174日目 異世界-3

「ここの真下ですかな?」

トロゲンさんにも来てもらった。

「はい。そうです。この真下に大きな空間があります」


「どこかに入り口があるのでしょうか?」

「わかりません。【空間魔法】を使いながら、確認をしていますね」

僕は再び【空間魔法】の【パーセプション】を使用する。

地下空間がデカいんだよな。

一度の【パーセプション】では、把握することができない大きさだ。

何本か通路が伸びているのか?


「こっちに通路のようなものが伸びていますね」

遺跡の中央から、北の方へとたどっていく。


スタスタスタ……


「長いですね。まだ伸びています」


スタスタスタ……


数十名の【聖騎士】と遺跡の端の方までくる。


「あ、上がってきています。ここですね」

「こちら……ですか?」

もともと民家だったところだろうか。

区画的にはそれほど大きくはない。

植物が長い間放置されていたことを物語っており、遺跡の他の場所と見た目は何も変わらない。


「この下ですね……」

「了解です。下がってください」

トロゲンさんが僕を含むみんなに言う。


「【大地斬】!!」

ドゴォッ!!


トロゲンさん、攻撃スキルも結構強いぞ。

騎士団の集団行動では使う機会は少ないと思うが。


地面が吹き飛ぶと、地下が見える。


当たり前だが、真っ暗だ。

埃っぽい感じもする。


「【光魔法】!!」

【聖騎士】の一人が【光魔法】を使用する。

しかしこの騎士団は、役割分担が完全にされているな。

夜の戦闘もそうだが、【光魔法】を担当している【聖騎士】がいる。


「行きましょう!!」

「いえ。まずは我々で見てきます。

 狭間様はここでお待ちを」


えぇー……

すっごい行きたいんですけど……


「行きたいんですけど、ダメでしょうか?」

「そうですな。少なくとも我々が先行し、安全が確保できてからになります」

僕はローシュさんの方を見る。


「………………」

あ、これ絶対無理なヤツだ。

大人しく待ってるしかないか。










結構な時間が経つが、トロゲンさんたちは帰ってこない。

しかし【パーセプション】があるので、大体どのあたりにいるのかわかるし、無事なこともわかる。


『何かありましたか?』

『んなぁ!?』


『すみません、これ【コール】という【空間魔法】です。

 驚かせてしまいましたね』

『は、狭間様ですか……事前に言ってくれればよろしかったと……』


『すみません……』

『今のところ魔物はおりませんな。

 麻雀という遊戯の台がいくつかありましたぞ』


『また麻雀ですか……他には何かありましたか?』

『ルーレットのようなものもありますな』


『地下にカジノというところですかね?』

『でしょうな。地下にあるということは、古代でも賭博は悪いものという認識だったのかもしれませんな。

 いくつか【ストレージ】に入れて持ち帰りましょう』


『了解です』

地下カジノか……

フヨウの意識を取り戻すための魔道具は、あんまり無さそうだな……

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