情報共有は大事!

◆ ステラヴェルチェ・ギルドハウス(無断借用) ◆


 手に入れた情報の共有の為に、大絶賛無断借用中のギルドハウスに帰ってきました。全員無事だけど、手に入った情報があまりよろしくないものばっかりだったみたいで暗い雰囲気だわ。


「大穴に連れて行かれた住人は、全員死人と化しておりました」

「アンデッドにして休みなしで掘らせてそう。若い男を素体にして、上位のアンデッドを作ったみたい」

『くぅ~ん……(休みなしは可哀想だよう……お腹減って動けなくなっちゃうよ……?)』


 大穴に連れて行かれた若い男は、体が丈夫だったからか元が強力だったか、そのどちらもなのかわからないけど……王都を彷徨ってる動きの鈍いアンデッドとは異なって、かなり動きが良く力も強そうな個体が多かったらしい。それでも大穴の採掘現場はまだまだ進んでいない様子で、宝石や鉱石が含まれるような盤まで至っていなかったそう。ただし、どん太が『嫌な奴の臭いがちょっとした』って言ってたらしく、やっぱりこの大穴には何かが居る可能性があるらしい。


「王宮にいる警備兵や商人は全員カシュパ派の人間で構成されているようです。宮殿の裏手に多くの武装砂上馬車が停まっていて、多脚軍馬も居ました。逆らわずに利益を齎す人間には贅沢な暮らしをさせていたようです」

「胸糞悪い~~撃ちたい~~」


 リアちゃんからの情報は、私が確認した以外の宮殿の様子。今思えば住民は虐殺されてるのに、あの宮殿の警備兵は生身だったからおかしいなとは思ってたけど、自分の利益になるやつは生かしておいてあったのね。そういえばターラッシュから豪華な宝石の装飾品を手に入れてたみたいだし、ちょいちょいターラッシュを行き来してる奴が居るのね。自分は王宮で威張り散らして待ってればいいだけか、良いご身分でございますこと。


「こっちは王宮内部に潜入して、シリカ、メリアっていう多分リアちゃんのお姉さんらしき人を発見したよ」

「え、まだ生きてたんですか」

「まだ生きてたよ。ずたずたに切り裂かれたこれの一部を復元して、儀式の手順の一部だけは解読したみたい」

「これは……。なるほど、これでは儀式に必要な王家の首飾りの存在がすっぽり抜け落ちていますね。何かアクセサリーなんだろうってことは文面からはわかりますけど」

「これ、どうやって手に入れたの?」

「アビスウォーカーで影伝いに部屋に侵入して、物音を出してそっちに気を取られてる内に、サササッと」

「泥棒……」

「完璧な泥棒さんですね」

「素晴らしい仕事に御座います!」

『わうぅ~……(いっぱい走ったからお腹減った……)』

「ほれどん太、ドラゴンドラゴンドラゴンバーガー、あるよ」

『わうぅぅ~!?』

「あっっ……」

「千代ちゃんのもあるから……」

「わぁ……! いただきますっ!」


 なるほど、やっぱりこの書物からは王家の首飾りのことがすっぽりと抜け落ちてるのね。それにしてもどん太はいっぱい走ったからお腹空くのはわかる。凄いわかる。でも千代ちゃんあなたちょっと前までぽんぽこ千代ちゃんでしたよね? まだ、食べるんですか……? あ、食べる……。


「それとね、カシュパがインテリア化したおにーちゃんに気が付かなかったので、目の前通った時に攻撃しました」

「はい?」

「え」

『わうぅ!?』

「なんとっ……!?」

「大丈夫だったんですか、お姉ちゃん!?」

『(*´ω`*)』

「向こうは攻撃されたことすら気がついてなかったよ。レベルは130、本体の属性が不死属性か種族が死霊系、生命を喰らう大蛇・カシュパって名前で表示されたよ」

「生命を喰らう……。住人が生きる屍になっているのは、やはり大蛇の力のようですね」

「だと思うよ。とりあえず情報はそんなところかな」

「わかりました、心置きなく王宮を燃やせそうですね」

「…………ん?!」

「え?」


 リアちゃん、今の流れでどうやったら『心置きなく王宮を燃やせる』って結果に辿り着くのかな……!? 一応だけど、お姉さんと生きた人間が結構居る見たいなんだけど?! まあ確かにカシュパ派しか居ないっぽいけど!


「燃やしますけど、駄目ですか?」

「駄目って、いや、うーん……!? リアちゃんが燃やすっていうんだから、良いか……」

「全部燃やして、全部木端微塵にしましょうっ! エキドナ様と私の思い出の、あの封印の間と宝物殿さえ無事なら上の階には用事がありませんから!」

「そ、そっかぁ……!」


 リアちゃんがやるって言うんだから、やるかぁ……! 情報の共有的にはこんなもん、かなぁ? 色々と気になる所はあるけど、とりあえず全部燃やして全部破壊の全部倒すで結論出ちゃったし、明日にでも滅ぼそうかぁ、ステラヴェルチェの王宮にいる連中をさ。


「明日、殺る?」

「今日はもう0時近いですからね~。レーナちゃん、そろそろ寝る時間ですよね?」

「んっ………………寝たい、かも。頑張って、ねんねする」

「ああ、クックさん……」

「なまえをよんじゃだめ」

「すみません……」


 レーナちゃんがそろそろ寝るのを頑張る時間みたいだし、私も昨日は寝落ちスタートだし……。今日はしっかり自分のベッドでお休みしよう。仮想空間内で寝ることに慣れちゃうと、ディープダイバー症候群とかになる可能性があるらしいし、気をつけないと。ギルドハウスに戻るのは、どん太と千代ちゃんが食べ終わったらにしよ――――無い!? え、無い!?


「食べたの……!?」

「ご馳走様で御座いました……!」

『わふ、わふ……(おいしかった、おいしかったぁ……)』

「嘘でしょ……!?」

「妖怪めしすいこみ。胃袋どうなってるの、信じられない」

「急いで食べると、体に悪いですよっ」

『Σ(´∀`;)』

「じゃあ、とりあえずギルドハウスに帰ろうよ……」


 信じられない、どうやったらこれを一瞬で消滅させられるの、本当に信じられない……。クックさんより千代ちゃん達のお腹の中のほうが怖いんだけど……。こわ、戻ろ……。




◆ 一方、お昼寝パーティは…… ◆




『レイジが凄いタフなサメさんに6,881ダメージを与え、撃破しました。経験値 1 獲得』

「なんやもうタフでもなんでも無くなってもうたなぁ。スキルも要らへんで」

「ん~確かに~。エリスちゃんでも倒せますからね~」

「もう経験値手に入らないぐらいレベル離れたからねぇ~。完全格下なんだから仕方ないさ~」

「ユルセンボンもこのスキレットの影に隠れりゃ、針も全部止められるしな」


 リンネちゃんに貰った情報を元にうみのどーくつダンジョンの深い所まで来たけど、いやぁ~本当にもう雑魚を相手にする理由がないね。全く意味がないってところまで来ちゃったよ、こんなレベリング方法が許されて良いのかなぁ~って一瞬思ったけど、許されてないならそもそも経験値の設定しないよね~。


「来たぞお昼寝」

「来たか~さつりくしゃ~ち!」


 お、来た来た、来たよさつりくしゃーち! もう全員1体は死体安置所に確保してあるから死体は拾えないけどさ、やっぱ倒した時の経験値と宝箱よ~! 最高だわこのペナルティモンスター!! ここの存在が一般プレイヤーにバレたとしても、これの出現条件を知らない、倒せないようなら来る価値薄いよここは。


『ギュァアアアアアアアア!!!!!!』

「それじゃ、リンネちゃんに教えて貰ったこいつを、リンネちゃんが知らない方法でサクッと殺っちゃいますかぁ~」

「俺らは周囲の警戒をしとくぜ。頼んだ」

「ほんま、これの相手はギルマスしか出来へんわ、無理や無理!」

「それじゃ始めよう~情熱のタランテラ」

『【高揚】状態になりました』

『ハッゲ(Lv,76)が【高揚】状態になりました』

『レイジ(Lv,72)が【高揚】状態になりました』

『エリス・マーガレット(Lv,75)が【高揚】状態になりました』


 全力で走ってると出てくるペナルティモンスター、さつりくしゃーち。攻撃方法は単純だけど鬼のように強い。途轍もないスピードで接近して来て、その巨体の破壊力と回転力が生み出す打撃と斬撃の複合攻撃で、こっちをズタズタにして来るとんでもない凶悪攻撃が持ち味。当たれば即死級のダメージだけど、それはまともに当たったらの話。


「いっくよ~……今っ」

『【黄金障壁盾】状態になりました。3秒間全てのダメージを1にし、全ての状態異常を受け付けません』

『【スクリューアタック】を発動しました』

『ギュアァアアアアアアアアア!!!!!!!』

『さつりくしゃーち(Lv,99)が【スクリューアタック】を発動しました』


 前はそれ、トラウマ級に怖かったんだけどねぇ!!! この金色バリアが手に入ってからは、どうってことないなぁ!!!


『威力相殺!!! さつりくしゃーち(Lv,99)の【スクリューアタック】と威力が同格です!』

『【黄金障壁盾】が解除されました』

『ギュァアアアア!?』

「っくぅ! おっしゃー今回も貰い、だぁ!」

『【ブリーディングスラッシュ】を発動、さつりくしゃーち(Lv,99)が1ダメージを受けました。重篤な出血状態になりました。超毒による身体破壊状態になりました』


 ひひっ……! お互いにダメージ1しか与えられない同格のスキルを発動してぶつかり合った時ってね、相殺が発動するんだよ! この時お互いにノックバックして無防備になるんだけど、図体がデカいこいつより僕のほうが復帰が早いからね、こっちが先手を貰えるんだなぁ、これが! そしてこれが成功したなら、後は超毒を塗った武器で殴れば200しかないHPなんてあっという間に消し飛ぶ! 重篤な出血もボスには通るから、これも発動したら更に早く終わるんだ。


『さつりくしゃーち(Lv,99)が超毒により死亡しました。経験値 1,200,000 獲得』

『レベル75に上昇しました。おめでとうございます!』

『ハッゲがレベル77に上昇しました。お祝いしましょう!』

『レイジがレベル73に上昇しました。お祝いしましょう!』

「うおお、相変わらず経験値がすげえな! うめえ!」

「ハッゲが珍しく興奮してる~」

「ゆでダコにならんといてな! いやぁレベル60まで苦労してたのがアホみたいやなぁこれは」

「一応赤い奴も出てくるらしいから、気をつけないと~。こっちは即死ビーム持ちらしいからねぇ」

「なんやそれ!?」

「怖えな。低確率で出るのか?」

「そーそー。それじゃえーっと、7階まで後4匹? 宝箱は……おおお!! 金だ! 初だねー」

「やる~っ! エリスちゃんあけた~い」

「誰が開けても、この出た時点で決まってるだろ」

「そういう野暮なこと言ったらあかんて! 中身見るまでは何が出てるかわからんやろ、そこがええんや!」

「そーだそーだ!」

「おう、すまねえ……」


 いやぁ~~~これでレベリングするのに慣れちゃったら、普通のレベリングなんてもう一生やりたくなくなるって~~!! しかもボスだから宝箱も出るし、今回初の金だし! もう最高~!!


「どりゃ~~!!」

「おお、剣か?」

「蛇腹剣やとええな! 二刀流出来るんやろ?」

「一応出来るけど~一本でも難しいのに~」

「それをやってこそ、でしょ~。どれ、拾っちゃお」

『【?剣】を獲得しました』

『【?斧】を獲得しました』

『【覇者の証】を獲得しました』

『【金貨袋】5個を獲得しました』


 お? 覇者の証は初めて見た。王者の証は結構出てたけど、これは知らない。絶対上位スキル習得用とかそんなのでしょ、45レベルの時に魔晶石しか要求してきてないけど、もしかして今後更に上ってなるとこれを要求してくる感じ? あ~4人で1個だから喧嘩だ喧嘩! これは喧嘩だねぇ!


「覇者の証だって。上位のスキル習得用くさいよね~」

「それは知らねえな、王者の証より上位か? 王者の証なら公式オークションで即決1000万で出てたから即買ったぜ。王者の証の方はなんでも☆1のエリアボスから出たらしいぞ。俺はもう使った」

「ええ、王者の証はもう使った? 覇者はまだなのね~」

「え、何レベルの時に王者使ったの?!」

「75だな。クックさんのとこに弟子入りして間もなくか。覚醒スキルってのが手に入るぜ」

「ほえ~~~……あ? ワイ以外全員条件達成しとるやんけ!」

「あら本当。レイジ早く75なってよ~」

「なってよぉ~」

「無茶いうなや! ワイだけ経験値倍以上にせんと無理や!」


 レイジ以外は全員王者の証使えるっていうか、ハッゲはもう使ったんだぁ!? ぐ~僕も使いたいな。王者は足りてるけど今後覇者の方も使うだろうしせめて後3個出さないと、かぁ……? どれ、またダッシュするかな? この階にもう一体出てくるはずだし。とりあえず黄金障壁盾のストックが回復したし、走ろうかな。


「じゃあ早くレベル上げるのに、走ろうっか~」

「おう。早く上げねえとな」

「そういえばハッゲ、レベル上がるの遅すぎない? もう17体も倒してるのに2しか上がってないの~?」

「75からヤバいな、マジで上がらねえ。しかもこれでまだ上がってる方なんじゃねえか?」

「……さっきパーティ組んだけど、リンネちゃん81だったよ~?」

「え゛っ゛」

「さすが、ここの狩りの発見者だな」

「ほえ~半端ないなぁ!」


 リンネちゃん、レベル81なんだ……。絶対覚醒スキルも持ってるし、あのしりょーばくはつとか言う爆破スキルも強いし、このギルドでとんでもなくヤバい存在って実はリンネちゃんなんじゃ…………。


「で、で、出たで!!?」

「赤いよお昼寝~!」

「お、やべえ! 即死ビーム持ちじゃねえか」

『ギュァアアアアアアアアアア!! ギュァアアアアアア!!!!!』


 鳴き声が警告音っていうか、サイレンみたいな奴だなぁこいつ!? うわ、口開けながらこっちに来てる、なんか光ってる……。あれがもしかして、リンネちゃんの言ってた【クリムゾンブラスター】ってスキルじゃないかなぁ!? いやでも、僕が受けるしか無いな!?


「へいへ~い、そんなに遠くから吠えてびびってるのかにゃぁ~??」

『【挑発】を発動しました。まっさつしゃーち(Lv,111)が完全に貴方をターゲットにしました!』

『まっさつしゃーち(Lv,111)が【クリムゾンブラスター】を発射しました』


 うわ来た、撃ってきた! 3秒以内に終わってよね?! 頼むよ~!!?


『【黄金障壁盾】状態になりました。3秒間全てのダメージを1にし、全ての状態異常を受け付けません』

『まっさつしゃーち(Lv,111)から合計50ダメージを受けました。即死効果は無効化されました』

「耐えたぁ!!」

「突っ込んでくるで!」

『レイジが【乾坤一擲】状態になりました。次の一撃が強力になります』

「スクリューアタックの予備動作は一緒だ!」

「タランテラ継続で大丈夫!? え、大丈夫だよねえ!?」

「そのまま幻影に踊らせといて~~!! いくぞぉっ!!」


 耐えた、そしてクールタイムは流石にあるか、突っ込んでくるねぇ! でもこの予備動作はハッゲが言う通りスクリューアタックの時と同じモーションだわ。なら、相殺狙えるかもしれない。やってみるか~!


『【黄金障壁盾】状態になりました。3秒間全てのダメージを1にし、全ての状態異常を受け付けません』

『【スクリューアタック】を発動しました』

『ギュアアアアア!!!! ギュァアアアア!!!』

『まっさつしゃーち(Lv,111)が【スクリューアタック】を発動しました』

「威力相殺!!! まっさつしゃーち(Lv,111)の【スクリューアタック】と威力が同格です!」

『【黄金障壁盾】が解除されました』

『ギュァアアアア!』


 よし、相殺出来た! あ、やば、もうクリムゾンブラスター撃てる系、それ? チャージしてるよねぇ、そのピカピカしてるやつ!?


「っらぁ!!!」

『ハッゲが【ミンチ!】を発動、まっさつしゃーち(Lv,111)に1ダメージを与えました】

「かってえ……! 打撃耐性貫通でこれかよ」

「口ん中ぁ弱点やろ!! 光っとるんは弱点やて相場が決まっとるんや!!」

『レイジが【牙突一閃】を発動、Weak!!! まっさつしゃーち(Lv,111)に64,127ダメージを与えました』

『まっさつしゃーち(Lv,111)が【クリムゾンブラスター】の発射に失敗しました』

『ギュァア、ギュアアアアア!!!!!!!!!!!!』

「まだ死なへんのか、嘘やろ!?」


 レイジに攻撃力バフがかなり乗ってるはずなのに、これで死なないのは辛いなぁ! 弱点閉じちゃったけど、クリムゾンブラスター発動の為に止まったのは悪手だよねえ君、ねえ!


「ほぉれ、食らえ~!」

『【ブリーディングスラッシュ】を発動、まっさつしゃーち(Lv,111)が1ダメージを受けました。重篤な出血状態になりました。超毒による身体破壊状態になりました』

『まっさつしゃーち(Lv,111)が超毒により死亡しました。経験値 7,999,999 獲得』

『周囲から悍ましい気配が消滅しました……』

『レベル76に上昇しました。おめでとうございます!』

『ハッゲがレベル78に上昇しました。お祝いしましょう!』

『レイジがレベル74に上昇しました。お祝いしましょう!』

『レイジがレベル75に上昇しました。お祝いしましょう!』

『エリス・マーガレットがレベル76に上昇しました。お祝いしましょう!』


 お? おお? 死んだ死んだ! って経験値凄いなぁ!? いやぁでもこれ、普通なら初手で全滅もあるわ……。弱点以外ダメージ1だし、知らなければさつりくしゃーちと同じタイプって思い込むよ、これは酷いねぇ……。


「うぉ~~!! 75行ったでぇ!?」

「行った行った~……この死体、どする?」

「お昼寝、さっきの黒いのと交換したらどうだ?」

「それがいいんじゃな~い? こっちはお溢れをちょうだいしてるだけだし~」

「じゃ、僕が貰おうっかな~」

『【死体安置所】に【まっさつしゃーち(Lv,111)】を納棺しました』


 お~……。いいね、最高最高……。予想以上にレベルが上がったし、想像以上に収入が凄い……。それに宝箱も、宝石のついた宝箱!! おーいいねぇ!


「ほな、はよこれ開けてや!」

「あ~け~て~♪」

「おう、お昼寝が開けなきゃならんだろ、これは」

「開けちゃうよ~? 開けちゃうよ~~??? ぱんぱかぱ~ん!!!」


 さあさあ御開帳! この派手な箱の中身はなんじゃろな!?


『【?本(虹)】を獲得しました』

『【?本(虹)】を獲得しました』

『【?本(虹)】を獲得しました』

『【?本(虹)】を獲得しました』

『【覇者の証】を4個入手しました』


 なぁにこれぇ……。いや、本だらけなのはちょっと聞いてないかなぁ~~…………。


「本しかないんだけど……あ、覇者の証4個あるから、全員分じゃない?」

「お、均等に分配出来るな。やったぜ、王者もあるもんな」

「賛成~! にしても本かぁ~……。誰も魔術職いないよ~」

「武術書か戦術書の可能性もあるやろ。まだ諦めるには早いで!」

「そだね~……じゃあもうこれ以上は装備が持ちきれるか心配だし、ボス直にしちゃう?」

「どうせなら後3匹って言いてえけど、持ちきれねえ可能性が出てきたな……」

「ん~~経験値がぁ~~」

「ほな、ワイが要らん重い手持ちの装備捨てるわ。それで持ちきれるやろ、3匹狩ったろうや!」

「良いのか? じゃあ後でレイジにいくらか補填してやんねえとな」

「かまへんかまへん! 前使ってたナマクラとプレート系の防具や、これ捨てれば入るやろ」

「ごめんねレイジ~。おねが~い」

「ありがとレイジ~!」

「むしろ持ってきたんが間違いやったなぁ! まあ、ダメージ受けるかも知れへん構成やから、心配やったからなぁ」

「仕方ないね~。動き優先の布装備か、防御優先のプレート装備かで使い分けも大事だし」


 ん~とりあえず、残り3匹のシャチも狩ってからボスに行こうか~……! それにしてももう75皆超えた、本当にこの狩りは最高だわぁ~。改めてリンネちゃんに後でお礼言っておかないとね!! 情報ってのは本当、武器にも財産にもなって最高だぁ~……。情報共有は大事だねぇ……相殺のシステム、後で教えてあげよーっと。

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