3分間+45のはずだもんね。そういえばいつも魔術を使う時は右手を突き出して唱えてたけど、もしかしたら右手で魔術を使ったから効果量が上がってるって判定なだけで、これで左手を出したら効果量減るのかな? 後で試してみよう。
『わう~~……(お肉~~~……)』
「どん太! 低確率でも出るかもしれないんだから、頑張りな!! それにドラゴンのお肉はいっぱい手に入ってるから!」
『わうっ!?!? (ほんとう!? いっぱいある!? じゃあ頑張る!!!)』
「どん太くん、わっちと競争だぁああ!!!」
『わうわうわう~~~!!!』
『(`・ω・´)』
「あ!? おばけ殿が一番最初に走り出してる!? やる気ですか!? でも今度も此方が!」
「今度は転ばないところに出ますからねっ!」
うーん、私もだけど、こいつを既にエサないし養分としか見てないな! 最初に悠長におしゃべりしてるからだよ、それに敵の攻撃を安易に受けすぎね? 炎の猫ちゃんが飛んできたけど、どうせ自分には食らわないって決めつけて、それが偽装だとも思わずに自信満々に受けてやられてるのダサすぎだからそれ。こうやって戦ってる最中に全く別のことを考えるぐらい、こいつの討伐戦は余裕になっちゃったなあ……。やっぱり、レベル300とかそのぐらいの化け物じゃないと面白くないね。
なーんて、レベル300なんて実は序の口なんだろうなあ……。今はレギオンコンテンツが最高だけど、レイドコンテンツとかも実装されるんだろうなあ~……。楽しみだわ~。
『――――が【一刀断鉄】を発動、特効! クリティカル! スーパーレッドドラゴン(Lv,100)に1,655Kダメージを与えました』
あ、ログ全然見てなかった。いけないいけない、千代ちゃんは驚天動地を連続で発動して一番乗り、リアちゃんが神出鬼没で二番? どん太とつくねちゃんが同着からの――――。
『。・゜・(ノД`)・゜・。』
「あ、半分も行ってない……深淵よ、我が道となれ。アビスウォーカー!』
『【アビスウォーカー】状態になりました。フリオニールの影に転送します』
「泣くなおにーちゃん……。仕方ないのよ、私もアレに追いつける気がしない」
『(´;ω;`)』
おにーちゃんは半分も行ってませんでしたーー。おにーちゃんは私と一緒に足遅い組で頑張ろうね……。
『にゃ王様が【にくきゅーすたっふ】で攻撃にゃ! くりてぃかる! おしゃべりマヌケデカトカゲ(Lv,100)に997Kだめーじぐらいを与えたにゃ、おつよい!』
『つくね☆が【ぺったんこ!】を発動、クリティカル! スーパーレッドドラゴン(Lv,100)に1,111Kダメージを与えました』
『どん太が【魔狼身弾】を発動、特効! スーパーレッドドラゴン(Lv,100)に322Kダメージを与えました』
『2COMBO! どん太が【爆滅二段掌】を発動、特効! スーパーレッドドラゴン(Lv,100)に合計641Kダメージを与えました』
『COMBO発動により、どん太ドッペルが出現しました』
『3COMBO! どん太が【食い千切り】を発動、特効! スーパーレッドドラゴン(Lv,100)に合計1,300Kダメージを与え、【重篤な出血】状態になりました』
『4COMBO! どん太が【究極魔狼拳】を発動、特効! 黄金の右足が炸裂! クリティカル! スーパーレッドドラゴン(Lv,100)に合計2,845Kダメージを与えました』
あ、ダメージの表記このほうがスッキリしてるわ。このほうがいいかも……。流石に6桁圧縮しちゃうと誤差とは言えないけど、3桁ぐらいならもう誤差と言えるぐらいの火力になってるし、これで良いんじゃないかな? 1,300,221足す2,845,395より、130万足す284万5千のほうが、なーんとなく『あ、410万ぐらいかな』ってわかるし。なんだったら千の位も無視して130足す284って計算すればいいしね。今は大体1300万ダメージぐらいかな。大雑把だけどね~…………いや君たち強くなりすぎね? さて、私も射程距離になんとか到着です。一発ぐらいなんとなく撃っておこうかな。
「積み上げよ、討ち滅ぼされよ、骸を晒せ。ランス・オブ・ヴラド」
『【ランス・オブ・ヴラド】を発動、スーパーレッドドラゴン(Lv,100)に合計3,211Kダメージを与えました』
え゛っ゛…………。こここ、これ、つつ、強くない……!? 特効もクリティカルも、弱点もないんだけど!? 321万出てるんだけど!? こんな馬鹿みたいに威力の高い魔術撃ってたの!? そりゃマテオ死ぬわ、だってこれで弱点2倍ぐらい入ってたでしょ!? うわあああ…………!! 今になって、ヤバいものを継承したんじゃないかって思い始めて来たんだけど。そもそもこれを扱えてたカヨコさんって何者!? そういえばカヨコさんだけレベル125だった、副団長みたいなポジションだったのかな……? やば、今度これ聞いてみよ……。
「起きる間もなく無様に死に晒せえーーーー!!!」
『つくね☆が【フルバスター】を発動、クリティカル! スーパーレッドドラゴン(Lv,100)に1,211Kダメージを与えました。【高揚・3】【快楽・3】』
『つくね☆が【フルスウィング】を発動、クリティカル! スーパーレッドドラゴン(Lv,100)に1,234Kダメージを与えました。【高揚・4】【快楽・4】』
『姫千代が【無双連斬(未熟)】を発動、スーパーレッドドラゴン(Lv,100)に合計2,225Kダメージを与え、撃破しました。経験値 105,625,000 獲得』』
『どん太がレベル21になりました』
『オーレリアがレベル6になりました』
『姫千代がレベル46になりました』
『フリオニールがレベル46になりました』
あ、終わった。おにーちゃん到達、せず……!! これはMVPはリアちゃんかな? 500万近く出してるもんね。
『MVPはどん太でした』
『MVP報酬は【?本】でした』
――――意外ッ! それはどん太……!! ああ、重篤な出血を発生させた分でギリギリ勝ってるのかな? どん太ここまで全部MVPじゃんー強くなったねえ……。いや一応全員横並びって言えば横並びなのかな? 千代ちゃんがこっそり【無双連斬】って発動してるけど、あれって過去のフリオニールさんが使ってた目にも留まらぬ高速斬りだよね。それの剣術バージョンを独自にこっそり練習してたのか~……千代ちゃんやるなぁ~……。まだ未完成みたいだから、完成したら多分凶悪スキルになってくれることでしょう! 楽しみにしてるってちゃんと伝えないとねっ!
『(ヽ´ω`)』
「まあまあ、おにーちゃんが役に立つのはこの次、でしょ? 次は大ボスのドレイク戦だったはずだもんね」
『(`・ω・´)!!!』
「ふう~。そこそこ硬い程度で御座いましたね」
「千代ちゃんお疲れ様~。あの技、過去のおにーちゃんの? 練習中? 完成が楽しみだねえ」
「むっ、やはり不完全と見えますか。そうですね、
『(;´∀`)』
「おにーちゃんは今は発動出来ないもんね……。流石に『そうですね~』ってリアクションは出来ないか~」
「私には十分強いように感じますけど……私のにくきゅーすたっふでばちーーんってやるより何倍も格好いいです!」
『わふっ!! (格好いいよね!)』
「皆お疲れ様~~。つくねちゃんもさすがの連打力よ……。これで最大じゃないのが怖いわ」
みんなまだ伸びしろがあるのが怖いねえ、リアちゃんとかまだレベルが6だし……。千代ちゃんとどん太とおにーちゃんはレベル75が次の目標、これからまだまだ楽しみだねえ~。つくねちゃんも私もレベル100でなにかあるだろうし、いやー楽しみしかないな!?
『時間経過により、つくね☆の全てのバフが解除されました』
「ふぁ…………。落ち着いた瞬間の、だ、脱力感が、ちょっと悲しい……」
「やっぱり脱力感があるんだそれ……。覚醒終わった後とか、もう灰になるんじゃないかってぐらい燃え尽きてるもんね……」
「あれは、もう何もしたくなくなるぐらいずしーーーっと重いです……ありとあらゆることがしたくなくなる……」
「ひょえーー……。バイタルに影響出ないレベルの倦怠感が再現されるのかな……」
「多分……」
つくねちゃん、やっぱりバフ解除した後の倦怠感凄いんだ……。ステラヴェルチェでの覚醒スキル発動後とか、完全に燃えカスみたいな状態だったもんなあ……。私にあのクラスは務まりそうにないな……!
『報酬が出現しました。取得する宝箱を3個選択してください』
ああっと、いつもの報酬選択タイム! 今度は6個から3個選ぶんだっけ? えーっと、あ!! 宝石箱! 後は金、金、赤……! 銀、銀だね。宝石・金・赤でいいかな……?
『わんっっっ!!!! (今度こそ出るもん!!!)』
「どん太がアレから食べ物を出す気満々だわ」
「なかなか出ないと思うんですけど……。でも、出たら、嬉しいなって……」
「私はアレから装備が出たのが初めてだったからなあ~。今まで食べ物ばっかりだったもん」
「それはそれで、すごい確率を……。掲示板では、そもそも赤いのが出ないって、嘆きの声ばっかり……。出品も、多くないですし」
「そもそもの出現率も低めなんだ~」
「です、ね」
赤ってそもそも出現率が低いんだ……。いや確かに、宝石箱より出てる数が少ないかも。見方によっては宝石より赤のほうが、一式8点全部出る可能性があるんだから宝石より優秀かもしれないね。
「じゃあ、赤と、宝石と、金どっちかでいいかな?」
「……あ、はいっ! どん太くんが、赤いの開けられるなら、開けますか……?」
「どん太、赤いの開ける? 多分、装備だけど」
『わうぅぅ……!! (食べ物出るもん、食べ物出るもん……開けるもん……!)』
「どん太殿! 応援しておりまする!」
「開けるって。よし、どん太。ぱんぱかぱーんと開けるんだよ!」
「お姉ちゃんがさっきやってない分も、元気よく!」
「う゛っ゛」
リアちゃん、ぱんぱかぱ~んをしてないのを見逃してくれないねえ……!? 可愛い顔して、意外と腹黒なところがあるのよねこの子。でもそんなところも可愛いよリアちゃん……!
『わんわわわう~~~!!!!』
さあ、どん太渾身のぱんぱかぱ~んは、どうだ……!?
『 ハ ・ ズ ・ レ ♡ 』
「…………」
「…………これは、見たこと無い、ですね」
「これはひどい……」
「うわ~~……」
『。・゜・(ノД`)・゜・。』
『わうぅぅ……? わぅぅぅ……?』
どん太よ……。中身をカリカリしても、入って無いんだよ……。これは、そう……。極稀に出るであろう、ハズレなんだ……。だからもう諦めな、ばしばしべしべししても入ってないから……。
「…………えーっと、次に……期待しな……?」
『くぅ~ん……』
『(´;ω;`)』
「どん太殿、今は耐える時……。時には食にありつけぬことで、普段食べている食事に対して感謝の気持ちを思い出すのです! いつも食べられていることが当たり前と思っておりませぬか?」
『…………わう、わう!! (そうだね!! 今は、我慢なんだね!)』
「それで納得するんだ、いい子だねえ……」
「可哀想だけど、申し訳ないけど、か、可愛いって思っちゃいました……」
「可愛いよね……。落ち込んでるどん太も可愛いのよ」
「次こそは、次こそは、ですねっ! 他のを開けて、リベンジですよ! ど~んどんっ!」
『わ~うわうっ!!』
「よし、他のも開けちゃおう。つくねちゃん、宝石と金のやつ開けちゃって!」
「え、あっ、はいっ!」
じゃあ、切り替えていこう? 他の宝石箱を開けて、金箱開けて、次はいよいよ……ドレイク戦だよ! あれでも、暴龍炎帝ドレイクじゃなくて『ファイアドレイク討伐戦』なんだ。あれはユニークボスって扱いで、こっちに出てくるのは汎用ボスみたいな感じ? もしかして行動も変わってたりするのかな。
『つくね☆が【?大槍(虹)】を入手しました』
『つくね☆が【?盾(虹)】を入手しました』
『つくね☆が【?腕輪(虹)】を入手しました』
『つくね☆が【?イヤリング(虹)】を入手しました』
『つくね☆が【?本(虹)】を入手しました』
『つくね☆が【?部品(虹)】を入手しました』
――――いやすっごい虹枠出てない? え、ヤバくないそれ? え、それで宝石箱で……。今から金箱なの?
『つくね☆が【覇王の証・3個】を入手しました』
『つくね☆が【魔界マウンテン! ドラゴンドラゴンドラゴンハンバーグ!!!】を入手しました』
「あ、これ、重い……! もう持てないです!」
「なんとーーっ!?」
出たよ、どん太! 食べ物が、金色の箱から!! これは、前に貰ったことがあるマウンテンシリーズ……! 持ち帰って一旦倉庫じゃ面倒だし……。
「……この場で食べちゃう?」
「あ、良いですね。ボス討伐後のこのエリア、居座り可能、みたいですし。は、入ってても他の人も関係なく、入れるみたい、ですから」
『わううう!? (食べ物!?)』
「我慢がどうとかこうとか言ってたけど、短い我慢だったな……!」
「短い我慢でございましたね……」
皆が食べる分はあるし、どん太と千代ちゃんに大部分をあげれば、後は分けきれるかな。別に永続的にステータスが上がるとかそういうのじゃなくて、ハッゲさんが作ってくれる一時的に能力が上がるタイプだから、この場で食べちゃっても問題ないね。よし、食べてインベントリの重量を開けちゃおう! これを食べ終わったら、次は食後の運動がてらファイアドレイク戦だー! 一応行動パターンが変わるかもしれないし、その点も食べながら皆と話し合おうかな。
「はい、どん太。千代ちゃんはこれね。それで皆食べながら良いから聞いて欲しいんだけど――――」
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