168日目 異世界-2

「は、狭間様がやってきました!!」

「大丈夫だ!! 昨日MPは使い切ったはず。今日は昨日のようには長引かないはずだ!!」


騎士団の方々が何やら騒がしい。


「本日もよろしくお願いします!!」

僕は噂を払拭するためにも、深々と頭を下げ、大きな声で挨拶をする。

「げ、元気そうですね……」


「マッソさん、本日もよろしくお願いします!!」

僕はマッソさんにもう一度挨拶をする。

小学校の頃挨拶はとても大切だと教えられた。

危険人物だと誤解されている今、挨拶はしっかりやっておこう。

「昨日の疲れは……残ってなさそうですね」


「はい!! 頑張ります!!」

「よ、よろしくお願いします(今日は長引かないよな……)」










【ガード】!!


ガギンッ!!


マッソさんの攻撃を【ガード】スキルを使用して受け止める。

【ガード】を発動するタイミングは比較的簡単だ。

なにしろ【ガード】は効果時間が3秒程度ある。

だから攻撃を受ける少し前に発動すれば、問題なく使うことができる。

それにマッソさんの攻撃は大剣。

攻撃のタイミングもわかりやすい。

おそらくそれが狙いでもあるのだろう。

タイミングよく【盾】スキルを使用し続けることでカウンタースキルの習得を目指すわけだ。


「そろそろ昼休憩にしませんか?」

「あれ? もうそんな時間ですか?」


「えぇ。狭間様はこれまでどこで食事を?」

「錬金塔で食べてました。薬学塔で特殊なお茶をいただくこともありましたね」


「騎士団の食堂は向こうです。行きましょう」

「はい!!」











「しかし、すごいMPですね」

「はい、MPだけは結構あります」

僕はマッソさんと騎士団の食堂へ来た。

マッソさんは昨日一日で少し慣れた気がする。


ちなみに、ここの食堂は小盛りでもデカイ。

全部食べ切れるか微妙なラインだ。


「だけはって……ミドーさんを戦闘不能にしたっていうし、今まで一体どんな訓練をしてたんですか?」

「ま、まぁいろいろですね」

やはりMP量については、不審に思われてしまうよな。

通常の訓練ではこうはならないだろうし。


「まぁサワナ様のお弟子さんていう話だからなぁ(こうして話をしている分には普通なんだよな)」

「いやでもサワナ様に鍛えてもらったのは、一時的ですよ。

 すぐにどこかへ行っちゃいましたし」


「それで、今日はどれくらいやるんです?

 MPも結構減っていますよね?」

「そ、そうですね……」

MPは全快なわけだが、昨日のように夜まで訓練するわけにはいかないだろうか。

いや、なんかもう面倒だな。


「実はまだ結構MPがあります」

正直に言ってしまった方が効率よく修行ができる。

「え? 昨日あれだけ【エリアヒール】を使ってまだ残ってるんですか?」


「はい、まぁちょっと特殊な体質でして……」

「その辺にしておけ、狭間様が困ってるではないか」

トロゲンさんだ。

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