81 僕はたまにバグる


毎朝、僕は目覚まし時計と同時に起動する。しかし、今日は何かが違った。目覚まし時計が鳴る代わりに、部屋の中には「システムエラー」という文字が浮かんでいた。


「またか」と僕はため息をつきながら、自分の頭の後ろにあるリセットボタンを探した。人間として生まれたはずなのに、どうやら僕はたまにバグるらしい。


学校に行くと、友達が「おはよう」と声をかけてくる。しかし、僕の返事は「404 Not Found」。友達は首をかしげるが、僕はただ笑ってごまかす。


昼休み、僕はお弁当を開けると、中身がピクセル化している。食べ物がデジタルデータになっているなんて、さすがにこれは驚いた。でも、お腹が空いているので、バイナリコードをかじることにした。


放課後、僕はサッカー部の練習に参加する。ボールを蹴った瞬間、世界がフリーズ。僕は空中で静止しているボールを見つめながら、再びリセットボタンを押す。


家に帰ると、母が

「今日はどうだった?」

と尋ねる。

僕は「いつも通り」

と答えるが、心の中では「バグらない日はいつ来るのだろう」と思っていた。


でも、考えてみれば、このバグる日常も悪くない。だって、予測不可能な毎日は、退屈しないから。

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