第18話
1分ほどで残っている受験生は10人になっていた。
あるものは防御魔法で、あるものは自分で風の道を作って、あるものは地面の中に隠れて。
正味1分半程度で一次試験のほとんどが終わってしまった。
ジャック「これすごい枚数だけど」
アリーユ「教員さん、5枚以上渡しても問題ないわよね?」
教員「えぇ、問題ありません。これでよろしいですか?」
アリーユ「それじゃこれ全部お渡しします」番号札は全部で487枚。
ジャック「それじゃ僕のも」328枚を渡す。
教員「お二人とも通過です。私についてきてください」
メガネをかけた教員らしき人に二人でついていく。
アリーユ「あ、あれは昨日私にちょっかいかけた奴ら」
アリーユは駆け出し、番号札をさらに5枚もってくる。
アリーユ「これも追加でいいですか?」
教員「構いません」
扉を開き、促す。
教員「こちらでお待ちください。長くは待たないと思いますが…」
―
アリーユ「一次試験もだいぶ早く終わったね」
ジャック「みんなも可哀想だなぁ。頑張ってきたのに」
アリーユ「あんなものを避けられない方が悪い」
ジャック「恨まれないようにね…」
アリーユ「恨まれる筋合いはないと思うのだけれど…」
ジャック「でもあれで残った人もすごいねぇ、アリーユのフルパワーで立っていられる人もいるなんて」
アリーユ「そうね、あの子たちがいいライバルになってくれそう」
ジャック「少なくとも彼らに恨まれることはないだろうしね」
アリーユ「そういうこと」
―
教員「一次試験、半分くらいまで篩にかける予定でしたが思いのほか早く住んでしまったので今こちらにいる計30名の方の合格を認めます」
アリーユ「あれ、もう終わっちゃった」
教員「それではこれから順番にお呼びしますので呼ばれた方からこちらの部屋へお願いします。こちらで入学への手続きを行います。それでは番号札492枚を提出されたアリーユ様からどうぞ」
アリーユ「先に行ってるわね」
ジャック「すぐいくよ」
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