追放ざまぁ系ラノベの勇者に転生した件。ざまぁ(破滅)の未来を回避するために努力しまくっていたら美少女たちは離れないし、いつの間にか世界も救っていた。

水間ノボル🐳@書籍化決定!

第1話 追放ざまぁ系ラノベの勇者に転生した件

「アリオス、俺は出て行くよ」

「…………え?」


 まるで冒険者ギルドの酒場のような場所で、目の前にいた男が背を向ける。


(アリオス? 聞いたことがある名前だな?)


「この無能! さっさと出て行け!」


 俺の隣にいた女の子が、去って行く男を罵倒した。

 黒いとんがり帽子に、黒いローブ、まるで魔法使いみたいだ。


「アリオスさん……」


 金髪で青い、白いローブを着た女の子が悲しそうな顔をしている。

 まるで聖女みたいな格好だ。


(あれ? これってどこかで?)


「野垂れ死ね! このゴミ屑が!」


 ビキニアーマーと言うのだろうか、露出の激しい鎧を着た女の子が叫んだ。


(まさか……これって……)


 俺は理解した。

 この光景は、俺の好きなあのラノベと同じだ。


「補助しかできない無能と勇者パーティーを追放された補助魔法士の俺、エルフの守護者となる。え? 補助魔法がないと戦えない? 今更戻れと言われてももう遅い」


 いわゆる「追放ざまぁ」と言われるジャンルだ。

 あらすじは、だいたいこんな感じだ——

 まず、勇者が「不遇職」や「外れスキル」を持つメンバーをパーティーから追放する。

 その後、実は追放したメンバーのスキルがパーティーに必要だと気づくが、その頃にはもう遅い。


 白銀の鎧に、紅のマント。

 金髪に青い瞳。

 聖剣のデュランダルを腰に下げ、傲慢そうな顔をしている勇者——アリオス・ブライハイトに俺は転生してしまったらしい。


 で、今、パーティーから出て行った男は、フィルド・アーチボルト。元奴隷の補助魔法士だ。

 フィルドは「補助しかできない無能」とアリオスに罵倒され、パーティーを追放される。

 その後、エルフの姫をゴブリンから助けて、エルフの守護者として成り上がっていく。

 フィルドの補助魔法は実は強力なもので、アリオスたちはそのおかげで実力以上に強くなっていた。

 フィルドの補助魔法がなくなったせいで、アリオスたちはダンジョンの低層で全滅を繰り返した挙句、国王から見限られる。

 アリオスはフィルドを逆恨みして殺そうとするが……

 

「マジかよ……このままじゃ俺は……」


 俺が目の前が真っ暗になって、倒れそうになるが、


「やっと無能が消えましたね。アリオス様♡」

 

 魔法使いの美少女、ドロシーが俺の右腕を掴んだ。

 胸をぎゅうぎゅうと俺の腕に押し付けてくる。


「あ! ドロシーだけずるい! あたしも!」


 ビキニアーマーの女剣士、エリンが左腕を掴んだ。

 エリンも俺の腕に胸を押し当ててくる。


(ドロシーとエリシアは、勇者と一緒になってフィルドをいじめていたっけ……)


「フィルドさん……大丈夫かしら」


 聖女のローレシアは心配しそうな顔していた。


(ローレシアは、後からフィルドを追いかけるんだ)


 何度も読んだラノベだから、幸いなことに展開は覚えている。

 だからわかっていた。勇者アリオスの最期は——死。


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