うみのどーくつダンジョン・5 ~そんなのって、ないよ~
◆ 【うみのどーくつダンジョン【7階層】』 ◆
『【?剣】を獲得しました』
『【?鈍器】を獲得しました』
『【?本】を獲得しました』
『【王者の証】を獲得しました』
「あ、3個目出た! 王者の証!」
「はぁ~~……。良かったですわぁ~……!」
「んっ!! よきっ!」
さつりくしゃーち19体目にして、ようやく3個目の王者の証が出た……。いや、本当に良かった。本当に、ほんっとうに良かった……!!! まさかこんなに早く必要になるとは思わなかったから助かった。
「じゃあ、これは私が貰います!」
「ええ、どうぞどうぞ」
「ど~ぞ~」
「良かったですね、お姉ちゃん!」
『わうっ! (良かった? 良かった!)』
なんでこれが必要になったかって? レベルが75になっちゃったからだよ!!! レベル75になった途端に『あんたたち、早くなぁ~い?!』ってバビロンちゃんに驚いて貰えて、そうしたら『ちょーっと私の予想より早い到達だけど~? 覚醒スキルを授けても良い頃合いよね~♡』って! わぁ~やった~覚醒スキル?! 絶対強いじゃ~ん! なんて喜んでたら『じゃあ、王者の証を手に入れたら、私のあげた呪物に捧げなさぁ~い?』…………ここで、一気に青ざめた。
そう、王者の証はどん太に与えてしまった!!! しかしドロップしてる王者の証は7体討伐時点で2個、私はどん太に勝手に与えたからペルちゃんとレーナちゃん先輩に譲って、更に1個出たら貰うって約束で進んでたら……7階層まで来ちゃった。そうなんです、合計19体も掛かっちゃったんですよう!! コイツら1階層辺り3体までしか出てこないのよ!
「それにしても、アレが低確率で出現って! 結構確率高いんじゃありませんこと?!」
「ぜったい2桁パーセント、あるよね」
「本当に……。覇者で代用させて欲しかった……」
ちなみに、覇者の証が今1個余ってる。そうです……。3階層の2体目、追いかけてきたのは赤いボディのアイツでした……。まさか出てくるなんて思ってなかったんで、全員油断してて1回ぶっ殺されて本当に焦った。ハッゲさんのタフなサメバーガーの効果のおかげで、HPが0になった瞬間にHP半分で復活したから助かった……。本当に、本当に感謝です、ハッゲさん。
なお宝箱、金。残念ながら宝石箱じゃなかった。ステータスの上がるソーセージも入ってなかったし、虹枠アイテムも1個しか入ってなかった。出たのは虹が【?服】で、他に【?家具】、そして【覇者の証】の3つだけ。あの時はほんっとうにレアドロ中のレアドロって感じだったんだなぁってしみじみ感じた……。
「覇者の証、絶対に後でまた要求されますわ。絶対来ますわね!」
「ん……。3個、欲しい……。全部の装備より、こっち欲しい……」
「あの、ごめんなさい! そんなに、貴重なものを……」
「大丈夫でしてよ
「そー。いいのいいの。それに、どうせ必要だってわかってても、つかった~」
「うちの子達がドカ食いして、申し訳ないっ……!」
「大丈夫、何も問題ありませんわ!」
「そーそー。のーぷろぶれむ」
「みなさん……っ! ありがとうございますっ!」
「
「はわ……っ」
『わんっっっ!!!! (いいこいいこ、して!! なでなでして~~~)』
「お前は私がしてやろうね、ほれ、ここか、ここがええんか」
『わうぅぅ~~~~♡♡♡』
「ん~……! おっきいワンコですわ、何回見ても……」
ところで、オーレリアちゃんの愛称はリアちゃんになった。レーナちゃん先輩が『リアちゃん、リアちゃんっ、リアちゃ~ん』って呼ぶし、オーレリアちゃんも愛称を付けて貰って喜んでたので決定だ。ちなみに皆が大体愛称で呼ばれてるのに、自分は愛称が無いのがちょっぴり寂しかったらしい。愛称で呼んで欲しいな~って言い出せないでソワソワしてるところがリアちゃんらしくて可愛いね……! わかる、私も言えない派だよ!
「……ところで、空きある~?」
「わたくし、もうインベントリに空きがありませんわ!」
「装備出過ぎ~……。こんなの、普通あり得ない、最の高……」
「私も1枠しか無いかな。今後何か出ても拾えないかも」
「じゃあ、8階踏んで、帰る?」
「ええ、そうですわね! 帰りましょう!」
「8階に続くポータルは、あちらでしたねっ!」
「よく覚えてるね~リアちゃん。どこ見ても海、海、砂、砂、たまに海藻、岩、サンゴ! って感じで見分けつかないよ」
「えっへへ……。覚えるのは、得意なんですっ」
「じゃあ8階行って、外出て、ギルドハウスに帰って、覚醒スキル貰おう~」
「そうですわね! そうしましょう!」
「お~……。あ、ポータル発見」
そんなわけで、今回の狩りはここまで。【さつりくしゃーち】を19体、【まっさつしゃーち】を2体、レベルは驚きの79まで上昇! レーナちゃん先輩もレベル76になったし、どん太はレベル42、リアちゃんはレベル33まで上昇した。なんという超効率的な狩り……。シャチ美味しい。シャチ最高……。赤いのは怖いけど、6倍以上美味しいからアレも最高! 虹落とせ!!
覚醒スキルを貰うのは、どうやら【王者の証を捧げる】のコマンド選択が街でしか出来ないみたいなんで、ギルドハウスでやることに。
『うみのどーくつダンジョン・8階層に到達しました』
『強敵の気配がします。準備をしてください』
『準備が出来次第、ボスエリアポータルにアクセスして転送してください』
え、ここでボスエリアなの?! そんなのって、ないよ~…………。いや、無理です。帰るんで。すみません帰ります。
「あれっ……。洞窟の中、ですね……?」
『わう?』
「ど、どうします……?」
「帰る~。拾えない~またあした~」
「帰る以外ないよ~。ここ、どこでも倉庫使えないんでしょ?」
「そうなんですの、アクセス禁止になってますわね……。購入前の注意事項にちゃーんと、どこでも倉庫はダンジョン内などの隔離エリアで使用できませんって書いてありましたわ……」
「課金アイテムも万能じゃないんだね~……」
「そ~。比較的楽になるだけ~」
ボスエリアに到着したけど、一転して海の大部屋マップから狭い洞窟の一室みたいなところに飛ばされた。ここで準備をしてボスに挑めってことなんだろうけど、ごめんなさい、ええ本当にごめんなさい。帰ります……。
「ボスだけ、見てく~?」
「見たら倒したくなるからやめておきましょう……?」
「絶対倒したくなる……。そして倒した時、ドロップ拾えなくて絶望する……」
「目に浮かぶ~……。やめとこ~……?」
ボスの姿だけ見ておくかと思ったけど、見たら絶対倒したくなる戦闘狂揃いだからやめておくことに。やっちゃダメってわかってるのに絶対やるだろうし、そしてドロップが拾えなくて泣くことになるし……。帰ろう! 帰るんだっ!!
『リタイアが選択されました』
『リタイアポータルを展開します』
『記録中……。うみのどーくつダンジョン ボスエリア 階層まで到達しました』
『お疲れ様でした。30秒後に自動でダンジョンの外へ転送されます』
「おつ~~。たのしかった~~~~」
「お疲れ様ですわ!」
「お疲れ様です!」
「お疲れ様でしたっ!!!」
『わうわうわぅわんわんっ!! (声真似! どう? 上手い? 上手い?)』
「うんうん、そうだね……」
お疲れ様でした、本当に。そんでどん太は、鳴き声でお疲れ様でしたを再現しようとしたのね。う~ん…………精進しろよ…………。
◆ いつもの【3号室】 ◆
「けっかはっぴょ~~~~~」
「結果発表ですわ~~~~!!!!」
「青いタグが付けてあるのがレーナちゃん先輩の予約のやつで、赤いタグがペルちゃんの!」
「出せ出せ~。ねこばばはゆるさないぞ~」
「出しますわ~~~!! さあ、鑑定して行きますわよ~~~!!!」
さて、ギルドハウスに帰って参りました! 帰ってきたら34人PK事件に黄金の風返り討ち事件の事情を聞いたギルドメンバーの人達から笑われたり茶化されたり。エリスさんからはハグされて『よくやったぁ~~♡』って撫でまくられた。エリスさん、ゆるっとふわっと大人なお姉さんの包容力があって可愛らしい人ですね……。このままちょっと話をしようと思ったら血相を変えて用事を思い出したって出て行っちゃった。何か、重大なことを思い出したみたいですね……。
そんなこんなしてるうちに、どん太とリアちゃんはギルドメンバーの皆と遊んで貰ってたので……。やることをやっちゃおうと! ギルドハウス、いつもの3号室で鑑定大会を開催することに致しました!!!
ところで、未鑑定品に関して軽微な変更アップデートが入ってた。どの未鑑定アイテムもインベントリ内では全て【?】ってアイコンで表示されて、取り出すとどのアイテムも同じ大きさのクエスチョンマークが書かれたボックス形状で出てくるようになった。鑑定しなくてもぱっと見でわからないように、ドキドキ感を損なわないようにっていう配慮らしい! 良いアプデだぁ……。
そして未鑑定装備、アイテムをテーブルにずらーーーっと並べて、テーブルの上を【?】ってボックスがテーブルを埋め尽くす!! これ、ほとんどがボスドロップです!!!! すっごーーーーー!!!! 何個かマップに落ちてた宝箱もあったけど、全部木だったし、そっちは数が少ないからあんまり期待してない。本命はあくまでボスドロップよ!
「何個ありますの? これ……」
「71個~」
「数えるの早いですね?!」
「言われる前に、気になって数えてた~」
その数、驚異の71個。ちなみに鑑定前でも一応タグを付けられて、青いのが虹枠の【?腕輪】でレーナちゃん先輩の予約物。赤いのが虹枠の【?指輪】でペルちゃんの予約。黄色いタグが付いてるのが予約なしの虹枠の【?本】と【?服】。ソーセージはどん太のお腹の中。他は特に分別してない。
「どれから、いく……?」
「虹アイテムは最後ですわよね?!」
「それはそう。ぜったいそう」
「じゃあ、順当に左上のコレから行きますか?」
「行ってみよ~~~」
では、鑑定大会! 開始でーす!!!
『【?刀】は【ナマクラブレード】でした』
『【?アクセサリー】は【壊れた玩具の指輪】でした』
『【?本】は【ドミルデルテの雷】でした』
『【?短剣】は【★止まらない殺戮】でした! おめでとうございます!』
「出た」
「レジェンダリーですわ!」
「おおおお!!!」
早速1個目、超怖い名前してるけどこれは、もしかしたら……さつりくしゃーち専用ドロップかな? 前も殺戮者の頭みたいな感じで殺戮って付いてたのがレジェンダリーだったし、仮にこれをボスレジェンダリー、『ボスレジェ』にしておこう! 心の中で命名した! さて性能はー……?
【★止まらない殺戮】(極上・レジェンダリー・空きスロット3【○○○】)
・スキル【暗器使い】を習得していないと装備できない。
・斬属性攻撃強化(1.2倍+0.0倍)
・突属性攻撃強化(1.2倍+0.0倍)
・直接攻撃時、相手を【重篤な出血】状態にする
・直接攻撃時、相手を極稀に【即死】させる
・非常に軽い
・空き
・空き
・空き
強化可能・重量0.2kg
うーん、強い……。あの時のクローに効果が似てるし、やっぱりシリーズ物だろう。それにしてもこれ、鑑定時には短剣って書いてあったけど装備分類は暗器なんだ。短剣系と見た目変わらない、真っ黒な短剣だけど……。うわ、装備して使おうって思った途端に弾かれた。装備できないってこういうことなんだ……。持つだけしか許されないし、投げて使おうとしてもダメなのね。ほえ~……。
「保留~?」
「保留ですわね!」
とりあえず使える人がわからないし、これは保留。ギルドメンバーで使える人が居たら売ってあげようってことで……。続き!
『【?槍】は【折れた銛】でした』
『【?斧】は【錆びた戦斧】でした』
『【?ほうき】は【ウィッチブルーム】でした』
『【?盾】は【★マル・デ・ウニ】でした! おめでとうございます!』
「見なくてもわかる……」
「ちょっと性能を見たくないですわ……」
「なんだこれ……いやウニだけど……」
『【?クロー】は【サメの歯】でした』
『【?イヤリング】は【真珠のイヤリング】でした』
『【?ネックレス】は【真珠のネックレス】でした』
『【?本】は【海の料理人・3巻】でした』
『【?本】は【嵐のように!】でした』
『【?剣】は――――』
【海の料理人・3巻】がハッゲさん行き決定で、【嵐のように!】は風系の魔術書らしいので魔術師メンバーに寄付。とりあえず今はオーレリアちゃんに読んでて貰ってる。
しかしその後が続かずにハズレ、ハズレ、ハズレ、ハズレ、ハズレの嵐……。全然レジェンダリーも出なけりゃ、ユニークすら出てこない。残り20点までずーーーーーーっとハズレ。コモンとアンコモンの装備が続きに続きまくり。もうだめかーと思ったところで
『【?家具】は【★まっさつしゃーちのぬいぐるみ・実物大】でした! おめでとうございます!』
「うおっ」
「お~~~~~」
「でっかいですわ~~~~!!!!」
出た。出てしまった! 超デカぬいぐるみ第二弾! 今度はまっさつしゃーちの方が出てしまった! これを持ってギルドハウスの3号室から出てきた時の皆の反応が、それはそれはもう笑うしか無かった。全員ぽかーん…………として「赤い」「3倍で動きそう」「ぜったいつよい」「かわいい」「かわいい!!」「2個並べたら最強に可愛い!!!」って大盛りあがりだった。黒い方を占領して寝てるお昼寝さんの横に並べて置いたら『んぇ……?! ふえちゃ……?! ふえ……ふ……んぐ……』って驚いたと思ったら寝直した。可愛い。
「もう残り19個ですのね……」
「レンタル装備が、いっぱ~い」
「そういえば、どうしてレーナちゃん先輩は初心者にレンタルサービスをしてるんですか?」
「え? 売るの、面倒だから。処分してるの。恩を感じて貰って、後からお金貰えたら、ラッキー。でしょ?」
「コモン、アンコモンぐらいのレアリティだと二束三文にしかなりませんの。でも初心者には装備は死活問題でしょう? ですからNPCの店に売っての処分よりも、配ったほうがメリットがありますのよ」
「そー。NPCも、買い取り渋る時があるから、売るのもめんどー」
「なるほど……。そういう理由があったんですね、気になってたから聞いてみたかったんです。なんかスッキリしました、ありがとうございます!」
「んっ……」
レーナちゃん先輩が装備を配ってる理由も聞けた。どうやらコモン、アンコモンの装備はNPCですら買い取りを渋ってくるらしい。NPCとの好感度を落としてまで二束三文にならない装備を買い取ってもらうより、こうして配ったほうが良いってことだった。なるほどねぇ~……。疑問も解消したところで、続き開始!
『――――――(複数がゴミだったので省略)――――――』
『【?本】は【月夜の晩に】でした』
『【?剣】は【クレイモア】でした』
『【?服】は【マーマンスーツ】でした』
『【?イヤリング】は【錆びた鉄のイヤリング】でした』
『【?槍】は【銛】でした』
『【?剣】は【錆びたロングソード】でした』
『【?腕輪】は【手枷】でした』
『【?靴】は【サンダル】でした』
『【?盾】は【★マル・デ・ウニ】でした! おめでとうございます』
「うわ出た」
「うわ出ましたわ」
「うわ出たわ」
『【?刀】は【★
『【?鈍器】は【★ぎがんてぃっくすきれっと】でした! おめでとうございます!』
「「「おおおおおお~~~~~!!!!!」」」
最後の最後で2個も一気にレジェンダリーが出てきた! 【★鯨喰らい】はシャチみたいな柄を思い出させる波紋の刀で凄く綺麗……。【★ぎがんてぃっくすきれっと】はもう、でっかい鉄製のフライパンみたいなやつ。そのまんま。これで料理をしたら、さぞデッカイデッカイ料理が出来上がるに違いない……。
【★
・スキル【大太刀の心得】を習得していないと装備できない。
・斬属性攻撃強化(1.2倍+0.0倍)
・突属性攻撃強化(1.2倍+0.0倍)
・サイズペナルティ無視
・空き
・空き
・空き
強化可能・重量4.0kg
【★ぎがんてぃっくすきれっと】(極上・レジェンダリー・空きスロット3【○○○】)
・スキル【料理の鉄人】を習得していないと装備できない。
・打撃属性攻撃強化(1.5倍+0.0倍)
・打撃攻撃時、相手の打撃耐性を25%+0%無視する
・【超巨大料理】作成可能
・空き
・空き
・空き
――いったい、素材は何で出来ているんだ……? いや、料理の具材の話じゃないんだ。
強化可能・重量10.0kg
「ハッゲ、料理の鉄人持ってる」
「持ってますの?!」
「んっ。料理作ると、レベルが上がるし、スキルも覚える。特殊な職」
「え、実は未発見職なんじゃ……」
「そっ。情報サイト、乗ってない」
「「ええっ……」」
このとんでもない重い上にデカいフライパン、ハッゲさん使えるんだ……。いやたしかに、あの筋肉ならこれを振り回せても不思議じゃないけど。ハッゲさん……。どんどんネタキャラ化してない……?!
「終わっちゃった……」
「まだ、メインがありましてよ!」
「あ。忘れてた」
「メインイベントですよ?!」
「うっかり」
さて、ついにやってきました。本日のメインイベント! 虹枠の【?】アイコンアイテムの鑑定です! おさらいしておくと、【?腕輪】がレーナちゃん先輩。【?指輪】がペルちゃん。【?本】【?服】が決まった引き取り手無しで、ソーセージがどん太の腹の中! ぐぎぎぎぎ……。
「私の~~~!」
「じゃあ、腕輪からですわね!? 行きますわよ~……!」
さあ、どんな装備なんですかこれは! 見せてちょーーーーだいっ!!!!
『【?腕輪】は【★★時を遡る指針・クリムゾン】でした! ミスティックアイテムです! おめでとうございます!!!』
「…………腕時計ですわね?」
「腕時計~~~? でも、ゴシック調なデザイン、好き……これ、良い……!」
「こ、これ、良いですね……!? 凄い好きなデザイン」
「ふふふ~~~……♪」
ミスティックアイテム?! 伝説を超えた、神秘的なアイテムってこと?! うわぁ~~いいなぁ~~~…………!
【★★時を遡る指針・クリムゾン】(極上・ミスティック・空きスロットなし【●】)
・スキル【クールタイムリセット】使用可能
・【さつりくしゃーちカード】クリティカルダメージ50%上昇
――これで君に会えると、信じていたのに……。
強化不可・装備者登録【07XB785Y】・重量0.1kg
単純明快にぶっ壊れてんなこれ。しかも【さつりくしゃーちカード】が刺さってる状態じゃん……。え、こんなことあるんだ……。
「あ、カード刺さってる……。ボスでも、これあるんだ……」
「ボスカードも刺さってることがありますわよ! だから課金でカード剥がしが高いんですのよ……え?! 刺さってますのぉ?!」
「ほら~」
「ふぁぁぁぁ…………!? わたくしのも、刺さってますわよねぇ?!」
ペルちゃんのも、刺さってると良いね……。ではペルちゃんの指輪、行きます!
『【?指輪】は【★★人魚の涙】でした! ミスティックアイテムです! おめでとうございます!!!』
「わぁ……。なんて宝石だろうね……。綺麗な涙型~……」
「…………カード、刺さってませんわ」
「そうそう刺さってる物じゃないんだよ……」
「ぐぎぎぎぎ…………」
「いえ~~~い……」
「どの道ペルちゃん、腕輪じゃ装備出来ないし……」
「あっ……!」
「あ、やっぱりそのガントレット、腕輪なんだぁ……」
ペルちゃんの指輪は、白銀色のリングに見る角度によって色の変わる涙型の宝石が組み込まれたデザインのものだった。左手には装備出来ないから右手に装備して、効果をまじまじを見てる……。どれ、効果見せて貰おう!
【★★人魚の涙】(極上・ミスティック・空きスロット1【○】)
・20%の確率で直接攻撃を完全に無効化する
・空き
――貴方を置いて逝くことを、どうか許して……。
強化不可・装備者登録【ペルセウス】・重量0.01kg
これ、さっきの腕輪とフレーバーテキスト的にセットじゃない? セットだよね? 死んでも尚巡り会えないのか、この装備……。なんっつう、なんかしんみりしちゃう……。っていうか待って? 何? 直接攻撃完全無効化? アイギスがある上にまだ防御性能上がるのこの人……?! ほわ~~~~……。
「つ、強い……」
「強いですわねこれ?! 20%は、強過ぎるでしょう?!」
「アイギス持ちが装備して良い奴じゃないよ、ペルちゃん……」
「ふっふふふ……! この際、カードは何も問題ありませんわ! 強いっ!」
「クールタイムリセット、これ自体のクールタイムが1分しかない~~~……」
「え、それもそれでヤバいですね……」
「さすが、ミスティック装備ですわね!! これはもう、狙って手に入るものじゃなさそうですわ!」
「本も見よ~~~~」
よし次! 次は【?本】だね……。レジェンダリーの本も見たこと無いのに、先にミスティックの本を見て良いんじゃろか。良いのか。じゃあ、見てみよう……。
『【?本】は【★★龍言語辞典】でした! ミスティックアイテムです! おめでとうございます!!!』
あ……? 龍言語辞典……? へ……?
「龍言語辞典があっても……話す相手が……」
「居ないですわね……ハズレミスティックなのでは……?」
「ア……ア……」
そんな、嘘でしょう。どうしてこんなことをするんですか…………。あの時、リアちゃんから龍属性を消さなかったら、龍魔法を覚えさせてたら、ドラグナー・ウィッチにしてたら……うご、おご……ごばっ……!!!!
「あ、た、倒れた……」
「ちょっとリンネさん?! なんで、倒れ…………あ、ああああああああああーーーーーー!!!!! 龍言語!!!!????」
ちょっと、この後【?服】を鑑定して、そしたら覚醒スキル貰いたかったんですけど、ごめんなさい、傷心……。少し、ダウンします…………。あああああああああ……………………そんなのって、ないよぉぉぉぉぉぉぉぉおおお…………。
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