168日目 異世界-3

「「お疲れ様です!!」」

僕とマッソさんはトロゲンさんに挨拶をする。


「狭間様、聞きましたぞ。昨日の訓練のこと。

 なにやら深夜まで鍛えていただいたとか」

「はい……」

つい深夜まで続けてしまった。

トロゲンさんの予定では、【エリアヒール】の確認だけだったからな。

まずかったか?

いや……トロゲンさんの表情を見るにそんなことはなさそうだ。


「非常に感謝しております。是非本日もお願いしたいのです」

「はい! 喜んで!!」

「……………(マジかよ、最悪だ)」


「えっと……今日もMPが結構あるってマジですか?」

マッソさんが困惑しながら聞いてくる。

「はい、結構ありますね」

「そうだ。狭間様については、私もいろいろと疑問があるのだが、シトン様からストップがかかっている。

 マッソ、あまり質問をして狭間様を怒らせるな」


「はい……」

「いや、だから怒りませんて……」

「狭間様、ここの訓練について詳しく説明してもよろしいでしょうか?」

とりあえず僕の怒らないはスルーされる。


「はい。是非お願いします」

「騎士団の入団条件は主に【騎士】【聖騎士】【上級盾戦士】のジョブの習得です。

 そして、ジョブを持っていてもステータスが低い人間は、内界で冒険者などと一緒に魔物を狩ります。

 それから、ある程度ステータスが高いものは今狭間様が一緒に訓練をしているように、カウンタースキルの習得を目指します。

 カウンタースキルを所持している者の中で、さらにステータスが高く優秀な者が外界へ出ることができるのです」

なるほど。

僕はそこをすっ飛ばしてきたから、ミドーさんに敵視されてしまったのだろう。


「そして、訓練の攻撃担当の者はすでにカウンタースキルを習得しています。

 マッソもすでにカウンタースキルを習得しているのです。

 それからステータスもある程度高く、もちろん【回復魔法】が使えます」

マッソさんは軽く頷く。


「しかし、外界のメンバーではありません。

 マッソ、なぜだかわかるか?」

「そりゃ、外界部隊に比べたら俺なんかまだまだ……」


「やれやれ……」

トロゲンさんは呆れたように言う。


「マッソや他の攻撃担当の者に足りていないのは、忍耐力だ」

「………………(いや、俺だって忍耐力はあるほうだ)」

マッソさんは不満な顔をしている。

表情が出やすい人なのだろう。

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