うみのどーくつダンジョン・11 ~これはひどい~

◆ うみのどーくつダンジョン・ボスエリア ◆


『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)の外部装甲が全て破壊されました』

『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)の推進機構が完全に破壊されました』

『ローレライの【悲歌慷慨ディストラクション】により、地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)の内部装置に深刻なダメージが発生。自爆システムが破壊されました』

『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)の自己再生システムが破壊されました』

『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)が完全に行動不能になりました』


 おー派手に壊しておるなぁ……。丸裸にしてボッコボコにするって言ったけど、本当に完全に破壊しちゃったよ力尽きたどん太の分まで、みんな張り切って壊してるなぁ……。

 DPS、つまるところ秒間辺りのダメージ量なんだけど、これは瞬間的ならねーさんが一位。攻撃の号令からの大切断で最大400k以上のダメージを吐き出してる。ただ二度目がちょっと空くから本当に瞬間的な話。

 DPM、分間辺りのダメージ量は完全に千代ちゃん。秒間平均80k以上のダメージを叩き出し続けてるから、1分間辺り5M以上のダメージが出てる。外部装甲を全部ぶった斬ってるのは千代ちゃんが原因ね……。

 面白い活躍をしてるのがおにーちゃん。千代ちゃんが妖狐化してる間減り続けているHPをダークアスパーションっていう黒くてキラッと輝く光の飛沫で全回復させてる。これ、おにーちゃんがレベル上昇して上がった210kっていうアホみたいなHPの半分回復するから、105kも回復してるのね……。その代わり回復が遅いおにーちゃん独自のMPマナポイント代わりのSPソウルポイントを25%も消費するから、連発するとおにーちゃんが【魂の衰弱】状態になって完全回復まで機能停止状態になるのがネックだね。この二人、何かと変な相性の良さがあって面白いわね……。

 ローラちゃんは歌ってる間にMPが回復してるから、終わったら再度また歌い始めればMPが枯渇しないでずーーーっと秒間50kダメージぐらいで攻撃し続けられるね。一応演奏スキルと歌唱スキルを両方使うとMPが枯渇するのかな? ただし範囲内に味方が居た場合は味方も巻き込むのが問題ねぇ~……強いんだけどなぁ~。

 ペルちゃんは魔大剣モードでバリバリ殴ってれば秒間30kぐらいかな? 通常攻撃が1発10kぐらいの時点でヤバいと思うんだけど、うちのメンバーが狂ってるから何故か普通に見える! でも直接攻撃が10発当たるまで攻撃を完全無効出来る上に状態異常も効かないバリア持ちで攻撃力まで鬼のように高かったら、それはそれで大問題よね。

 ちなみにリアちゃんは私と一緒に大きな岩に腰掛けて観戦中。なんでって? このデカブツ相手に有効打がないからですね、はい。リアちゃんはWPブレイクをして覚醒スキルを使えば10分間も魔術を撃ち放題になるけど、準備に1分掛かる上に使い魔返戻に召喚不可、しかも味方を巻き込みまくるから待機ですね。ここは火魔術が使えないし、こいつには水魔術効かないし、風魔術は通りが悪いし……大人しくしてようね。覚醒はカシュパの居る王宮を燃やす時に使おうっか。


『姫千代が【無双緋影】を解除しました。【★★緋影御前+4】を納刀しました』


 あ、千代ちゃんそっかそっか、その刀じゃなくていつもの妖刀の方にすると攻撃力が落ちるのか。それでもそっちにしても秒間60kぐらいってことは、斬突+100%の耐性無視積んでる緋影御前まで行かないにしても結構ヤバいのね、その刀。

 さて、本当に鯨列車がもうボロッボロなんだけど、まだ死なないの? 今バトルログのダメージ計測欄をガン見してるけど、もう総計20Mダメージ超えそうなんだけど。カップラーメンが出来ちゃうぐらいには掛かってるよ。かったいなぁ~……。


『H-E-L-P…… X< H-E-L-P…… X<』

「それにしても、どうして最初からこの状態で出て来なかったのでしょうか? こちらのほうが圧倒的に強いと思うのですが?」

「あ~……。多分あの一番前の部分が、人が乗れる場所じゃない? 装甲が剥がれて中が見えた今だからわかるけど、中身が押しつぶされちゃってるでしょ? このモードになると、中の人が押しつぶされるっていう欠陥があったんじゃないかな?」

「地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号でしたっけ……。地獄行きって、そういう……ことでしょうか……」

「乗ってた人が地獄行きなんでしょうねぇ」

「とんでもない欠陥品ですね……」


 元々ドゲルはこれに乗ってナタリアの海の国に行く予定だったのを、無理やり潜水艦に改造したのか、それとも逆に戦闘用に変形出来るようにこっちの性能を後付したのか……いずれにせよ、無理やり後付したどっちかの機能によって、操縦席がぐちゃっと機材で潰されてる。アレに乗った人は変形時に圧死するね。なるほど、こんな死に方をしたら地獄行きって名前もうなずけるわ……。


「ふ~~~ぶった斬ったぶった斬った、国落としも久々に随分と張り切ったんじゃないかい?」

「トルネーダ! その名前で呼ばないで下さい! 千代です、千代! ちーーーよーーー!!!」

「はいはい、姫千代なんて可愛い名前だったねぇそういや。それにしても何処に攻撃をぶち込めば壊れるんだい? こいつは」

「うち、あれだけは壊さないようにしてたんですけどぉ……。あのピカピカ点滅してる、ハート型のやつだと思いますぅ……」

『m9(^Д^)』

『フリオニールが【フルバスター】を発動、地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)の心臓部に44,400ダメージを与え、撃破しました。経験値 60,000,000 獲得』

『レベル85に上昇しました。おめでとうございます!』

『ペルセウスがレベル85に上昇しました。お祝いしましょう!』

『オーレリアがレベル55に上昇しました』

『フリオニールがレベル30に上昇しました』

『姫千代がレベル30に上昇しました』

『トルネーダがレベル50に上昇しました。レベル上限です! 進化しましょう!』

『ローレライがレベル30に上昇しました』

『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,272)を撃破しました! MVPは姫千代です。MVP報酬は【?大砲】です』


 武器……!? 大砲、ですと……!!?? これ鑑定しなくても絶対、アレでしょ! こいつに付いてたやつでしょ!? 鑑定しなくてもわかる奴、久々に来たんだけど!!?


『うみのどーくつダンジョンのHELLモードをクリアしました。記録しています……。暫くお待ち下さい……』

「へるもーど」

「正しくその名の通りの難易度でしたわねぇ……」

『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,272)の情報がモンスター図鑑に登録されました』

『真・殺戮者(Lv,321)の情報がモンスター図鑑に登録されました』

『真・抹殺者(Lv,444)の情報がモンスター図鑑に登録されました』

『新登録モンスターへの命名権はありません』


 こいつらは好きな名前が付けられないのね……。完全な固有モンスターだからかなぁ……? まあ名前ぐらいどうでもいいか。それよりちょっと、流石にこいつらの性能が見たいかな! モンスター図鑑、ちょいちょい部分的に確認することはあったけど、まじまじ見るのは初めてかも? どれ……?



【地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,272)】(ボス属性・無属性・機械系・超大型)

・心臓部【HP100,000】

・熱排気モードを妨害すると熱暴走でエラーを起こし、熱暴走モードになることで禁じられた戦闘形態へ変形する

・装甲、各種装備は独立したHPを持ち、本体へのダメージに反映されない

・弱点属性が存在しない

・空中の敵を最優先で攻撃する

・大ダメージ検知で反撃モードへ移行

・地獄行き地対空ヤバイカホーミングミサイルの弾数は1,000発

・突撃! ウツボさんバズーカーの弾数は500発

・フカヒレーザーは20秒毎に発射可能

・彷徨うタコ爆雷の弾数は500発

・小魚ガトリングの弾数は10,000発

・全弾消費した場合、体当たりモードへ移行する

・全体のHPが10%を切った場合、自爆モードへ移行する

・基本経験値は50,000,000



【真・殺戮者(Lv,321)】(ボス属性・水属性・悪魔系・大型)

・HP1,230,000

・超大型の高速移動物体を検知すると出現

・ダメージカット100,000(100kダメージ以下をダメージ1にする)

・聖、風属性弱点(2倍)

・火、地、闇属性無効

・水属性吸収

・高速移動する敵を最優先で攻撃する

・大ダメージを受けた場合、その敵にターゲットを変える

・近くに味方が存在する時、一部スキルを使用しない

・デススクリューアタックは斬・突属性の複合近接物理攻撃、吸引効果持ち

・デスハリケーンアタックは斬・突・打属性の複合近接物理攻撃、即死判定あり

・旋回尾撃は打属性の近接物理攻撃、防御減少効果あり

・噛み砕きは斬・突属性の複合近接物理攻撃、即死判定あり

・基本経験値は9,999,999



【真・抹殺者(Lv,444)】(ボス属性・闇属性・悪魔系・大型)

・HP1,666,666

・超大型の高速移動物体を検知すると出現

・ダメージカットマックス(弱点部以外へのダメージを1にする)

・口内のコアが弱点

・念属性軽度弱点(1.5倍)

・聖属性弱点(4倍)

・火、水、風、地、闇、不死属性無効

・高速移動する敵を最優先で攻撃する

・弱点部へ攻撃してきた敵へターゲットを変更する

・カーネイジブラスターは20秒毎に発射可能

 ┗無属性・突属性の複合遠距離物理、魔術の複合攻撃、即死、石化、猛毒、出血判定

・シャドウランサーは10秒毎に発動可能

 ┗闇・突属性の複合魔術。呪い判定

・オーバーキルタックルは打属性の近接物理攻撃、スタン、気絶、即死判定

・顎の力が弱い

・基本経験値は44,444,444



 こんなのに、よく勝てましたね……? でもやっぱり予想が当たっては居た。それぞれ攻撃する相手に優先度があったんだ。そうだよね、そうじゃないとこんな馬鹿みたいに強いボスを倒す方法が無くなるよね……。もしもこれをソロで倒せる人が居たら、もうそれは超人だよ……。このゲームを完全に理解して極めてる人だよ……。

 それと、ローラちゃんのレクイエムで大人しくなるってのは間違いなかったんだ。でもそのタイミングが絶望的にやってはならないタイミングだったんだね……。熱排気モードの時に大人しくさせたせいで、熱排気が出来なくなって熱暴走を起こしたのかな。それで本来は禁止されてたはずの戦闘形態に移行したわけかぁ……。


『おめでとうございます! うみのどーくつダンジョン・HELLモードをクリアしました!』

『真・殺戮者の討伐を確認。ボーナスが加算されます!』

『真・抹殺者の討伐を確認。ボーナスが加算されます!』

『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号の完全解体を確認。ボーナスが加算されます!』

『パーティメンバー8人によるクリア、ボーナス加算はありません』

『ボス討伐報酬が出現しました! 宝箱を4個まで選択することが出来ます!』

「リンネさん、大変ですわ!」

「うわ、うわ、うわ……!」


 ああ、ありがとうございます、みんなのお陰でHELLモードをクリアできました……。でも問題発生です。ペルちゃんが嬉しさと悲しさで頭を抱えております。私もだよペルちゃん、これどうしようね……。


「宝石の宝箱が、6個もあるんだけど……」

「4個しか選べませんのよ!!!? こんなの、酷すぎますわ!?」

「あの赤いのはなんなんだい?」

「あ~……。多分、おさかなのソーセージが入ってる箱ですね、あれは」

「食べ物で御座いますか! しかしこのような場所の宝箱にある食べ物は……」


 宝石の宝箱が6個、赤い宝箱が2個、金が2個……。金は開ける気無いから、宝石のを開けるとしても、ええ~……2個は持って帰れないのぉ~~~!? そんなぁ~……。


「4個しか選べないってケチな考えをするからさ。4個も選べる! 本来なら1個だったかもしれないって考えりゃ、相当に得な気持ちになるだろう?」

「ねーさんが前向き過ぎる……!」

「海賊に宝を奪われるぐらいなら海に捨てるって奴らも居たからねぇ、本来手に入ったのにって思うと損した気分になるからね、逆に何個かは残ってたって考えるようにすることにしたのさ」

「うち、うち、このびっかびかでごってごてに光ってるのがいいですぅ!」

「あたしもそれが良いね。他のより心なしか宝石の輝きが良い気がするよ!」


 ねーさんが、非常に前向きな考えで素敵……! って思ったら、海賊時代の経験でございましたか……。何かとアンラッキーに見舞われるローラちゃんと、海賊の直感が働くねーさんが選ぶ箱の内1個はこれが良いって言い張ってるけど、大丈夫かなぁ~……?


「おばけ殿、どれが良いと思いますか?」

『m9(^Д^)』

「一番近くにあるだけではありませんか!」

『Σ(´∀`;)』

「リンネ殿、これが良いそうです!」


 あっちのペアも1個決めた。近くにあるってだけだったみたいだけど、一番近くに出てきたんだから選びたい! って気持ち、わからんでもない……!


「ペルちゃん、どうする?」

「2つはあちらに致しましょうか! リアちゃん、どれか選んでくださる?」

「えっ……!? えーっと、えーっと……じゃあ、一番遠くのあちらで!」

「ではそちらも! あれはリアちゃんに開けてもらいましょうね!」

「え!? は、はいっ!」


 それと、3個目は一番遠くの奴をリアちゃんが選んだのでそれに決定。じゃあ残り1個は、私とペルちゃんで決めるか~……。どん太が居たら、赤いのを絶対選んでただろうなぁ~前に食べ物入ってたのをしっかり覚えてるし。


「ペルちゃんはどれにする?」

「リンネさんは――じゃ、じゃあ、せーので指さしませんこと?」

「いいね。じゃあ行くよ? せーーのっ」

「っ! あれですわ!」

「それが良い……お~、被った~」

「被りましたわぁ!! うれしいっ!!!!」

「んぐっ!? ペルちゃ、くるし……!?」

『ペルセウスから1ダメージを受けました』

「ああ、ああああ!! ご、ごめんなさいまし!?」


 ペルちゃんと選んだ宝箱が被って、嬉しいのは私も同じなんだけど! こっちの骨がギシッと音を立てるぐらい抱きつくのはね、やめてね!? まさかダメージが発生するレベルで抱きついてくるとは思わないじゃん!! 嬉しいけど今度からはやめてね!? 死んじゃうから!


「ふぅ~……。じゃあ、私達のから開ける~?」

「そうですわね! 先に開けないと回収もありますものね!」

「じゃあ……」

「ええ……!」

「「ぱんぱかぱ~ん! (ですわ~!)」」」


 とりあえずまずは私達が選んだ真ん中の宝箱から。さて気になる中身は~……!?


『【?斧】を獲得しました』

『【?剣(虹)】を獲得しました』

『【覇者の証】を2個獲得しました』

「あ、しょっぼ!!」

「なんだか、イマイチではなくって……!?」


 いや、虹が出てるんだからショボいってことは無いはずなんだけど、はずなんだけど!! 前にずらーーっと装備が並んだことがあった宝箱から比べたら随分ショボいよこれは!? いやいや、私達のがたまたまショボかっただけ……! 次はリアちゃんの、リアちゃんのに賭けよう!


「リアちゃんのなら出る! ぱんぱかぱーんってして!」

「元気よくお願い致しますわ!! わたくし達の仇を討ってくださいまし!?」

「は、はい!! ぱんぱかぱーん……っ!」


 リアちゃんの恥ずかしがりながらのぱんぱかぱーん、頂きました! 冷静に考えて王族になんてことをさせてるんだろうね? でも可愛いんだもん、しょうがないじゃん! はい、で!!! 中身は――――


『【?本(虹)】を獲得しました』

『【?部品】を獲得しました』

『【?部品】を獲得しました』

『【?部品】を獲得しました』

『【?部品(虹)】を獲得しました』


 工具箱じゃねえんだぞ……!! 宝箱だろうがこれは、ああ……!? いや、リアちゃんが悪いんじゃないんだよ。こんな宝箱を設定してる運営が悪いんだよ。いや待って? やっぱりリアちゃんが悪いんだよ。


「はうぅぅ……」

「リアちゃんは悪くありませんわよ!?」

「リアちゃんが悪いんだよ」

「こら! 吸おうとしませんの!! リアちゃんは悪くありませんのよ!?」

「っく、リアちゃんが悪いってことにして吸おうと思ったのに……!」

「後で、こっそりなら……」

「リアちゃんは悪い子だよ!!!」

「ほら、次を開けますわよ!!!」

「ぐぉぉぉ…………!! ペルちゃんのパワーが強すぎる……!」


 リアちゃんが悪いってことにして吸おうとしたのに、失敗した! ペルちゃんのパワーが強すぎる、全く抵抗出来なかった……。でも後でこっそりなら良いって、あの子いつの間にあんな魔性のオーラを出すようになった? やっぱり悪い子だよリアちゃん!


「おばけ殿、開けてみては?」

『(*´ω`)b』


 どたばたやってる内におにーちゃんが宝箱を開けてた。どうせ中身はショボいんだろうなぁ……。だっておにーちゃんだよ? おにーちゃんの選んだ宝箱が凄いわけ――――


『【?大盾(虹)】を獲得しました』

『【?チケット(虹)】を獲得しました』

『【?本(虹)】を獲得しました』

『【?アクセサリー(その他)(虹)】を獲得しました』

『【?素材(虹)】を獲得しました』

『【?素材(虹)】を獲得しました』

『覇王の証(虹)を獲得しました』


 すげえ、7個全部オールレインボーなんだけどおにーちゃん!? え、すげえ!? ええええ!? ほぎゃーーーー!?


「や、やるじゃんおにーちゃん!? 7個も虹ってるよ!? 凄いじゃん!」

「覇王の証!? 覇者の証よりも更に上ではなくって!?」

「おお、素晴らしい収穫だったのですね!」

『d(`・ω・´)b』


 そのドヤ顔エモーション、許される……ッ! この圧倒的虹の量、許される……ッ!! おにーちゃん、最強の運……ッ! 千代ちゃんの着替えを覗いて死んだとは思えない程の、豪運……ッッッッ!!!!


「ローラ、あたしらも負けてられないよ!」

「うち、うちが開けますぅ~!!」

「開けな、こっちのほうが凄いって証明をしてやんな!」

「はぃぃ~~~!! ぱんぱかぱぁぁん!!」

「あっ」

「あっ…………」

『報酬の選択が終了しました。選ばれなかった宝箱が消滅しました』


 どうしよう。あの二人の反応で既に中身がなんとなーーーく察しが付くんだけど……。これ、行って回収しなきゃ駄目? はい、来ました。来ましたけど……あは、あははは…………。


「ねーさん、とった?」

「取ってないよ……入れておいて誤魔化したいぐらいだね……」

「ローラちゃん、どっかに隠した?」

「…………っすぅ~~~…………」

「これはひどいですわ」



『【?食材(虹)】を獲得しました』



 ん~~~~~…………1個!!!!!!!!! 1個ってマジで、どういうこと!? こんなのが許されるはずない……。もうダメだ、やっぱりリアちゃん吸う。リアちゃんが悪いんだよ……。


「…………内容が、無いよう……っく……ふふっ……!!」

「あっ、さっむいねぇそれ……」



 ――――ローラちゃんが悪いんだよ。


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