174日目 異世界-2

「なんだか、元あった道を考えると、綺麗な碁盤の目のように区画されていますね」

ローシュさんと遺跡を散策する。

「碁盤……ですか?」


「あ、すみません。縦横垂直に道が整備されていたようですね」

「そうですね……我々の街もそのようになっておりますし、もしかすると、古代から受け継がれているのかもしれませんね」


「そうですね」

いや、そりゃそうか。

よく考えたら、垂直に区画されてるってだけで平城京は安直だよな。

昔のニュータウンだってそんな感じだったし。


「しかし、崩れかけた壁くらいしかありませんね」

「当時の生活用品などは全て朽ちてしまったのでしょう」


「こういった遺跡は外界ではよくあるんですか?」

「はい。しかし、ここまで規模が大きいものはそれほどありません」

なるほど。

しかし、見た感じ何もないな。


あ、そうだ。

【パーセプション】!!


【空間魔法】を使いながら移動した方が効率がいい。

【遠方認知】ではかなり遠くまで把握できるが、それは見た目の映像だけだ。

【パーセプション】自分の周りの空間を完全に把握できる。


うわ……なんだこれ……


「これ、下水がありますね」

「下水ですか……排水設備がきちんとあったということでしょうか」


「まぁ……そう……だと思います」

「狭間様?」


「いや、排水設備にそれほど詳しくないので、これがそうなのかわからないんですよね」

「なるほど。

 どのような構造になっているのですか?」


「地下に空間がありますね。

 小さい管のような穴が一箇所に集まっています」

「排水設備だとすれば、それを一箇所に集めて【浄化魔法】を使っている可能性がありますね。

 たどってみましょう」


「はい」

こっちか……


「遺跡の中心に向かっていますね」

「中心で【浄化魔法】を使用し、水を循環させていたのかもしれませんね」

僕とローシュさんは遺跡の中心へと行く。


いや……これ排水設備か?


「地下に大きな空間があるっぽいです」

「なるほど……ただの排水設備とは考えにくいですね。

 【聖騎士】たちを集めてまいります」

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