173日目 異世界-5

ザシュッ!!

ドガッ!!


これまでの守備的な陣形とは異なり、【聖騎士】が5人くらいの一塊となって次々に魔物を殲滅していく。


「狭間様はこちらで待機、回復をお願いします」

「はい!!」

ローシュさんが指示をくれる。

負傷した人間が集まってきたら回復だ。









ほどなくして殲滅が終わる。

「負傷者は狭間様のほうへ!!

 残りは魔物の解体だ!!」


「しかし物凄い威力の大技でしたね。奥義ですか?」

「はい、ですからしばらくは使えませんな」

やはりトロゲンさんの奥義だったか。


「にしてもあれだけの魔物、それも一体一体が強力なやつでしたよね?

 威力だけでいえば、サワナ様の奥義より強いのでは?」

「はっはっは!! ありがとうございます!!

 しかし、先程の奥義【チャージリフレクション】は狭間様のおかげなのですぞ」


「え? 僕ですか?」

僕は棺に入って回復していただけなんだけど。

「えぇ。あの技は、自らに与えられた一定量のダメージを全て攻撃に変換するというスキルなのです」


「そういうことか!?」

なるほど。

それなら僕の【回復魔法】も貢献していたことになる。

敵の的になり、魔法をくらいまくっていたのも、【チャージリフレクション】のダメージを稼ぐためだったのか。


「敵の攻撃さえ凌げばほぼ最強のスキルですね」

「発動の条件がありますが、【聖騎士】の攻撃スキルとしては最高峰ですな。

 ちなみにローシュも使えますぞ」


「本当ですか!?」

マジかよ。

ローシュさんすげぇな。



さらに、解体と回復が終わる。

「魔物が全くいませんね。

 完全に殲滅したのでしょうか」

「そうですな。

 魔物が大量にいた場所を一旦殲滅すると、しばらくは出てこないことが多いのです」


「なるほど」

それは助かるな。

あの戦闘が続くのはさすがにきついだろう。

まぁ修行としてはオイシイのだが……


「では、我々で周囲の建物を探索してまいります」

ここ周辺は人工物がある。

外界の建物ということは、古代の物だろう。

「僕も行っていいですか?」


「いえ、すでに日が暮れております。

 狭間様はここでお待ちください」

「了解です」

残念。

まぁ夜になると強制的に睡眠になるからな。

一応深夜まで時間はあるが、念のためということだろう。

探索中に突然寝たら困るもんな。


「では狭間様、かわりに【水魔法】をお願いします。

 川から離れてしまいましたので、騎士団のものたちに【水魔法】で水の補給をしていただけるとありがたいです」

「了解です!!」


その後異常が見られなかった建物に、騎士団の方々と一泊した。

僕は棺で眠っているが、彼らは屋根のあるところが久しぶりのはずだ。

かなり疲れているだろう。


【結界魔法師:Lv0】New

【結界魔法:Lv0】New

【広域耐魔法結界:Lv0】New

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る