173日目 異世界-4

【フィールドヒール】!!


2時間くらい経っただろうか。

ただただ魔法をめった撃ちにされて、それをひたすら耐えているのだが、変化が出てきた。

若干ではあるが、攻撃魔法の勢いが衰えてきたのだ。

魔物のMPが切れてきたのだろうか。


「トロゲンさん!! 魔法の勢いが弱まってきましたか?」

「はい!! 狭間様!! 撃って出ますぞ!!」


「え!?」

マジかよ。

勢いが衰えたとはいえ、それでもバンバン飛んでくるぞ。


「聞けぇい!!」

トロゲンさんが大声を出す。


「我々騎士団は、10年前に壊滅状態になった!!

 人の顔を持つ魔物、人面によって!!

 しかぁし!!

 我々は進化する!!

 今、この瞬間に、たとえ人面が現れたとしても必ず討伐できる!!

 進化した騎士団を!!

 我々の実力を狭間様にお見せするのだ!!」

「「「ウオォォォォ!!!!」」」

凄まじい士気だ。

地面が大きく揺れている。


「白虎陣形!!」

トロゲンさんの大声と共に、騎士団が素早く動く。


僕は【空間魔法】で周囲を認識する。

先ほどまで正八角形だった陣形が、頂角を先頭にした二等辺三角形になる。

そして、先頭にはトロゲンさん、その他ローシュさんなどのこの中でも優秀な【聖騎士】前方に集まっている。


「突撃ぃ!!」

「「「ウオォォォォ!!!!」」」


ドドドドドドドドド!!!

大きな叫び声と共に、全軍が突進を始める。


僕は棺の中から、周囲を確認する。

前方には大型を含む魔物の大群だ。


待て待て!!

大丈夫なのか!?

こちらも100人程度いるが、前方の魔物はさらに多い。

それに大型の魔物もいる。

左右からの魔法も、勢いが衰えただけで放置だぞ。


「「「ウオォォォォ!!!!」」」


ドドドドドドドドド!!!


魔物もこちらの突進に気付き、臨戦態勢になる。


トロゲンさんが突進しながら盾を構える。


ドドドドドドドドド!!!


いや、ヤバいって!!


「【チャージリフレクション】!!」


トロゲンさんの大盾が光だす。

なんだ!?

スキル、それも奥義か!?


ズドオオオオオォォォ!!!


トロゲンさんの大盾から光の渦が発射される。


ズドオオオオオォォォ!!!


す、すげぇ……


あれだけいる魔物が螺旋状に吹っ飛んでいくのだ。


ズドオオオオオォォォ!!!


しかも、まだまだ止まらない。


ズドオオオオオォォォ!!!


直線上の魔物が次々に吹っ飛ぶ。


「いけぇ!! 殲滅だぁ!!」

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