うみのどーくつダンジョン・9 ~突然の変更~

◆ うみのどーくつダンジョン・1階層 ◆


『【アンデッド強化】を発動、フリオニールの【★魔神兵】への進化がリクエストされました』

『魔神バビロンがリクエストを一部変更して許可しました。フリオニールの進化を開始します』

『フリオニールに新たなスキルが複数セットされました』

『フリオニールの複数のスキルが強化されました』

『フリオニールの一部のスキルが削除されました』

『フリオニールの装備が【祝福された首なし魔神兵長の鎧+7】に変更されました』

『フリオニールのステータスが大幅に上昇しました』

『フリオニールの【★魔神兵長】への進化が完了しました』


 なんか上位っていうか、兵長になってる……!? しかもこの進化先、バビロンちゃんからの許可制だったんだ!? あれかな、バビロンちゃんへの貢献度が高いとボーナスで特殊な職になるのかな? でもおにーちゃんが魔神兵長かぁ~……なんというか、一般兵感があるからしっくり来ないよねぇ!?


『Σ(´∀`;)!?』

「おにーちゃんは今日から魔神兵長です。今私が勝手に進化させました」

『d(*´∀`*)b』

「気に入ってくれたようで何より、どれステータス見せてみ?」


 そんなおにーちゃんの新ステータス、どれどれちょっと見せて貰おうじゃないの~。



・ステータス

【名前】フリオニール

【レベル】1

【属性】ボス属性・闇属性・無形系・中型

【性別】なし

【職業】★魔神兵長

【カルマ値】-350(大罪人)


【HP】150,000

【SP】10,000

【NP】10


【STR】334

【AGI】99

【TEC】99

【VIT】1,201

【MAG】4

【MND】766


【スキル】

【★魔神兵長】

・シールドアサルト【スタン・気絶】

・マルチカウンター【気絶・反射】

・ハイパーガード


・プレッシャー【SP10%】【MPバニッシュ】

・ダークアスパーション【SP25%】【HP50%回復・状態異常5秒間無効】

・ソウルイーター【スタン成功時SP5%回復、気絶成功時SP10%回復、即死成功時SP100%回復】


・フルバスター【NP1】【大ダメージ】

・シールドトレイン【NP1】【3秒間強制拘束】

・霊体化【NP3】【念属性チェンジ】【死霊系チェンジ】

・アーマーリペア【NP5】【鎧復活】

・魔神崇拝・超【パッシブ:カルマ値-300】

・魔神の祝福【聖属性弱点削除】


【装備スキル(斧)】

・処刑【敵HPが10%以下で発動可能】【ボス無効】【即死】

・シールドブーメラン【遠距離・打】


【装備】

右手:処刑戦斧+12【処刑】

左手:★ホ・タテ+4【アバ:魔神兵長の大盾・漆黒】【シールドブーメラン】


頭:不可【アバ:祝福された首なし魔神兵長の鎧】

体1:祝福された首なし魔神兵長の鎧+7【解除不可】

体2:フリオニールの強靭な魂【念属性】

足:祝福された首なし魔神兵長の鎧+7【解除不可】


アクセサリー【指】:不可

アクセサリー【腕】:不可

アクセサリー【首】:不可

アクセサリー【他】:不可



 おおう、なんか色々と変わっておる……! 前は騎士道スキルと首なし騎士スキルが分割されてたけど、魔神兵長に統括されたのね。前は騎士時代のスキルを首なし騎士の状態で扱ってたのを、今の自分に合うように変えた感があって良いね。ちょっと文面からは想像が出来ないスキルがいくつかあるけど、まあ何よりおにーちゃん……。


「赤いな、おにーちゃん……」

「目立ちますわね~その色!」

『Σ(´∀`;)!?』

「およ、ずいぶんと派手な赤色になりましたね、おばけ殿」

「いいじゃないか、如何にも狙ってくれって感じがしてさぁ」

「赤、騎士、目立つ、派手……うーん……赤……」

「ローラちゃんはダジャレを探さなくていいから!」

「ば、バレてるぅ……!?」

『わんっ!! (かっこいいね!)』

「モンスターからも真っ先に狙われそうな色ですね……っ!」

『(*´ω`)b』


 おにーちゃんすんっごい赤い。ここまで派手に赤いと隠し効果とかでヘイト率上昇とかついてそうだわ……。まあでも赤いのは強い証だからね、ここのシャチだってそう。赤いのは強いのだ。あ、そうだそうだ、シャチで思い出したわ。情報共有して狩りを再開しないと。


「そうだ、みんなごめんね。あれが今回の目的のボスモンスターで、走って移動を続けてると突然現れるペナルティモンスターなの。黒いのと赤いのが居て、黒いのは私があっという間に倒せるんだけど、赤いのはさっきの光線を発射するのに口を開けた瞬間の口の中のピカッと光る部分が弱点! 今度からその手前でねーさんが攻撃の号令、千代ちゃんがズパっと倒して片付けるって方針でお願いしますっ!」

「承知致しました!」

「あいよ!」

「うちは~……」

「ローラちゃんは次のダンジョンで大活躍して貰うから!」

「はぁ~い……」

「あ!!! そういえば無音の白ミュートブリザードで止められるの忘れてました!!」

「あーーー!!!!」

『わうう~~~!!!』

「あ~~~……。止められましたわねぇ……」


 そうだ、やらかしたの私だけと思ってたけど、リアちゃんも有効打があるの忘れてた! でもあれは口を開けたタイミングでピッタリ発動しないと、ちょっとずれると口閉じてる状態とかになっちゃうし、完全策ではないんだよね。もし千代ちゃんがやらかしちゃった場合はミュートブリザードを撃って貰って、千代ちゃんには水月で回避して貰おう……。


「宝箱ですわ!!!」

「あ!!! 命より重いのに!!!」

「今日は忘れ物が多い日ですねっ……」

『わふぅ……? (砂漠のこと、皆 考えてる?)』

「かも……。どこかこのダンジョンに集中できてない感じがする……」

「気をつけませんと、一歩間違えると死んでしまいますわ!」

「どん太の進化も近いし、次はどん太が前回ボロボロにされたお礼もしなきゃならないし、そのための準備としてもしっかりやらないと」


 なんだか忘れてることが多いなぁ~。前回勢いで大体片付けたから、確立してない部分が完全に抜けてたり忘れてたりするのがあるわ。まあ弱点伝え忘れは完全に私のミスだけど……。


「じゃあ基本はねーさんと千代ちゃんのペアで赤いのは狩る、もし千代ちゃんが失敗した時はリカバリーにリアちゃんがミュートブリザードを撃つ。千代ちゃんは水月で回避して戻ってくる。この作戦で行こうよ。黒いのは私が倒すからね!」

「ええ、わかりました!」

「それで大丈夫だと思いますっ! 私も、しっかり用意しておきますね!」

「フリオニールとローラは留守番だねぇ、次のダンジョンで活躍して貰うとしようじゃないのさ」

「ふゎ~い……」

『(`・ω・)b』

『わんっっ!! わうん?(頑張って走るよ! 準備はいい?)』

「ペルちゃんは臨機応変に……! アイギス、頼りにしてますっ!」

「ええ、では次の――――宝箱ォ!!!!」

「あああああああ~~~~~……!!」


 なんだって今日は、締まらないなぁ……! ちなみに宝箱は金色で、中身はペルちゃんが持ってくれた。どん太、食べ物は入ってなかったよ。残念ね……。でも覇者の証が2個出たから、これは嬉しい収穫! さあ今度こそ、次に行ってみようっか!!




◆ うみのどーくつダンジョン・7階層 ◆




 あれから、まっさつしゃーちは一匹も現れなかった。やっぱり低確率なんだなぁ~ってのを身にしみて実感する結果になったけど、無事に20匹のさつりくしゃーちを倒して24Mの経験値を獲得しました! というわけで、このログを御覧ください!!!


『どん太がレベル50に上昇しました。レベル限界です。進化条件を達成していません』


 どん太が最大レベルに到達したのに、進化出来ませんでしたぁ!! しかもその進化条件は素材のアイテムの方じゃなくって、どん太自身に何か問題があるらしい。もしかして食べ過ぎで太ったのが原因かもしれないので、これは魔神殿に戻ってモッチリーヌちゃんにしばき倒して貰わないと駄目だろうね。後で覚悟しておいてねどん太。

 そして他の子のレベルについては、リアちゃんがレベル47、おにーちゃんがレベル15、千代ちゃんがレベル22、ねーさんがレベル31、ローラちゃんがレベル21。リアちゃんとねーさんは上がった感が凄いけど、千代ちゃんとローラちゃんが全然上がらない。別格、なんだろうなぁ……。赤いのが毎階層に1匹は出てくるぐらいじゃないと、この二人は全然上がらなそうだわ。ちなみに私とペルちゃんがやっと82に上がった。本当上がらなくなったなぁ、レベル……。有限の経験値ソースのここじゃ、もう上げるのキツイか~。


「それじゃあ、グレートホエール号かぁ~」

「あ……! グレートホエール号、うち知ってますぅ……あいつ・・・のを、暴走させましたぁ!」

「急にドゲルのことあいつ呼びになったねローラちゃん!? それに暴走させたのローラちゃんなのね、やっぱり……」

鎮魂歌レクイエムで大人しくなると思いますぅ~……。そしたらぁ、解体し放題ですよぉ!!」

「解体し放題……」


 後はグレートホエール号だけって思ったら、ローラちゃんがまさかの知ってる発言。そっか、あれを暴走させたのローラちゃんだったかぁ~……。歌声で船でも機械でも狂わせることが出来るんだっけ……? 長年放置されて暴走とかじゃなくて、やっぱりローラちゃんの歌声が原因だったのか……。

 んで、大人しくさせる方法もあるだって? そしたら解体し放題? んじゃあ、あのデカいメカクジラを大人しくさせられたら、全員で囲んでボコって装甲全部剥がしちゃうかぁ!! そうしようそうしよう!!


「じゃあ、ローラちゃんにお歌を歌ってもらおうかなぁ~!」

「わぁい! やっと役に立てるぅ~……!」

「では楽勝ですわね! 初手の即死光線さえわたくしが受ければ、後はちょちょいのちょいですわ!」

「最初に赤いシャチよりもっと強力な即死の光線が飛んでくるから、それをアイギスを掛けたどん太が防いでる間、私達は陰に隠れてようね! そうしたら熱排気モードになるから、その時にローラちゃんがレクイエムを歌って、全部の装甲をバラして終わり! 今回は簡単だねー!」

「承知っ! 最後の敵の方が簡単そうで何よりで御座います」

「水魔術は禁止でしたね!」

『(*´∀`*)』

『わんっ!! (今度は何してくるかわかるもんね!)』

「なんだ、簡単そうだねぇ」

『ボスエリアへの転送ポータルが起動しました。30秒後に転送します』


 前回は色々とやらかして大惨事になりかけてたけど、今度は余裕よ! なんせローラちゃんが止めてくれるんだからね、ボスを! コイツも撃破時の状態で報酬とか変わるのかな~? 全部装甲を剥がして壊したら、追加報酬とか!? ありそう~楽しみ~~!!


「沈め、ネガティブオーラ!」

『3分間、パーティメンバー全員の全ステータスが+41されます』

「さあ、気合い入れて行くよ!!」

『トルネーダが【攻撃の号令】を発動、1分間攻撃力が1.5倍になります』

「アイギス!」

『どん太が【ペネトレイト・3】状態になりました』

『3……2……1……0。転送』


 やることがわかってれば、こいつは楽勝よ~! さあ、まずはクリムゾンブラスターでしょ! かかってこ~い!


『H-A-L-L-O? Good bye! :D』

『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【クリムゾンブラスター】を発射しました』

『どん太が【クリムゾンブラスター】を無効化しました』

『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【熱排気モード】になりました』


 っふ、っふ……ふふふ!! どうよ、ご自慢のクリムゾンブラスターが無駄行動になった気分は!! こっちは最高の気分よぉ!!


「死者よ、嘆くなかれ。私に委ねよ、私が救い私が癒そう。悠久の休息を此処に、嘆きの死者に憐れみを――――」

『ローレライが【鎮魂歌レクイエム】を歌い始めました』

『H-A-L-L------o------? 』

『H-A-L-L------…………H-E-L-P…………H-E-L…………』


 おお、おお…………? 効いて、る……? 効いてる! 止まったっぽい、駆動音が静かに――――


『…………GAGAGAGAGA…………!!! H-E-L-L!!!! GO TO HELL!!!! :> :> :> :> GO TO HELL!!!!!!!!! :> :> :> :>』


 は――!? え、何この、ログ……!?


『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【熱暴走モード】になりました』

『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【緊急変形! 徹底抗戦モード】を発動しました』

『GO TO HELL!!!!!!!!! :> :> :> :>』

『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)に変形しました!』

『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)の高速移動に反応し、【真・殺戮者(Lv,????)】が乱入しました!』

『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)の高速移動に反応し、【真・抹殺者(Lv,????)】が乱入しました!』

『『GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』』

「ぎゃあああああああああーーーーー!!!!」

「なんですの、これーーーーーー!?」


 ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! なん、じゃ、こりゃぁああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!



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