165日目 異世界-1

「まさか狭間様が、あのサワナ様のお弟子さんだったとは。

 シトン様も先に言ってくだされば良かったのに」

トロゲンさんがぼやく。

「す、すみません……」

僕はトロゲンさんに謝る。


「いやはや……しかし、納得ですな」

「え?」

トロゲンさんは僕を見ていう。

しかし何故だろうか。

サワナ様の弟子として納得されるのは不本意だ。


「狭間様には、一度外界への進行、騎士団の戦い方を見ていただきましょう。

 説明をしながら、実際に見た方が早いと思いますので」

「了解です」


「それでは、外界への入り口へ移動します。

 外界といっても、まだ人の手が加わっていないだけで、戦線よりも若干魔物は少ない地域です。

 それほど危険はありません」

「わかりました」











「隊列を組め!!」

「「「はい!!」」」


ザッ!!

ザッ!!

ザッ!!


転移してきた先に、騎士団の方々が整列する。

2m近くある騎士団の方が100人程度いるだろうか。


「このように、まずは整列をします」

トロゲンさんが説明してくれる。

騎士団の方々は、縦横に一定の間隔をあけ、綺麗に整列している。

学校の全校集会を思い出す。


「前列進め!!」


ザッ!!


最前列は10人くらいだろうか。

その10人が行進し、残りの騎士団の方々は少し間を開けて進む。

最前列だけが20mくらい先に進み、他の騎士はその間隔を空けたまま進んでいるのだ。


「この隊列を保ったまま、少しずつ進んでいきます。

 さあ、我々も後を追いましょう」

「はい」

僕とトロゲンさんは最後尾から騎士団の後についていく。


「少し先の方は見えにくいかもしれませんな」

最前線まで距離があるのだ。

「【遠方認知】で確認していきますね」


「そうでした。

 狭間様は【空間魔法師】でしたね」

「いや、まぁ一応使えるといいますか」

一応使えるけど、【空間魔法】はメインではないんだよな。


僕は【空間魔法】の【遠方認知】で最前線を観察する。

「今のところ戦闘は無いようですね」

「では、その少し先を確認してみてください」


「はい」

僕はトロゲンさんに言われた通り、最前線のさらに先を【遠方認知】で確認する。


「うわ……」

魔物だ。

魔物が結構な大群でいる。

さっきそれほど魔物はいないと言っていたが、かなりいるぞ。


「魔物が、それも相当な数います」

「そうです」

しかも、こちらに気づいている。

どんどんと騎士団の最前列へと魔物が向かってくるのだ。


「かなりの数がこっちへ来ますが、大丈夫なんですか!?」

「えぇ、問題ありません。外界としては、それほど魔物が多いわけではございません。

 【遠方認知】でしっかりと確認をしておいてください」


「はい」

マジかよ。

100匹くらいいるんじゃないか?

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