うみのどーくつダンジョン・7 ~上を知ってしまった弊害~
◆ うみのどーくつダンジョン【ボスエリア】 ◆
ダメージログを見て気がついた。
『どん太が【爆滅二段掌】を発動、黄金の右足が炸裂! クリティカル! ヤバイカ(Lv,60)に合計18,884ダメージを与え、撃破しました。経験値 16,650 獲得』
『どん太が【爆滅二段掌】を発動、ヤバイカ(Lv,60)に8,994ダメージを与え、撃破しました。経験値 16,650 獲得』
どん太は爆滅二段掌を両方の足で使えるんだけど、前者が右前足で出した時のダメージで、後者が左前足でペチペチした時のダメージ。なんと、倍以上違うんですねぇ……。クリティカルダメージが凡そ50%伸びて、クリティカル率も高くなってる。多分防御力とかも若干貫通してる気がする。多分だけど。もうこれはサッカー選手じゃなくてボクサーになるべきね。ハードパンチャー過ぎるわ、どん太。
「では、作戦ですわね。相手が遠距離攻撃や魔術主体ならわたくしが前に、直接攻撃主体ならどんちゃんが前に出ますわ」
「私は一番うしろ~。隙を見せたら、撃つ」
「巻き込みに注意して、ミュートブリザードを撃ちます!」
「入る前にバフを全部積みます。ボーンシールドをクールタイム毎に撃ちます」
『わおわおっ! わうっ! (やっつける! やっつける!)』
そんで、作戦はこんな感じ。いつも通りって言えばいつも通りだけど、ここのボスと言えばあのシャチ二匹が印象に強いから、これ以上ってなると……何が出るんだろう? クジラってシャチに食べられるって聞くし、正直海の最強生物ってシャチなんじゃないの? もしかして、シャチ系の奴が出てくるのかな?
「では、行きますわよ!」
「楽しみ~~……」
「楽しみですね!」
「頑張って倒します!」
『わうっ!!! わうわうっ!!(やっつける! やっつける!!)』
『ボスエリアへの転送ポータルが起動しました。30秒後に転送します』
「沈め、ネガティブオーラ」
『パーティメンバー全員の全ステータスが+40されました』
お? ついにネガティブオーラのステータス上昇量、表示されるようになったじゃん! 3分間+40はデカいね?! あ、今までも上昇量をステータス画面から確認すれば見れたのか……。レベルの半分って認識でいいのかな?
「リンネさん、ボーンシールド!」
「あ、阻め、ボーンシールド!」
「ありがとうございますっ」
「ちょっとネガティブオーラの効果量が見えるようになって感動してた、ごめんごめん」
「そういえば今表示されましたわね。40は大きいですわね~」
「レベルの、半分?」
「ですかね~?」
『転送カウントダウン、5……4……』
「さあ、行きますわよ!」
「お~~~~」
わ、考え事してたらあっという間! さあ何が出る何が出る、何が出てくるんでしょうか!
『1……0。転送』
おおっ……。このエレベーターの下降中みたいな感触、テレポートした! あれ? ここ、普通にいつもの海の大部屋じゃん……。ボスも探しに行かなきゃいけないタイプ?
「あ……。あ……!」
「うそ、冗談じゃないの」
「え? ボス、どこですか? 上? うえええええ?!?!?!」
「なななな、なんですか、これっ?!」
『わおぉぉぉおおん?!?! (なにこれーーー美味しくなさそうー?!)』
なんだ、これ。世界観どうなってん…………?!
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【エネミーサーチ】を発動しました』
暴走した、グレート、ホエール号……?! 機械だ、クジラ型の潜水艦だ!! どん太の10倍以上? もっと?! すごい、デッカイ!!!
『H-A-L-L-O? Good bye! :D』
うわ、システムメッセージになんか、送られてきた……。いやこれ、さっきのエネミーサーチで見つかったって演出ってこと?! じゃあ、これから攻撃されるじゃん! やばい、まだ距離があるのに!
「リアちゃん逃げて! どん太、レーナちゃん先輩拾って!」
『わうっ! (ちょっと咥えて背中に投げるよ!)』
「わぁ~~~~~」
「え?! わたくしは?!」
「ペルちゃんはアイギスでなんとかして?! 深淵よ、我が道となれ。アビスウォーカー!!」
『【アビスウォーカー】状態になりました。魔術攻撃時NPを消費する状態になりました』
どん太の影に一旦退避、このままじゃマズい、ここに立ち止まってるのは絶対に良くない、そんな気がする!
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【クリムゾンブラスター】を発射しました』
『ペルセウスがダメージを無効化しました』
「――――ひっどい初見殺しですわ~~~!?」
うわ、うわうわ……。まっさつしゃーちが撃ってきた赤いビームより、もっと極太のビーム撃たれてるよペルちゃん……。アイギスで防げるやつじゃなかったら、今頃塵も残ってないね……?!
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【熱排気モード】になりました』
「ここ、チャンス」
『07XB785Yが【クイックドローショット】を発動しました』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が557ダメージを受けました』
「硬っ……」
熱排気モードになって動かなくなったけど、全然ダメージ通ってないですね?! これは、あの外装甲を剥がさないとダメージにならないってこと? 呪いは、通らなそうだけど……。どん太が近づいてくれたし、射程距離だ。やってみよう。
「穿て、カーススピア!」
『NPを消費し、カーススピアを発動。暴走したグレートホエール号(Lv,75)に100ダメージを与えました。機械系モンスターに呪いは効果がありません』
あ、ご丁寧にどうも~……。機械系モンスターに呪いは効かない、かぁ……。だよね、硬いだけでダメージ1族ではないもんね。
「
じゃあこれは? リアちゃんのミュートブリザードは、痛いぞ~……!
『オーレリアが【完全詠唱・
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が30,550回復しました。冷却が完了しました』
あああああああああああ!!!! 水属性吸収?! しかも冷却終わったァーーーーー!!! 最悪も最悪じゃん、これは酷い!!!
「リアちゃん、水は効かないみたいだよ!」
「ご、ごめんなさい!」
「熱に弱い。でも、火は使えない。最悪」
「ルナ、サンダーボルト!!」
「んにゃぁ~」
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が爆雷ハリセンボンを投下しました』
『爆雷ハリセンボンに通電! 爆雷ハリセンボンが爆発しました!』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が50,000ダメージを受けました』
『航行システムにトラブル発生』
えっ! なんてタイミングで当たってんの……って! かなりダメージ通ってる……? あれ? ひょっとして、ギミックタイプのボス……なのでは? いや、たまたま? 偶然ダメージが通っただけ? でもシステムにトラブル発生ってメッセージ、多分何かは異常が起きたはず!
「かなり、ダメージ入った」
「入りましたね……。もしかして、敵の攻撃を利用して攻略するタイプだったり?」
「浮上していても、そのぐらいなら届きますわよ~!! ハイパースラーッシュ!!」
『ペルセウスが【魔大剣・ハイパースラッシュ】を発動、暴走したグレートホエール号(Lv,75)が800ダメージを受けました』
「んーーーー!!! 手応えが薄いですわっ」
ダメージが通るには通るんだけど……。硬い、硬すぎる……。
「また何か来ますわよ!」
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)がヤバイカミサイルを発射しました』
「……あれ、全部、ヤバイカ?」
「いやいやいやいや、20発ぐらい来てますよ?!」
『わううぅぅ~~~?! (当たったら痛そう!)』
「わ、わ、わ!」
『ペルセウスがヤバイカミサイルに直撃しました【ペネトレイト】状態が解除されました』
「10ヒットもしますわ~~~このヤバイカ~~~!! アイギス!!!」
『ペルセウスが【ペネトレイト・10】状態になりました』
「ばーん」
『07XB785Yが【クイックドローショット】を発動しました』
『クリティカル!!! Weak!!! ヤバイカミサイルを破壊しました』
『クリティカル!!! Weak!!! ヤバイカミサイルを破壊しました』
『クリティカル!!! Weak!!! ヤバイカミサイルを破壊しました』
「ふぅ~……」
すんっごい追尾能力の高いミサイル撃って来てるんだけど! ペルちゃんはアレに当たるとアイギスが一発で剥がれるみたいで、レーナちゃん先輩がペルちゃんに飛んでったミサイルを全部撃ち落としてくれた。後はこっちに飛んできてるミサイルを、なんとか出来れば……!
『アビスウォーカー状態を解除します』
「よいしょっ!」
「わ、いきなり出てきた。びっくり」
とりあえず、レーナちゃん先輩と私でどん太に相乗り。影の中から魔術撃ってたら、NPが無くなっちゃうし……。
「沈め、ネガティブオーラ!」
『どん太、07XB785Yのステータスが+40されました』
「ばふりん~」
『わんっ! (後ろの、どうしよう!)』
「んーーー! どうしようか!」
「あ、クジラ、降りてくる」
『航行システムエラー。システム復旧まで浮上出来ません』
「チャンスじゃない?! どん太、アレにタックルしたれ!」
『わんっ!!!』
バフを掛け直して、ヤケクソどん太タックルで攻撃してみよう! 後ろのヤバイカミサイル、追尾能力は結構あるけどそこまで速度はない。追いつかれなければ当たらないし、どん太にはほどほどのスピードで走って貰ってる。でもこれをプレイヤーが避けるってなると、辛そうだなぁ……。
『どん太が【魔狼身弾】を発動、Weak!!! 暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計4,400ダメージを受けました』
『腹部・左の装甲が軽微な破損状態になりました』
「おっ……!?」
「ミサイル、来てる」
「どん太、引き付けて避けろ!」
『わんっ!! (わかった!)』
どん太のドッペル付き魔狼身弾で2,200ダメージが2発、打属性が弱点っぽい? 腹部左側の装甲がぐちゃってなった! そしてこれよ、追尾能力はあるけど旋回能力は微妙なこのヤバイカミサイルをギリギリで避ければ……!
「今っ!!」
『わうんっ!!!』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)がヤバイカミサイルで自爆しました! 4発着弾!』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計40,000ダメージを受けました』
「私のも、あげますっ!!」
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)がヤバイカミサイルで自爆しました! 2発着弾!』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計20,000ダメージを受けました』
『腹部・左の装甲が完全に破損しました』
これだ、通常の攻略方法はギミック攻略っぽい! こっちのレベルが高くて、微妙にダメージが通ってるから判断に迷ったけど、これが正解っぽいね! わざわざ専用メッセージがあるぐらいだし、多分そう!
「どん太、ぶちかましてやりな!」
『グァアアア!!!! (右足あたっく!!)』
『どん太が【爆滅二段掌】を発動、クリティカル! Weak!!! 暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計22,900ダメージを受けました』
『2COMBO! どん太が【斬滅】を発動、クリティカル! 暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計7,200ダメージを受けました』
『3COMBO! どん太が【爆滅二段掌】を発動、クリティカル! Weak!!! 暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計26,500ダメージを受けました』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)がウツボバズーカーを発射しました』
『ガウァアアアア!!! (金剛!!)』
『どん太の【ボーンシールド】状態が解除されました』
『どん太が【金剛】を発動、頭部を硬化させて50ダメージに抑えました』
どん太、強いな……。でも、私達を乗せてるの、軽く忘れて殴り掛かってるよね? 君……?
『【ボーンシールド】状態が解除されました』
『3,000ダメージを受けました』
『07XB785Yの【ボーンシールド】状態が解除されました』
『07XB785Yが3,000ダメージを受けました』
「いったぁぁ……!!」
「痛い~~~……」
私、残りHP1,000強。レーナちゃん先輩、残り3,900弱……。そのバズーカーね、範囲攻撃みたいだよどん太くん……。
『くぅぅん……(ごめんなさい! 忘れてた!)』
「一旦引くべき」
「あのバズーカー、まだ撃ってくるよ!」
「私があの砲台を壊します!」
どうしよ、効率的にHPを回復するにはMP消費をすればいいんだけど、クールタイム全体的に重いし、一気に回復できるのは…………あっ! 装備スキルの【黒ノ雨】、MP4,000も使うじゃん! HP8,000、全回復だよ全回復! 2倍も回復するわこれで! 回復しすぎね!
「えっと、発動ワードは……夜よ、泣き喚け! 黒イ雨!」
『黒イ雨が降り注ぎます…………周囲が夜になりました』
『MP使用時、同量のHPを消費します』
『07XB785Yが毒状態になりました』
『07XB785Yが発狂状態になりました』
『07XB785Yが恐怖状態になりました』
『07XB785Yが石化し始めました……』
「うわうわうわ、やばいやばい!?」
「――――」
こ、これ、ヤバい! 状態異常耐性がないと、味方も敵も関係なく巻き込んじゃう!! マズい、リアちゃんの近くに飛ばないと!!!
「深淵よ、我が道となれ。アビスウォーカー!!」
『【アビスウォーカー】状態になりました。魔術攻撃時NPを消費する状態になりました』
「わっ?! お姉ちゃん、ほうきに二人はちょっと重いかもですっ!」
「ご、ごめん! でもレーナちゃん先輩が!」
「あ、あれはマズいですね……」
「なぁ~お」
これは、自分でこっち側を苦しめる展開にしちゃったかな……。あれ? そういえばリアちゃん、効かないの? この黒イ雨……。
「このままだと私、魔術撃てないかもですっ!」
「あ、あああ~~~……どうしよう」
『07XB785Yが【万能薬】を使用しました』
『07XB785Yが全ての状態異常を解除しました』
あ、レーナちゃん先輩……。すみません本当に、お手数掛けます……。
『07XB785Yが【スナイピングショット】を発動しました』
『クリティカル! 暴走したグレートホエール号(Lv,75)が30,300ダメージを受けました』
『ペルセウスが【魔大剣・ハイパースラッシュ】を連続で発動、暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計12,000ダメージを受けました』
『ペルセウスがウツボバズーカーを無効化しました』
あ、二人揃ってギッタンギッタンに殴り始めた……。そういえばシステムエラーは復旧出来なくなった? 浮上しなくなったし。腹部の装甲が壊れて浸水して上がれないのかな? もしかしてこのまま押し切るのでは……?
「かったいですわねぇ~~!!!」
「硬いだけ。撃ってりゃ終わる」
『わおわおっ!!! (殴れば倒せるよ!)』
『ペルセウスが【魔大剣・ハイパースラッシュ】を連続で発動、暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計12,000ダメージを受けました』
『07XB785Yが【デッドエンドショット】を発動しました』
『クリティカル! 暴走したグレートホエール号(Lv,75)が80,000ダメージを受けました』
『ペルセウスがウツボバズーカーを無効化しました』
『ペルセウスが【魔大剣・ハイパースラッシュ】を連続で発動、暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計12,000ダメージを受けました』
わーわーもう止まらないよあの人達……。そうだよね、動けなくなったデカブツとか、ただのサンドバッグみたいなもんだよね……。うわうわうわ……。ギッタンギッタンだよ……。
『どん太が【爆滅二段掌】を発動、クリティカル! Weak!!! 暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計23,200ダメージを受けました』
『2COMBO! どん太が【斬滅】を発動、クリティカル! 暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計7,000ダメージを受けました』
『ペルセウスが【魔大剣・ハイパースラッシュ】を連続で発動、暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計12,000ダメージを受けました』
『07XB785Yが【クールタイムリセット】を発動しました』
『07XB785Yが【デッドエンドショット】を発動しました』
『クリティカル! 暴走したグレートホエール号(Lv,75)が80,000ダメージを受けました』
『ペルセウスが【魔大剣・ハイパースラッシュ】を連続で発動、暴走したグレートホエール号(Lv,75)が合計12,000ダメージを受けました』
『暴走したグレートホエール号が爆発します! 退避してください!!』
うわ、倒しよった……!! え、マジで私今回ただただ足を引っ張っただけじゃない?! 戦犯だぁ……。うぉーーーーん…………。
「せめてこれだけ……。阻め、ボーンシールド」
『パーティメンバー全員が【ボーンシールド】状態になりました』
『ペルセウスの【ペネトレイト】状態が解除されました』
『ペルセウスの【ボーンシールド】状態が解除されました』
『ペルセウスが【ペネトレイト・10】状態になりました』
『どん太の【ボーンシールド】状態が解除されました』
『どん太が【金剛】を発動、背中を硬化させてダメージを2,000に抑えました』
あ、どん太がレーナちゃん先輩をお腹の下にして庇ってくれた。偉いぞ……! それにしても、金剛のカット率が凄いように感じてたんだけど2,000も食らってるってことは……この自爆、とんでもないダメージだな?! そしてこのクジラ、初見殺し多すぎね?!
「た、助かりましたわ……。15ヒットしましたわ……。途中でボーンシールドが無かったら、消し炭になってましたわね……」
「状態異常、うっかりポンコツ~」
「はぐっ……! すみません、レーナちゃん先輩……」
「死んでないから、ヨシッ」
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が破壊されました。経験値 0 獲得』
『MVPは07XB785Yです』
レーナちゃん先輩、本当に申し訳ないです。スキルの性能確認忘れなのに発動は、うっかり過ぎました……。まさかあんな爆速で状態異常を振りまくスキル、しかもMP消費時にHPを同額消費とか、なんですかこれぇ……。迷惑スキル過ぎる……。
『わおわおわお~~! (倒した倒した! 最後危なかった!)』
「私、今回全然役に立たなかったです~……」
「序盤で水属性が吸収ってわかっただけでも、大収穫でしてよ! 終盤で回復されたら目も当てられない!」
「多分、ギミックタイプ? 色々噛み合った、奇跡的に」
「MVPは、黒猫のルナちゃんですわねぇ……」
「あの通電が無かったら、わからなかった。えらいね、にゃんこ~」
「んなぁぁ~お」
「……お姉ちゃんも私も、従者のほうが役に立ってますね」
「リアちゃんを役立たずにした原因、私だけどね! 本当に、申し訳ありませんでした!!」
「黒イ雨、だったかしら。範囲状態異常スキルですから、わたくしは効かないですわね。アイギスが起動していればですけど」
「私も、多分……。ボス属性だからでしょうか?」
『わんっ! (効かない! ボスだよ!)』
「…………私だけ? 状態異常、耐性ない」
「普通はありませんのよ……」
「確かに」
でも、良かった……。全員生きてボス戦終われた……。まさかクジラ、しかも機械系だとは……。予想外だったわ~……。
『おめでとうございます! うみのどーくつダンジョンを踏破しました!』
『パーティメンバー5人によるクリア。3人分のハンデボーナスがボス討伐報酬に加算されます!』
『ボス討伐報酬が出現しました! 宝箱を4個まで選択することが出来ます!』
お? おおっ! そっか、ボスを倒したら宝箱! え~何々?! 4個も宝箱貰えるの~!? 超嬉しいですねぇ?!
「…………木、木、木、木」
「銀、木、木、木、木ですわ……」
「あ! あっちに、赤と金色のがありますよっ!」
『わんっ?! (赤いの、食べ物ある?! お腹減ったよ!)』
「赤と、金と、銀と、どの木にします……?」
「「「…………」」」
「どれでもいっか、木ですし」
「そうね、そうねぇ……」
「木、適当にこれでいい? はい、ぱんぱか~」
「うわ雑ですわね?!」
『【?剣】を獲得しました』
『【?槍】を獲得しました』
「これ錆ロンソと、折れ銛でしょ……」
「そんな予感しかしないぃぃ……」
うーん、せっかくのボス報酬なのに、金シャチの宝石箱があったせいで、霞む……! 隠しボスのレアモンスターと、表ボスの通常報酬じゃ……こんなもんかなぁ……。金があるだけ、マシ?
「はい赤。ぱんぱか……あっ」
「あっ! ソーセージですわよね?!」
「ソーセージ、5本もある!」
「これをソーセージボックスと命名しまぁぁす……。ひとり、1本?」
「ですわね! どんちゃん、ちっちゃいけどありましたわよ。ソーセージ!」
『わうっ……わんっ! (ちっちゃい~……でも、いただきまーす!)』
「じゃあ、私も……」
「わ、私もっ! いただきますっ!」
『★まっかなおさかなのソーセージを獲得しました』
おお、これがどん太の愛するまっかなおさかなのソーセージ……。人間用の、小さいサイズだ。これなら問題なく食べ切れるね! いただきまーす!
『ステータスが微増しました』
『VITが+4上昇しました』
「VITが4上がった!」
「わたくし、STRが4上がりましたわ」
「私はAGI~~4あがった~」
「MAGが4上がりました!」
『わう? (上がらないよ?)』
「……どん太には、小さすぎたようね」
おー、上がった上がった。どん太には小さすぎて上がらなかったのかな? とりあえずランダムにステータスが4上昇するアイテムだったっぽいね。これ使いまくったら無限にステ上がるのかな……? あ、情報ウィンドウ開きっぱなしだった。どれどれ?
【★まっかなおさかなさんソーセージ】(料理・レジェンダリー)
大人気商品、まっかなおさかなさんソーセージ! 全部食べきれば、強くなれるぞ! 開封後はお早めにお召し上がりください。
加工不可・完食時ランダムでステータス上昇(各種1回のみ)・開封後制限時間10分・重量0.1kg
ああ~……。6回食べると全ステ+4されるのね……。どん太はもしかしたら、上位のソーセージで上がる分が全部上がってるから上昇しなかったのかも。
「後5回は食べたいですわねぇ……」
「んっ……また来よ」
「じゃあ帰りましょう!」
「え? 銀と金の! 開けてないよ!」
「…………忘れてた」
「うっかりですわ!?」
「宝箱は、命より重いはずだったのにっ」
「「「宝石箱限定」」」
「あ、皆さんもう、金じゃ満足出来ない身体に……」
ほいじゃ、忘れられかけてた金宝箱と銀宝箱あけて、さっさと帰ろ……。ん~~……。本当は飛び跳ねるほど嬉しい功績のはずなんだけどなぁ~~~!!! イマイチ、イマイチだよねぇ!
「はい、ぱんぱか」
「ぱ~んですわ~」
「うわ雑ゥ……!」
「銀なんてこんなもん、あ、回収お願い~」
「回収お願いしますわ~……」
「大したものが出てなさそうな時の反応……!」
銀も金も、雑に開けられてしまった……。もう戻れないんだよね、宝石箱を知ってしまって……。わかる、わかるよ……。
『【?盾】を獲得しました』
『【?家具】を獲得しました』
『【?剣】を獲得しました』
『【?斧】を獲得しました』
『勝者の証を獲得しました』
『王者の証を獲得しました』
うわ、ショッボ…………。これがボス報酬だなんて、しかも2箱分だなんて、信じられない……。金シャチ狩りたい……。金シャチまた、食べたい……。☆4まっさつしゃーち、アンデッド作成で起こすべきか、フェティッシュ化すべきか……!? ああっ?! そういえばこのボス、機械だし爆散したから納棺出来てない!! がぁぁあああ~~~~つくづく旨味がないぃぃいいい…………!!!
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