165日目 異世界-1
「まさか狭間様が、あのサワナ様のお弟子さんだったとは。
シトン様も先に言ってくだされば良かったのに」
トロゲンさんがぼやく。
「す、すみません……」
僕はトロゲンさんに謝る。
「いやはや……しかし、納得ですな」
「え?」
トロゲンさんは僕を見ていう。
しかし何故だろうか。
サワナ様の弟子として納得されるのは不本意だ。
「狭間様には、一度外界への進行、騎士団の戦い方を見ていただきましょう。
説明をしながら、実際に見た方が早いと思いますので」
「了解です」
「それでは、外界への入り口へ移動します。
外界といっても、まだ人の手が加わっていないだけで、戦線よりも若干魔物は少ない地域です。
それほど危険はありません」
「わかりました」
◇
「隊列を組め!!」
「「「はい!!」」」
ザッ!!
ザッ!!
ザッ!!
転移してきた先に、騎士団の方々が整列する。
2m近くある騎士団の方が100人程度いるだろうか。
「このように、まずは整列をします」
トロゲンさんが説明してくれる。
騎士団の方々は、縦横に一定の間隔をあけ、綺麗に整列している。
学校の全校集会を思い出す。
「前列進め!!」
ザッ!!
最前列は10人くらいだろうか。
その10人が行進し、残りの騎士団の方々は少し間を開けて進む。
最前列だけが20mくらい先に進み、他の騎士はその間隔を空けたまま進んでいるのだ。
「この隊列を保ったまま、少しずつ進んでいきます。
さあ、我々も後を追いましょう」
「はい」
僕とトロゲンさんは最後尾から騎士団の後についていく。
「少し先の方は見えにくいかもしれませんな」
最前線まで距離があるのだ。
「【遠方認知】で確認していきますね」
「そうでした。
狭間様は【空間魔法師】でしたね」
「いや、まぁ一応使えるといいますか」
一応使えるけど、【空間魔法】はメインではないんだよな。
僕は【空間魔法】の【遠方認知】で最前線を観察する。
「今のところ戦闘は無いようですね」
「では、その少し先を確認してみてください」
「はい」
僕はトロゲンさんに言われた通り、最前線のさらに先を【遠方認知】で確認する。
「うわ……」
魔物だ。
魔物が結構な大群でいる。
さっきそれほど魔物はいないと言っていたが、かなりいるぞ。
「魔物が、それも相当な数います」
「そうです」
しかも、こちらに気づいている。
どんどんと騎士団の最前列へと魔物が向かってくるのだ。
「かなりの数がこっちへ来ますが、大丈夫なんですか!?」
「えぇ、問題ありません。外界としては、それほど魔物が多いわけではございません。
【遠方認知】でしっかりと確認をしておいてください」
「はい」
マジかよ。
100匹くらいいるんじゃないか?
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