49 防犯係

彼は防犯係として学校の安全を守っていた。

いつも校門で生徒たちの顔をチェックし、不審者を見つけたらすぐに通報する。彼は自分の仕事に誇りを持っていた。

彼は防犯係のバッジを胸につけ、防犯カメラのモニターを見ながら、自分は学校の守り神だと思っていた。


ある日、彼はモニターに映る一人の少女に目を奪われた。

彼はその少女を知っていた。その少女が好きだった。彼は少女に自分のバッジを見せて尊敬されたかった。


彼は勇気を出して、校門から出て、その少女に近づいた。

彼は少女の名前を呼んだ。その少女は振り返った。


「あなた、誰!?」


彼は固まった。

理解できなかった。彼はその少女を知っていたはずだった。少女が好きだった。彼はその少女に話しかけ、バッジを見せたかっただけだった。


自分のバッジを見た。

そうして気づいた。

彼は防犯係ではなかった。むしろ防犯カメラの盗撮犯だったのだ。

思い込みは恐ろしい・・・。

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