168日目 異世界-2
「は、狭間様がやってきました!!」
「大丈夫だ!! 昨日MPは使い切ったはず。今日は昨日のようには長引かないはずだ!!」
騎士団の方々が何やら騒がしい。
「本日もよろしくお願いします!!」
僕は噂を払拭するためにも、深々と頭を下げ、大きな声で挨拶をする。
「げ、元気そうですね……」
「マッソさん、本日もよろしくお願いします!!」
僕はマッソさんにもう一度挨拶をする。
小学校の頃挨拶はとても大切だと教えられた。
危険人物だと誤解されている今、挨拶はしっかりやっておこう。
「昨日の疲れは……残ってなさそうですね」
「はい!! 頑張ります!!」
「よ、よろしくお願いします(今日は長引かないよな……)」
◇
【ガード】!!
ガギンッ!!
マッソさんの攻撃を【ガード】スキルを使用して受け止める。
【ガード】を発動するタイミングは比較的簡単だ。
なにしろ【ガード】は効果時間が3秒程度ある。
だから攻撃を受ける少し前に発動すれば、問題なく使うことができる。
それにマッソさんの攻撃は大剣。
攻撃のタイミングもわかりやすい。
おそらくそれが狙いでもあるのだろう。
タイミングよく【盾】スキルを使用し続けることでカウンタースキルの習得を目指すわけだ。
「そろそろ昼休憩にしませんか?」
「あれ? もうそんな時間ですか?」
「えぇ。狭間様はこれまでどこで食事を?」
「錬金塔で食べてました。薬学塔で特殊なお茶をいただくこともありましたね」
「騎士団の食堂は向こうです。行きましょう」
「はい!!」
◇
「しかし、すごいMPですね」
「はい、MPだけは結構あります」
僕はマッソさんと騎士団の食堂へ来た。
マッソさんは昨日一日で少し慣れた気がする。
ちなみに、ここの食堂は小盛りでもデカイ。
全部食べ切れるか微妙なラインだ。
「だけはって……ミドーさんを戦闘不能にしたっていうし、今まで一体どんな訓練をしてたんですか?」
「ま、まぁいろいろですね」
やはりMP量については、不審に思われてしまうよな。
通常の訓練ではこうはならないだろうし。
「まぁサワナ様のお弟子さんていう話だからなぁ(こうして話をしている分には普通なんだよな)」
「いやでもサワナ様に鍛えてもらったのは、一時的ですよ。
すぐにどこかへ行っちゃいましたし」
「それで、今日はどれくらいやるんです?
MPも結構減っていますよね?」
「そ、そうですね……」
MPは全快なわけだが、昨日のように夜まで訓練するわけにはいかないだろうか。
いや、なんかもう面倒だな。
「実はまだ結構MPがあります」
正直に言ってしまった方が効率よく修行ができる。
「え? 昨日あれだけ【エリアヒール】を使ってまだ残ってるんですか?」
「はい、まぁちょっと特殊な体質でして……」
「その辺にしておけ、狭間様が困ってるではないか」
トロゲンさんだ。
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