第30話 王の祈り

「ねえ、どうしよう」

 僕は大臣たちの話を聞いて、右往左往するしかなかった。


「一体何を話していた?」

 ナタはリッリが怒るのを見て、僕にそろりと近づいてくる。大臣たちの話が気になったのだろう。


「ザッハダエルの人たちがね、僕たちが薬を売っていた場所にいって、薬を買った人を殺して奪うって言ってるんだよ。なんか薬を飲んだ人を殺して食べてみるとかそんなこと言ってる。止めなきゃ大変なことになる」


「食べてみるって、アホなのか?」


「それだけ事情が切迫しているんだよ」


 僕は、「だからどうにかして——」ザッハダエルの軍隊を押しとどめるその知恵をナタやシェズから借りたかった。


 だが、ナタはまだ状況がわかっていない様子。

 シェズもまた城塞の上から下を見下ろすのに夢中だ。


「なんか兵士がいっぱい出てきたぞ。あいつら何か叫んでる」

 シェズが興味あるのはそっち。


「シェズさん、今はそんなことやってる場合じゃ——」


「ヘルメス、あいつ何を叫んでいる? あたしじゃちょっと聞き取れないや」


 言われて、僕も下層を覗き込んだ。シェズの疑問に答えれば、次は自分の言い分にシェズが答える番。そんなことを考えたかもしれない。


 だが兵士の声を聞いて、僕の背筋は凍りそうだった。


「あの兵士、不老不死の薬を取りにいくってさ。もうすぐ全員病気が治るって周囲の人を元気付けてる」


「は?」


「さっき、僕が話したやつじゃん。ラファエールを奪いに行くんだ」


「それで病気が治るって? で、周りの奴らがあんなにはしゃいでいるのか」


「だから、それがまずいんだよ」

 僕は足踏みするしかなかった。こうしてはいられないと慌ててリッリを探してみるが、そのリッリも下層を覗き込んで顔が真っ青。


 僕たちの目の前で、

 ザッハダエルの城塞西門を二千人からなる規模の戦士団が出て行ったのはこの時だった。


 目的地は小さな漁村だ。だからなのか、出て行った戦士の中には裸同然で槍だけを抱えたものも多く居る。大臣の物言いから察するに、これに続く戦士団も下層に集まりつつあるだろう。城塞内部はなおも慌ただしい。


「どうしよう? 僕たちが居た村って、噂を聞きつけた人たちがたくさん来ていた。サムライにも手伝ってもらっていたけれど、キイ君たちもいた」


 僕は出て行った兵士たちの目的地を思って震えた。


 口に出せなかったけれど、

「その村にいる奴ら、これから、みんな殺されるってことか?」

 と、ナタが言うとおりだ。


「リッリ——」

 僕はすがるように賢者を見る。


 同時にリッリは、意を決するように振り向いていた。

「祈祷の準備をしやり」


 これが賢者の決断。


「祈祷って?」

 僕は何が何だかわからなくて、二度聞き返す。


「祈祷ってお祈りか? 何をするんだ」

 シェズは鉄の剣を持って城塞を散策する構えだった。兵士が出て行った後では何かもが遅いけれど、焦る気持ちがそこに出ている。

 

「すでにあちこちに戦士が出てりゃ。今から追いかけても全部捕まえられりず。ワレはマリウス王に掛け合うが、これもどうなるかわかりぬ。であるから、それらはまず祈祷の準備しやり。篝火と同じように城塞の屋上で火を炊き。煙がたくさん出れば、最後にはこれを火事だ敵襲だと言うて軍隊を引き返させやりや」


 リッリからそんな計画を聞けば、

 僕は頷くしかなかった。


「あぁ、そっか。火事とか敵襲なら、村を襲っている場合ではなくなるもん。あの人たちみんな戻ってくる?」

 僕はそんなことに期待せずにはいられない。


 そうしておいて、

「にゃがそれは最後の手段。ワレはこれからマリウス王と話を付けてきやり。話がつけば、軍隊を引き返させることも容易なりき」


 リッリは言うと、「ここが良き」と祈祷場の場所を指し示した。


 ザッハダエルにとって、雨水と湧き水は貴重な水源だ。喉を潤し、汚れを払うのは常に綺麗な水。この湧き水を湛えた堰が玉座の真下にあるのは、それを統べるのが王であることを示すと同時に、水が王に次いで神聖なものであることを意味していた。


 この時マリウス王は、石の壁に囲まれた堰を前にして祈りを捧げていた。


 祈りは水面から遠く、

 一〇歩ほど離れた場所にあって、そこで王は頭を垂れる。


 無言の内に、王の祈りの言葉は尽きた。


 赤頭巾の賢者たちの騒がしい声が響いてきたのは、そんな時だろうか。



 僕たちは屋上近くに篝火の土台を並べ、薪を置いたりして、祈祷の準備をした。まだ不完全だったが、周囲の兵士に手伝ってもらって、今もそれは完成しつつあるに違いなかった。


「病気を払う祈祷をするんです。みんなで協力しましょう」

 僕はそんな台詞を投げかける。「王様にも協力してもらうことがあります」と言えば、僕たちは兵士たちの案内で王様の居る場所まで来ることができた。


 次は、いよいよ王様を説得しなければならない。


「王様はこちらですか?」


 僕たちは部屋の入り口を固める兵士たちに問いかける。

 だけどその兵士たちは僕の言葉には耳も貸さない。


「ここからは通すわけにはいかない」


「祈祷をするんです。王様にも是非力添えが——」


「それは聞いた。大臣に要件を話せ。我々は何人もここより先に立ち入らせぬように言われている」


「緊急の要件なんです。それで僕たちは急いで祈祷の準備をしています」


 僕たちは引き下がらない。

 引き下がれなかった。


「駄目だ、駄目だ。何度言ったらわかる?」

 兵士たちも引き下がらない。


「アザゼルの命令でもか?」

 ついのシェズが前に出てくるが、


「神聖な祈りを我らが王がかかすことはありません。なにとぞ、祈りが終わるまでお待ちください」


 兵士はシェズに懇願するようにして立ちはだかる。入るなら自分を殺していってくれといわんばかりだった。


 こんなふうにしばらく揉めたが、

 さすがに苛立ったのは僕ばかりではない。


「マリウス王に緊急の用事なり。祈祷の邪魔ゆえ、今し方出て行った軍隊を呼び戻せり」


 リッリは部屋の出入り口で叫んだ。声はマリウス王に届いただろう。祈りを捧げる王の背中でこの騒ぎはたまったものではない。


「何用か?」

 王は返事をした。


 低く響く声は、兵士たちを束縛する呪術のように重い。


「大臣どもがラファエールを奪いにいきゃりが、これ以上の殺人は無益やり。即刻やめさせよ」


 赤頭巾の口調は強い。ここで軍隊が停まらなければ、もはや全面戦争にしかならないのだから遠慮する要素はなかった。


 だがすでに人間の王などそこには存在しない。


「アザゼルのご意向である。どのみちいかなる民族も我が民族が、選ばれた我々が奴らを殺さねばならぬのだ」

 王はアザゼルの名を口にする。


「それらは昔から傭兵をして外貨を稼ぎやり。周りの人間にどれだけ助けられてりや? それも忘れりや」


「アザゼルの前で我々は生まれ変わった。そうならざるを得なかったのだ。今さら全ては昔のことだ」


 これを言われてリッリは顔が真っ赤だ。何を言ってもアザゼルから話が進まない。


「何を言ってもアザゼル。アザゼルかや?」

 頬を膨らませて、リッリは怒りの表情だ。


 こうなってはアザゼルを会話から切り離すしかない。これはリッリの賭け。


「ワレは近隣の民を集めてアザゼルの対抗しようと思うてりや。そのためにラファエールなどというものがありり」

 リッリは言った。


「そなたはアザゼルの僕ではなかったか?」


「アザゼルの名は使うが、ワレは一度もアザゼルを支持したことはなかりん。むしろアザゼルの悪行を止めるために翻弄してりや。マリウス王、それが村々を襲っていては、埒があかりん。なればこそ、ワレはそれとここに会話しに来たり」


 リッリは強い表情で王を見返した。


「裏切ったということか?」


「裏切ったのはそっちであろ。これはイザリースの創造主からの特命でもありん。ワレの言葉をイシュタルの言葉とこころえり」

 リッリは前に出た。


「イシュタルの名をここで言うか」


「創造主と結んだ一〇の約束をたがえること許さず」


「その約束を守ったところで、我々は救われなかった。神は我々を助けてはくださらなかった。救ってくれたのはアザゼルだけだ」


「アザゼルが何を救ったか?」


「我々は長きに渡って苦難の道を歩んできた。カデシュの争いで畑も失い、民は路頭に迷った。豊かだった地は枯れ果てた。それでも我々はこの地で生きた」


「それが苦労したのは知ってり」


「だが、その苦しみは我らが選んだものではない。勝手にカデシュで争い、野を焼き街を壊した人間どもがいたからだ。アザゼルは我々に道を示してくれた。殺せと。殺して奪った者こそ勝者だと」


「この街を焼いたのは、そのアザゼル。ヒルデダイトであろうが」

「教示には痛みが伴う。ここで流した血は糧となり、私は民の声に応えてより強い王になる」


「暗示か?」

 もはや話合いにもならなかった。


 リッリはただ一つ王を改心させる方法に心当たりがある。それは、「そこに眠っておりやらが、王妃なりに? さきほどの祈りも王妃に向けたものなりり」この魔法が解けるかどうかで王の信仰は左右されることだろう。


 だからこそ、リッリのこの言葉は強い。

「ワレに診せてみよ。王妃が魔法より目を覚ませば、それは人殺しなどしなくても良かろが」

 

 次の王の言葉は、

「衛兵」を叱る声だ。


 部外者を通さぬはずの衛兵がリッリを通すのはなぜか。なぜ仕事を放棄するのか。


 守備隊長は王の前に座り込んでいた。


「王妃を診てもらうわけにはいきませんか?」

 王への懇願だった。次の言葉が衛兵から溢れてくる。


「私たちはもう、人殺しなんてしたくありません。私の父は幼い王を連れて傭兵団として海を何度も渡ったと聞いております。私にとって、それが憧れでした。私が目指していたのはこんなことじゃない」それは兵士たちそれぞれの思い。


 この言葉に王の怒りは一瞬行き場を失っただろうか。


 リッリは歩いた。

 王がリッリを制することができなかったのは、一瞬の油断。


 リッリは王を超えて、清らかな水で満たされた堰の傍まで歩いた。水の中を真上から見た。


「これは——」


 水に沈んでいるのは、眠った王妃ということだが、

 すでに死んでいる。沈められて何ヶ月経ったのか。


 腐乱して肌ははげ落ちて、白骨も見えている状態だった。


 リッリの護衛である僕もちらっとだけそれを見た。


 赤頭巾の賢者は振り返る。


 マリウス王は動かない。賢者に何かを期待する視線がそこにない。王妃が生き返るかもしれないと希望を抱く顔もない。彼の顔は青白く、目の縁には深い隈をつくったまま。王はただ沈黙していた。


 王が距離を置いて祈りを捧げていたのは、単に現実を見たくなかったからだ。そして誰も近づけさせなかったのは、これを知られるのが怖かったから——。


「薬師殿?」

 お伽噺しか知らない守備隊長は、それをお伽噺だったと笑えるだろうか。


「魔法などなかり」


 それを言うのが精一杯。あるいは、「道化師はここへは戻って来らりん。最初から戻ってくる気はなかろが」という事実を告げれば、それで事足りたか。


「もう何もかもが手遅れだ」


 王は祈りをやめた。

 そして嘆いた。


 僕はこの時、王がふいに笑い出す声を聞いた。笑い声でなければ王の言葉はどんな感情によるものだっただろうか。


「アザゼルは約束してくださった。一日たった二人。二人殺しているだけで、私はアザゼルに認められた民として生きていける。肉もむさぼりたい放題だ。酒も飲みたいだけ飲むがいい。殺したい奴は殺せ。すべてはアザゼルが認めた私の権利だ。何をしても私は自由」


 この発狂するような声に僕は気が遠くなりそうになる。


「ぶぁかもんが、何をいわんや? ヒルデダイトにやられたことももう忘れやりや」

 と、リッリが怒鳴った時には、すでに次の変化があった。


 マリウス王は両手を広げて、アザゼル賛美の声をあげた。

「私を苦しみから解放してくださったのはアザゼル。あなた様です。ここは天国か。この絶対的平安こそが私が求めていたもの。わたしこそアザゼルの子。アザゼルは神なれば、私こそ神の子マリウスなり」


 神をアヌと呼び、神の子となれば、それはアンドロという音になった。

 つまり、

「アンドロマリウス」

 これが新しい王の名。


 その時、大地が揺れた。

 屍の原野が火を噴いた。


 アンドロマリウスは炙られる痛みに蹲り悶えたが、それは身体が破壊されるたびに悦びになる。


 アンドロマリウスの肩が割れ、それぞれの肩から蛇の頭が出た。彼の皮膚は鉄のように堅くなり、筋肉は大きく膨らんで王を巨大な姿にさせていく。

 

「こりゃなんなりに?」

 慌てふためいた赤頭巾の賢者は杖を抱えて逃げる準備だ。交渉決裂だった。


「逃げりや」と叫ぶのが最後の瞬間だ。


「え?」

 慌てたのは僕も同じ。ただ、僕が異様な光景を見たのはこれが初めてではない。


 イザリースの最後の日、火の神を見たあの場所とどこか同じ匂いがあった。直感で悪魔だと僕の心が言った。だけど、アンドロマリウスは神を名乗っている。


「これが神? 僕が探していた神?」


 他の神と違うのは、間違いなくアンドロマリウスが実態を伴っているところだ。実態があるなら、探す意味がある。


「悪魔りや」

 リッリは僕を杖で叩いていた。逃げろというのだろうが、僕にとっては、これは最初の手がかり。


「神と悪魔って何が違うんです?」


「神と言うやりが、それはどこからコピーしてきた言葉りや。その概念も音もすべては創造主が作ったものにすぎず。その創造主は神を作り一〇の約束で縛ったり、これが起源」


「一〇の約束って、マリウス王が破ったあれ?」


「一〇の約束の意味も知らずに、神に見放されたなどとよく言うやり。一〇の約束は人間が神を縛るところに本懐あり。神を縛るからこそ神と共存の道が生まれりや。ゆえにそれを踏み外したところにいるものこそ悪魔。一〇の約束の中にあるものを神と言う」


 リッリが話せたのはそこまで。

 あとはぴゅーと逃げて行く一方だ。


「お前も逃げろ。あいつおかしいぞ」


 この時僕が襲われなかったのは、隣にナタがいたからだろう。ナタは鉄剣を払って、アンドロマリウスと対峙していた。


 いや、ナタだけではない。


 アンドロマリウスの咆哮は人間の精神を崩壊させるような音だ。これを攻撃されたと解釈して咄嗟に反撃にでた者がいる。


「だりゃあ」

 大声では負けないシェズだ。相手がバケモノなら躊躇も容赦もない。彼女は全力で手にする剣を叩きつけていた。


 城塞が揺れるのは、アンドロマリウスが傾いたからか、あるいはシェズの剣が城塞を沈めたからか。


 これでアンドロマリウスの動きが一瞬止まった。


「やっべ」

 同時にシェズが剣を放り投げていた。叩いた瞬間には曲がっていた。刃はアンドロマリウスの肩に食い込んだが、そのまま怪物の巨体が動けば、刃が持って行かれる。


 結果、シェズは呆れただろう。


「堅いなんてもんじゃない。それに傷口が——」

 と言われて、


 僕はアンドロマリウスの肩から火が吹き上がるのを見た。地獄の業火だと言われれば納得できそうな勢いの黒い炎だった。


「貴様らの攻撃など効かぬ」

 アンドロマリウスはその力を鼓舞する。


 シェズとて、アンドロマリウスの振る棍棒の一撃を受け止めるだけで精一杯。なんとか立っていられたところで、彼女は逃げ出していた。


 だとしたら、アンドロマリウスが狙う次は僕——。

 そう思った矢先。


 今度は守備隊長たちだ。


「おやめください、マリウス王」

 悲痛な叫びは、王の人間ならざる変化を許容していない。


 最初の犠牲者もまた同じ戦士たちだった。


「喉が渇く。乾くのだ。血がほしい、お前たちの脳みそを食べたい。よこせ、お前たちの命をよこせ」


 アンドロマリウスは数人の兵士をなぎ倒し、一人を掴み上げた。掴みながら潰して殺していた。その血をすするが、それでも王の渇きは満たされない。


「マリウス王、我らはザッハダエルの民です」


 仲間を食うのかと、守備隊長は困惑した。

 誰もが同じことを思っただろう。


「餌にしかすぎない。餌だ。私はアンドロマリウス。もはや貴様らと同格ではないぞ」


 肩から生える蛇が大きな口を開けた。


 アンドロマリウスが手を伸ばせば、蛇もまた兵士の頭上を取る。

 二人目の被害者は蛇に食われた。


「マリウス王……」


 恐怖で惚けた兵士たちはもう動かない。


 だが、アンドロマリウスが笑ったところで、再び王の行進は止まっていた。

 王の胸から火が吹き出るのは、切られたからだ。太刀筋は見えなかったが、ナタがアンドロマリウスの行く手を遮っていた。


「その傷再生するのか」

 ナタも呆れたと言った顔。


「ナタ。駄目だよ」

 僕は逃げろと叫びたかった。もはや人間の勝てる相手だとは思えない。シェズも諦めた相手だ。


 王の強烈な一撃に剣を合わせて、ナタがこれを躱したのはすさまじい剣の技。そこから突然剣を跳ねさせるようにして威力をのせた一撃を返すが、それでもアンドロマリウスの肉体を切断するには至らない。


 これでもかという剣の技がことごとく弾かれた。


「まさに魔王じゃん。出直そうぜ。チイやジンも連れて来てみんなでやるしかないだろ」

 シェズの考えは正しいと思う。


 だがナタの考えも当然だった。


 とは、

「ヘルメスが逃げる時間を稼ぐだけだ。俺もすぐ逃げる」


 この言葉。僕がいつまでも殺される場所に留まっている。この事実が僕を護衛する剣士にとっては引くに引けない状況を作っていた。


「あ——」

 僕は上半身を捻ったが、その後どうすればいいのか迷う。ナタと一緒に戦うなんてできっこないし、逃げるにしても、守備隊長たちはどうする?


 リッリの声がなければ、僕はずっと迷っていたかもしれない。

「祈祷の最終段階をしやり」


「祈祷?」

 王の説得が失敗した場合、僕たちは燃えやすい櫓に火をつけて火事を装う手筈だった。実際に少しばかり城塞は燃えるだろう。


 そんな仕掛けがすでにできている。


「あれって使えるの?」


 いや、使うしかない。

 僕は文字通り、藁をもつかみたい気持ちだった。

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