25 ハロウィンの友だち

ハロウィンの夜、小さな町の古いおばあさんが、子供たちにお菓子を配ることになりました。

彼女は「トリック・オア・トリート」と言う子供たちに、笑顔でキャンディを手渡しました。

しかし、その夜、彼女は特別なキャンディを持っていました。それは魔法のキャンディで、食べると願い事がかなうと言われていました。


一人の少年がやってきて、彼女に

「おばあさん、ぼくは一番大切な願い事をしたいんです。でも、どうやって叶えたらいいんですか?」

と尋ねました。

おばあさんは微笑みながら、

「このキャンディを食べて、心から願ってみてください。そして、夜が明けたら願い事が叶うでしょう」

と答えました。


少年はキャンディを受け取り、静かに願い事を心の中で唱えました。そして、キャンディを食べました。

すると、不思議なことに、星空が輝き始めました。少年は驚きましたが、その瞬間、彼の願い事が叶ったことを感じました。


翌朝、少年は目を覚ますと、自分の部屋に大量のおもちゃが置かれているのを見つけました。

彼は喜び勇んで遊び始めましたが、すぐに気付きました。

「でも、ぼくはおもちゃよりも大切な願い事をしたはずだ」

と気が付きます。


そこで少年は再びおばあさんの家に向かいました。

「おばあさん、願い事は叶ったけれど、それよりも大切なことがあります」

と言いました。

「何かしら?」

とおばあさんが尋ねると、少年は微笑みながら答えました。

「友達が欲しいんです」


おばあさんは少年の手にキャンディを渡し、

「友達を探す旅に出てみてください。きっと素敵な仲間に出会えるでしょう」

と励ましました。

少年は感謝の気持ちでキャンディを食べ、新たな冒険へと旅立ちました。


そうして、歳の差こそあれど、素敵な友達がいることを思うのでした。


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