八日目

第11話

 今日も朝のルーティンを終えゴブリン狩りに出掛けるが、今日は新しく手に入れた水魔法こと属性変換・水を使用して色々とゴブリンで実験をしてみようと思っている。

 まずは遠隔から窒息させる方法。

 そろりと近づきゴブリンを射程圏内へと収める。

 そして、ゴブリンの鼻に水を発生させると、ゴブリンは藻掻きだした。

 そして数分後ゴブリンは死亡した。

 ふむ、この方法だと直接殴って頭をパーンとした方が楽だな。次。

 圧縮した水の塊をぶつけてみた、ウォーターボールとでも呼べるものだろうそれはゴブリンへとぶつかると、とても水で出来た塊とはいえない音を立ててゴブリンを吹き飛ばした。

 経験値は獲得しているようなので殺せているようだ。次。

 圧縮した水の塊から水を射出する、ウォーターカッターと呼ぶべきだろうか。

 それをゴブリンの首を薙ぐようにしてみた。

 ゴブリンの頭はごろりと落ちた。

 ふむ、まだまだ属性変換・水のスキルの数値が低い所為か、どうしても水を発生させるのに時間が掛ってしまうが、遠距離攻撃として使う分には申し分ないだろう。

 今後も属性変換・水のスキルを上げて行くことにする。

 さて、そんな事件をしつつ午前のゴブリン狩りの成果は百七匹だった。

 自宅へと戻り昼食を食べSPの割り振りを考える。


ステータス

 伊勢開成

 レベル101

 SP4

 スキル

 身体操作5

 身体能力強化4

 魔力知覚6

 魔力操作6

 属性変換・水4

 索敵4

 隠密4

 経験値64/101


 今回はSPを属性変換・水に振り分けた。

 他の属性変換を獲得することも考えたのだが、器用貧乏になりそうだったので、当面の間は魔法は属性変換・水に絞って上げて行く予定だ。

 そして取り敢えず、このスキルビルドで今後は上げて行こうと思う。

 目指すは動ける水魔法使いだ。

 では、午後のゴブリン狩りに出掛けるとしよう。

 午後のゴブリン狩りは属性変換・水の習熟をかねてウォータボールやウォーターカッターを主に使用してゴブリンを狩っていった。

 その結果近づく必要が無くなったため、いつもより安心して狩りが出来た。

 午後のゴブリン狩りの成果は百十二匹だった。


ステータス

 伊勢開成

 レベル110

 SP3

 スキル

 身体操作5

 身体能力強化5

 魔力知覚6

 魔力操作6

 属性変換・水5

 索敵4

 隠密4

 経験値15/110


 夕食を食べ終えお風呂に入りSPの振り分けをした。

 今回は身体能力強化と属性変換・水をそれぞれ五に上げることにした。

 そして、テレビを見てみると、相も変わらず壊れたラジオのように「不要不急の外出はお控え下さい」と言い続けるアナウンサーの姿と、被害の映像が流されていた。

 毎日増え続けるゴブリン達に対応するのが精一杯で避難が難航している様が自衛隊に随行しているカメラマンが映し出す映像から窺えた。

 私はレベルが上がって身体能力や魔法を取得しているはずなのに、未だに銃器に頼っている自衛隊の様を不思議に思いながら夜を過ごし床についた。


 二〇二〇年一月八日二四時、今日もその数を増やした黒い渦からゴブリン達があふれ出し世界へと放たれていく。

 そしてその強さもまた増していっていた。

 伊勢開成はこの時色々と思い過ごしをしていた。

 伊勢開成や、彼が出会った若者のようにレベルを上げてスキルを獲得するということをしている存在が極少数だと言うことに。

 これはステータスというものに順応できた存在が少ないことが原因である。

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