九日目

第12話

 今日もいつも通りの朝のルーティンを熟しゴブリン狩りへと出掛ける。

 しかし、こんな生活が何時までも続けられるのか解らない、今日からは探索範囲を広げることも視野に入れてゴブリン狩りをすることにしようと思う。

 とは言えだ、身体能力が上がったとは言え移動手段は徒歩、しかもゴブリンを倒しながらの移動だとどうしても時間が掛ってしまう。

 だが、自宅周辺のゴブリンは間引かなければ増える一方な訳で、これに対処しないと言うことは命に関わる可能性があるため、ゴブリン狩りをしないという選択はない。

 時間を確認しながら移動して足を伸ばすが、何処を見てもゴブリンだらけな風景が続く。

 そろそろ良い時間なので自宅へと戻ることにした。

 本日の午前中のゴブリン討伐数は百十二匹だった。

 自宅に戻り昼食を食べSPを割り振った。


ステータス

 伊勢開成

 レベル118

 SP0

 スキル

 身体操作5

 身体能力強化5

 魔力知覚6

 魔力操作6

 属性変換・水5

 索敵5

 隠密5

 経験値115/118


 索敵と隠密をそれぞれ五にまで強化した。

 感覚が研ぎ澄まされ、どの様に行動すれば他者の感覚から逃れられるのかの理解度が上がった。

 では、午後も頑張ってゴブリン狩りと探索に性を出すことにしよう。

 そんな訳で探索をしていると数日ぶりに例の若者に遭遇した。

 若者の方は此方に気付いておらず一方的に観察することが出来た。

「ひっひっひ!死ね!ゴブリン共!」

 二度目の遭遇だが相も変わらずお近づきになりたくない若者だ。

 私はそっと距離を取り若者から離れゴブリン狩りを行った。

 午後の成果は百十匹だった。

 自宅に戻り夕食を食べSPを割り振った。


ステータス

 伊勢開成

 レベル127

 SP2

 スキル

 身体操作6

 身体能力強化5

 魔力知覚6

 魔力操作6

 属性変換・水5

 索敵5

 隠密5

 経験値7/127


 身体操作を六に上げた時、何か力に目覚めたような感覚があった。

 なので取得できるスキルを確認してみると二つのスキルが新たに増えていた。

 その二つは徒手空拳と剣術であった。

 素手で戦っていたのと庖丁で戦っていたのが原因だろうか、この二つ以外のスキルは新しく増えていない。

 私は少々悩んだが、現状碌な武器が手に入らない現状徒手空拳を取得する事にした。


ステータス

 伊勢開成

 レベル127

 SP1

 スキル

 身体操作6

 徒手空拳1

 身体能力強化5

 魔力知覚6

 魔力操作6

 属性変換・水5

 索敵5

 隠密5

 経験値7/127


 するといくつかの有効な身体の動かし方が知識として流れ込んできた。

 そしてそれがごく当たり前のように自分が鍛錬して身につけたような不思議な感覚に襲われる。

 身体操作でもそうだが、この手のスキルは知識のインストールを行うスキルのようだ、しかも、それを扱えるのが当たり前な状態にしてくれるらしい。

 それと今日探索していて気付いていたことが一つ。

 私の自宅の周りで無事な家は私の家だけであった。

 それ以外の家ではゴブリンに襲われており、そこに居たであろう住民達はゴブリンに食べられ骨となっていたのだ。

 さて、ここで一つの疑問が残る、何故私はこんなにも安全に自宅で過ごせているのかという事だ。

 推測としては、レベルが上がった私が住んでいることをゴブリン達が察知して近づけないようにしているということ。

 この様な推測しか出てこないが、これ以外の予測が出てこなかった。


 二〇二〇年一月九日二四時、今日も黒い渦が現れゴブリン達をそこから排出していった。

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