第2話 追放した補助魔法士を追いかける

「死にたくない!」


 俺はギルドの酒場から飛び出した。


「フェルド! 待ってくれ!」


 俺は追放した補助魔法士、フェルドを探す。

 すぐにパーティーに戻るよう土下座すれば、きっと「もう遅い」にはならない。

 

 必死にギルドの街をフェルドを探したが、見つからなかった。


「あんなゴミ、探してどうすんの?」


 魔法使いのドロシーが聞いてきた。


「あいつはゴミじゃない。このパーティーに必要な人材だ。だから連れ戻さないと」

「要らないよーあんなゴミクズ」

「わかってないな。あいつの補助魔法のおかげで、俺たちは実力以上に強くなっていたんだ」

「はあ? そんなのあり得んしwww」


 ざまぁ対象者のドロシーは、何があっても主人公(フェルド)の有能さを認めない。

 自分の実力不足を認めないのが、ざまぁ対象者の特徴だ。


「そうです。フェルドさんのおかげで私たちは強かったんです」


 聖女ローレシアが俺に味方する。


 小説では、聖女ローレシアは、勇者アリオスに襲われる。唯一、勇者アリオスが◯◯◯できなかった女の子だ。

 なぜなら、聖女ローレシアは主人公が好きだったから。


(主人公が好きなら追放に反対しろよ……)


 と、思ってしまうが、そこはラノベのご都合主義。反対しなかった。


「ありがとう、ローレシア。俺たちはちゃんと実力をつけないといけない。よし! まずは近くの森でスライム狩りだ」


 地道に強くなれば、フェルドがいなくても国王指定パーティーの称号を守れる。

 

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追放ざまぁ系ラノベの勇者に転生した件。ざまぁ(破滅)の未来を回避するために努力しまくっていたら美少女たちは離れないし、いつの間にか世界も救っていた。 水間ノボル🐳@書籍化決定! @saikyojoker

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