バビロニクスでお楽しみタイム・4 ~嘘だと言ってよ~
◆ ???? ◆
21時に間に合うようにログアウトして、バビロンちゃんからいつもの『ばいば~い♡ また後でね~♡』を聞いて幸せになった後、お風呂とご飯と明日の学校の準備等を諸々済ませて戻ってきましたメルティスオンライン。さて、ログインして早々にトラブルが発生しましたよ。
『転送トラブル発生……アブダクション発生……座標特定中……』
アブダクション、つまるところ拉致です。拉致。とんでもないタイミングを狙ってとんでもないイベントが発生しやがりましたね。私これから焼肉パーティなんですけど? どこのどいつですか、拉致イベントなんて強制的に引き起こした腐れ外道野郎は。
『――――問う、芸術とは何ぞ?』
うわ、誰? 姿はないけど声だけ聞こえる……。それで、芸術とは何かですって? あー待てよ、これはもしかしたら拉致ってきた相手が誰かわかったかもしれない。これ、拉致ってきたの『武器』だわ。芸術がどうのこうのとか私に関係あるの、この杖ぐらいしかないでしょ。じゃあ答えてやろう、芸術とは何かだっけ?
「当然、魔神バビロン様よ」
『魔神バビロン様……。死は、爆発は、芸術ではない?』
「それも芸術の一部なだけ。死の瞬間爆ぜるのも美しい。でもそれだけが芸術なの? 私はそれを司る魔神バビロン様こそが芸術、全ての芸術は魔神バビロン様に行き着くと思ってる」
『死も、爆発も、この世の全ては魔神バビロン様へと行き着く成りや?』
「もしかしたら魔神バビロン様だけじゃない。死神カレン様や、冥神ティティエリィ・ティスティス様に行き着くかもしれない。でも魔神バビロン様の姉妹ということは、実質魔神バビロン様に行き着くのと同じ」
『神とは、芸術成りや?』
「否。女神メルティスは怠惰、俗物、傲慢。芸術の反対に位置する者、それに関わる者も同じ。魔神、死神、冥神……全ての終わり、終焉、破局に至る神こそ芸術。その中でも魔神バビロン様こそが至高の芸術。わかった?」
おら、理解したか? これが芸術だぞ。お前も見ただろう、魔神バビロン様の水着姿を。あれを芸術と言わずして何を芸術とする? 何を見て喜ぶ? 何を見て狂う?? 何を見て果て、何を見て至る? 魔神バビロン様、そしてその姉妹である死神カレン様、冥神ティティエリィ・ティスティス様、この三神が揃ったらそこはもうどこであろうと楽園。芸術の世界でしょうが。
『我ら、呪いによりこの世に留まりし思念。此度の地獄化に伴い共に呪いが解き放たれ、もはや呪物に非ず、残されしは信念のみ。その信念、芸術すら揺らいだ時、我に残された信念が消え、虚無となった。故に、我は汝に問うた。芸術とは何ぞやと。是、芸術とは魔神バビロン様であり、その姉妹神もまた芸術。女神メルティス、それに関わるものは芸術に非ず。我は女神メルティスを呪い、魔神死神冥神を称え、芸術としよう。努々忘れるな、我ら呪物は
『――――サルベージ完了。座標確認、通常の転送ルートに修正します』
『【★★死の芸術】が【★★★死で彩る右手】に進化しました』
『情報ウィンドウを表示します』
【★★★死で彩る右手】(芸術・アルティメット・???【右手】・スロットなし)
・【呪】装備者は魔神バビロンを至高の芸術と崇めなければならない
・【呪】装備者は死神カレン、冥神ティティエリィ・ティスティスも魔神に並ぶものとしなければならない
・【呪】この装備を外すことは死を意味する
・【呪】女神メルティスとメルティス教徒に対し特効攻撃
・魔神術性能+66%
・死神術性能+55%
・冥神術性能+55%
――――認めよう。我の芸術の狭さを、汝の芸術の大きさを by芸術の神◆◆◆◆◆
強化不可・装備登録者【リンネ】・重量なし
「は……?」
『転送完了、メルティスオンラインへようこそ――――おかえり~イカれ女~♡』
「あ……♡ ただいま……!」
『【★ローレライカード】が外れ、インベントリに収納されました』
『【★★魔神バビロンカード】が外れ、インベントリに収納されました』
『【★★★自動人形姫グリムヒルデのサイン入りカード】が外れ、インベントリに収納されました』
『【★★初代ステラヴェルチェ女王・エキドナカード】が外れ、インベントリに収納されました』
『以上のカードがカードスロット消滅により弾き出されました』
色々突っ込みたいところなんだけど、いやそれよりバビロンちゃんのおかえり~が可愛いっ!! ん゛っ゛っ゛!!! ただいまぁ~~!!!
「あら? おかえりなさいリンネさん。もうそろそろ、打ち上げが始まりますわよ!」
「おか~。行こっ? 打ち上げ、焼肉っ」
「お、ペルちゃんに、レーナちゃん、まだギルドルームに居たんだ。ただいま!」
「待ってましたのよ! リアちゃんもフリオニールさんも、どんちゃんも千代ちゃんも既に会場に行きましたわよ!」
「行った~。みんなウキウキだった。可愛い」
「じゃあ、ちょっと確認したいことがあるからそれだけ確認していい!? ちょっとだけ!」
「よくってよ!」
「んっ」
ペルちゃんとレーナちゃん、待っててくれたんだ。ギルドルームでお迎えしてくれた、なんかとても温かいね! でね? それより私はあの芸術野郎の最後の言葉を今反芻してたら、いやーーーーーーーな予感がしてましてね? 今からそれを確かめようと思います。
【装備】
右手:★★★死で彩る右手
左手:終焉を迎えた左手・
頭:魔術師の帽子【アバ:ゴシックヘッドドレス・黒】
体1:ロリィタドレス・レプリカ
体2:紐パン
足:レザーブーツ【アバ:レースアップロングブーツ・黒】
アクセサリー【指】:★深淵なる死の欲動・オブ・アイツ【不死属性付与】【ボス属性付与】
アクセサリー【腕】:赤い腕輪
アクセサリー【首】:宝石の首飾り
アクセサリー【他】:赤い真珠のイヤリング
「は、は……!? は……あえ……!?」
「ど、どうしましたの!?」
「ステータス? 見ても、いい?」
「いい、いいです……。見ても……」
「見る。えっと…………。え…………? ボス属性……不死……?」
「これは、これは……?! リンネさん、もっと強い装備を着けていましたわよね!?」
「呪い……。バビロニクスを作るのに、殆ど、消えちゃった…………」
うそぉ……。装備が、装備が……。弱くなってるぅぅ……!! バビロンちゃんから貰った装備まで、全部、死の欲動以外全部弱くなってる!! あの時大蛇の瞳を巻き込んで、MPを全部吸い取られたのはリアちゃんがカバーしてくれたけど、周囲の霊魂を吸い取るって機能……まさか……私の呪物から霊魂とか思念とかそういうのを吸い取って、呪いが消えちゃったから弱体化したって、こと……!?
「完全に弱体化してる。これはまずい」
「パンツも、狂気の紐パンでしたわよね?」
「狂気の翼」
「あ、ええ、そうでしたわね! ドッキリ、ではありませんのよね……?」
「…………バビロンちゃんから貰ったドレスがぁ~~~!!! うわぁああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!」
「ガチ泣き。間違いなく本当、ドッキリじゃない」
こんなの、こんなのあんまりだぁああああああ~~~~!!!!! バビロニクスが出来たのは嬉しいけど、装備が、装備がぁあああああ~~~!!! うわぁああぁあああぁあぁぁぁああああん!!!!!!
◆ バビロニクス・トロピカルプール 【お昼寝大好き視点】◆
「リンネちゃ~ん……。打ち上げだよ~元気だして~……」
「無理だろうなぁ……」
「完全に放心状態ですのよ……」
「バビロン様にお願いしよ? ね?」
「バビロン様のお手を煩わせたくない……」
「じゃあ自力で集め直すしかないやろ! バビロン様に『バビロン様の加護さえあれば、あっちゅう間に装備復活出来ましたわぁ!』って見せつけたらんかい!」
「弱体化前は装備強そうだったもんね~……一番強かったのは、ちなみに~……?」
「魔神バビロンのロリィタドレス+15。アルティメット」
「「「「「うわぁ~~~…………」」」」」
「そりゃ、アカンわ……。軽く集め直しとか言ってほんまにすんません……」
「いい、大丈夫、です……」
「あの見えない装備、絶対強いとは思っていましたけれど……」
「魔神バビロン様のロリィタドレスが失われてるのが、絶対一番効いてる」
「あぁぁああぁぁぁぁあああぁぁぁ………………」
打ち上げパーティ前に、一番の功績者が人生のどん底みたいな顔をして完全にダウンしちゃった。リンネちゃん、開始5日ぐらいで化け物装備を数多く手に入れてたのに、それが一気に殆ど消滅だもんねぇ……。これが僕だったら、立ち直れる気がしない。ぶっちゃけ引退の文字がちらつく。
それにしたって、リンネちゃんだけ代償が大きすぎる。僕たちはカシュパ・ミズチを倒した経験値でウハウハ、クエストクリアの報酬で大量のアイテムが貰えたし、リンネちゃんもリアちゃんに『凄い強いほうきがあるよ、リアちゃん!』って大喜びだったのに、リンネちゃんだけ装備全損はキツイなぁ……。
それもこれも、あの時のアニメイト・ミックスフェティッシュが原因っぽいんだって~……大蛇の瞳に書かれてた『マナを吸い尽くす』『霊魂を吸い尽くす』みたいなところが原因だったっぽくて、それで装備の呪い部分も吸われちゃったっぽいんだよね。逆に言うと、それだけ吸われたからこれだけ広範囲を呪えたとも考えられるけどね。
「すんません! 遅れまっした~! クリア出来ました~報酬分配で手間取っちゃって!」
「あ~高菜さん、こんばんは~」
「あれ、リンネさん……どうしたんですか?」
「うぃ~~!!☆ あれあれ? どうしたの~?」
「かなり、凹んでるな」
「師匠、こういう時はどうするべきなので?」
「……出来ることがわかったら、全力で応援だ。それまで傍観するのが漢だ」
「へいっ!」
高菜さん達、レギオンメモリアルダンジョン組がクリアして帰ってきたみたい。それと、おやおや。見慣れない顔ぶれが3人程いらっしゃる……。
「いきなり来てすまない。俺の名前はガンナーのシュターク、華胥の夢に興味があってね、会わせて貰えないか頼んだんだが~……今は、取り込み中みたいだな」
「あ、すませ……っ……暗い女は、消えます……」
「リンネちゃん行かないで~~~!! ペルちゃん確保、確保ーーー!!」
「リンネさん大丈夫、大丈夫だからっ! ねっ!?」
「うわぁぁぁああぁぁ…………!!!!」
「うぇぇ……わっちも、つ、釣られて、なき、そ……ぅ……!」
「孫ぐらいのお嬢さんが泣いているのを見ると、辛いものがあるな……。失礼。儂は冨永富蔵、こちらではトミー・トミーと申す。薙刀を振るうだけしか芸のない戦鬼をしております」
「オーウ……。元気ないですねー……。わたすは、きぬでーす! ニトウリューのけんき? BladePrincessです!
あーーーこの人達がそうか、シュタークさんとトミー爺ちゃんときぬちゃん、名前だけは聞いたことがあったけど、実際に会うのは初めてだわ!
「ギルドマスターのお昼寝大好きです~。ちょっと今ね、このバビロニクスを作ったと言って過言でないお方が、バビロニクスを作ったのが原因で装備が全損しちゃって、大泣き中なのよ~」
「おい、ギルメンじゃないやつにそれ言っていいのか?」
「ギルメンにするから言ったけど?」
「あ、なるほど。早速だけどな、ギルド入って大丈夫みたいだぜ。今ちょっと取り込んでるから、俺から招待とギルド説明しておくか?」
「お願いハッゲー」
「ワーオ! そくだんそっけーつ! 感謝でーす!」
「何か面接でもあるかと思ったが、大丈夫なのですかな?」
「お昼寝ちゃん、悪い人は入れないから大丈夫だよ~。多分こう、ビビッと来たんだと思うよ~?」
「ビビッとね。俺もビビッと来たから来ちゃったわけだけど、これは間違いなく正解だと感じてるぜ。じゃあ、ハッゲさんあっちの空いてる席でどうだい?」
「おう。行くか、高菜さんは連れてきたんだから当然来るとして、レイジもついでだから来いよ」
「はぁ? なんでワイも――――あ、行くわ! 行く行く!」
「レイジ、男一人になることに気が付いた。偉い」
「あれ? 僕も男なんッスけど……?」
「赫はいいのよ。私と一緒にいるのですから問題ないでしょう?」
「ミッチェルの束縛がキツイッス!!!?」
シュタークさん達はハッゲに任せておくとして、リンネちゃんの装備なぁ~……。僕達がはいどうぞって装備をプレゼントしたところで、魔神バビロンのロリィタドレスが消滅してるのは変わりないから、どうにもならないんだよねぇ~……。
『ねえ~お昼寝~。バビロンちゃん達、こっち来てるって。お願いしてみない、全員で』
『え? お願い?』
『そ、お願い』
ん、レーナちゃんから個人チャット来たわ。バビロンちゃんにお願い……お願いって言うと、ロリィタドレスが悲惨なことになっちゃったから直してーっていうお願いかな? あー、今回の功績を称えて、ワンチャンあるかもしれないし……。よし、行ってみよう。
『これ、今リンネちゃん以外のメンバーに送信してるメッセージです。大きな反応をしないように』
『リンネちゃんの装備が全損した件、魔神バビロン様にお願いして装備をどうにか出来ないかお願いしてみようと思います』
『リンネちゃん以外の功績と引き換えになので、全員の賛否を取ろうと思ってます。賛成の方は【YES】、反対の方は【NO】ボタンを押して下さい。投票を開始します』
『【YES】 or 【NO】』
どうかな、一応全員の意思を確認しておかないとね。勝手に決めたら怒られちゃうだろうし。一応リンネちゃんの装備全損の件はステラヴェルチェ制圧戦組は全員簡単な事情説明をギルド告知で (リンネちゃん以外に表示で)出したし、わかってるだろうから賛成してくれると思うけど……。中には嫌って人も居るかなぁ……。あ、早い。全員投票終わった。
『【YES】9 :【NO】0』
おー良かった、なんとか全員賛成だ。つくねちゃんもYESに入れてくれたの、偉いぞ~……! じゃあ、今トロピカルプールエリアに降りてくる階段付近にいるバビロン様に、土下座してお願いしようっか~……!
「バビロン様~。どうか、どうかお聞き下さい~~!!」
『あら♡ お昼寝~! いっぱい破壊してる~??』
「えっと、はいっ! あの、うちのリンネちゃんの件で~!」
『大丈夫よ~? 知ってる知ってる~♡ 装備、ボロボロなんでしょ~?』
『装備、雑魚雑魚。あんなボロ服渡すねえねが悪い』
『カレンちゃん辛辣ぅ~~♡ でも大丈夫! お姉ちゃんが知ってるネクロマンサーの中でも、いっちばん強い子の、若い時に着てた奴をちょちょっと直して持ってきたから~!! ほら! ねっ♡♡』
『それって、ワタシのじゃな~~~い!!! ちょっとぉ~~勝手に持って来ないでよお姉ちゃま~~!!』
『ある意味、死霊術師の正装。原点。でも、ちょっと弱い?』
『術者と共に成長するのよ~? 良いでしょバビロンちゃん、もう殆ど成長の余地がないんだから~♡ 要らないでしょ~~??』
『要らないけどぉ~~……んもうっ♡ あげちゃう♡』
あれ、あれ? もしかしてもう既に解決してたっぽくない?
『今回のイカレ女の働きを称えて、ワタシの若い時の服をあげちゃうわ♡』
「あっ……! そ、その、あの~~……僕たちの功績が、もしあるとしたらっ! リンネちゃんじゃなくて、僕たちの分で、そのですね~……」
『あらっ♡ お昼寝達の分もあったのに、要らないの~?』
『仲間思い。なら、リンネの分を追加で用意しよ、ねえね』
『じゃあお姉ちゃまはこれを渡すから~、カレンちゃんはアクセサリーにしたら~?♡ 指輪以外よねっ♡』
『え、ワタシはどうするのーっ! あ、左手も朽ちて壊れちゃったんだっけ♡ じゃあ新しい左手にしてあげようかしら♡ 本当に要らないのね? リンネちゃんに集中でいいのね~?』
「はい! 僕たちの総意です!」
『いい子達よね~♡ じゃあ、ちょーっと戻って色々用意してくるわね~? 今度は、吸い取られて壊れないようなヤ・ツ♡』
『あ、吸い取られないように! そうね~そうしましょ♡ 開け、冥界の扉!』
『お姉ちゃま、術使うときだけ格好いい。いつも術使ってて欲しい』
『やぁ~よ♡ いつも術使ってたら疲れちゃ~う♡』
あ~……。良かった……。これでどうにか、リンネちゃんが立ち直ってくれるといいなぁ……。僕たちばっかり報酬もらって良い思いして、リンネちゃんがボロボロだったらプレイしてて絶対楽しめないもんね。ふぅ……。直談判した甲斐があったよ、これでどうにかなって欲しい。本当に。
「――おう、どうだった?」
「上手く行きそう。あのまま無気力で月曜日迎えて、打ち上げも楽しめなかったら地獄だよ~」
「だな!! 一般の部はビーチエリアで開かれてて、皆楽しそうにやってるぜ。こっちのトロピカルプールエリアは貸し切りで華胥の夢と招待状持ち以外進入不可だからな、今回のリンネちゃんの件もギルド内で密かにやれて万々歳じゃねえか」
「だねぇ、良かった良かった……。それにしても、バビロンちゃんの水着、凄かったね今、チラッとしか見てなかったんだけど……死人が出ない?」
「ティスティス様もカレン様も水着だったが?」
「え、あやば、見てなかった……! 後で見よっ!」
「おっしゃ、じゃあリンネちゃんのところに戻ってやろうぜ!」
「オッケー!」
ハッゲもシュタークさん達のギルド加入と説明を終えたみたいだ。やっぱりハッゲはこういうときに頼りになるなぁ~……。リアルで何やってるかわからないけど、しっかりした人って感じがしてね、頼もしいわ~。あ、そういや何歳なんだろ? 結構若いような気がするんだけど……。
「そういやハッゲって何歳なの?」
「34だ」
「え゛っ゛」
「なんだ? 20代には見えねえだろ、どう見ても」
「……仕事とか、何してんの?」
「デザイナーだ。レーナと二人で、俺が社長。秘密にしててくれ」
「…………うっそぉん」
「本当だ。気になるならレーナにも聞いてみると良いぜ」
その、デザイン性皆無の頭で……デザイナー……?! 嘘でしょハッゲ、嘘って言ってよ……。え、レーナちゃんもデザイナーなの?! いやレーナちゃんはそんな感じがするけど、いや、え、いやいやいや……。ええええ!? 嘘だと言ってよ、ハッゲ……。
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