第3話・執事、始まりの音色
最近小説へのモチベが高くて自分自身を
ほめたたえている今日この頃。
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「ここがあなたたちが今日から軟禁される客間よ、お手洗いとお風呂完備。テレビもついているし
不便はないはずよ。ごはんは使用人が部屋に持ってきてくれるわ。何かあればそこの壁についてる
ベルを鳴らしなさい。そしたら使用人が来るわ。
つまり、いちいち部屋から出る必要もないということ。もっと言うならここまでいろいろあるにも
かかわらず勝手に部屋を出た場合は何かやましいことがあると断定してすぐに通報させてもらうわ。」
客間に入り、行きつく暇もなく矢継ぎ早に話す彼女。俺と京平は顔を引きつらせ、苦笑いをしながら少し大げさにうなずいた。なにか得体のしれない恐怖を感じながら俺たちは感謝を述べ、彼女はこの部屋を離れていった。
「なぁ玲。俺、お嬢様って言う物のイメージがぶち壊された気分なんだが。あんなに元気ハツラツなものなのか?もう少しお淑やかで、優雅で、なんかフワッとした感じのかと思っていたんだが。。。」
怖い人に友達がさらわれそうになった挙句、その怖い人たちに喧嘩を売り、走って逃げて、さらに本人には口が裂けても言えないが中々に癖がすごいお嬢様を前に疲れたからか声のボリュームがどんどん下がっていく京平。それを見て、やっと緊張感が解けたからか、どっと体に疲れを感じ、椅子にもたれかかる。
「お嬢様のことなんてわからない。俺とも京平とも住む世界が違うからな。ただ、早口でいろいろ言われてた時は、得体のしれない恐怖を感じた。まるでヲタクの人に詰め寄られている感じ。」
「それな。別にヲタクのことを悪く言うつもりはないが。あぁいう風なのは少しご遠慮願いたい。
シンプルに怖いし、聞き取れないし。」
「彼女がヲタクだと決まったわけではないけどね(笑)」
それからお互い無言の時間が続いき、疲れもあり、意識が途絶えた。
===少し時を遡る===
客間での注意事項と脅しを終えた後。
「はぁ、しまった。また悪い癖が出てしまった。早口で話すのはやめようと思っていたのに!
引かれてないといいけど。ってまずは調査よ調査。嘘ついてないか調べなきゃ!それにしても玲くん
だったかな。彼の声ものすごくタイプ!若干の
ヤサグレ感のある口調も最高!ふふふふふ。
これは、ものにしなければ!あんなに理想の声じゃなければ助けようと思わなかったかもしれない!
そう!まさに運命!!ふふふふ。あ、電話かけなきゃ。。。陣馬!急ぎで調べてほしい要件が!えぇ、先ほどメールに送ったわ最優先で調べて!小鳥遊玲くん。私の夢とヲタ活のために逃がさないわよ。。。ふふふ。」
一人になると、キャラも口調も大きく変わって少し口悪くなってしまうお嬢様こと椿彷徨、夢とヲタ活のために小鳥遊玲をどうするのかは。彼女にしかわからない。
===時を戻し今===
「ハクション!!!ん?あれ?俺達寝てたのか。」
「うん?あれ。いつの間にねてた?」
「さぁ?とりあえず今何時?」
「20時過ぎだな。玲は腹減ったか?俺はもうペコペコだ」
どうやらあれから三時間近く寝てしまっていたらしい。そりゃ、朝起きて、昼も食わずに逃げ回って
ここにたどり着き、なんやかんや説明したり、
されたりしてそのまま寝てしまったのだから
お腹はすいてしまうだろう。
「俺もペコペコ。確か壁についてるベルを鳴らせばいいんだったか?」
そういって、俺はベルを鳴らす。
キーンコーン
「お待たせいたしましたご用件をお聞きします。」
「はやっ!押してから一分もたってないぞ!?」
「たまたま近くにいましたので。」
物の数十秒でドアをノックされ、外に立っていたのは執事服を着た、きれいな銀髪をした初老の男性。おかしい。部屋の外には人は見当たらなかった。
いや、この広い屋敷に人が見当たらないのも
おかしな話だが、それは置いておいて近くにいた
としても、入るときに人は見当たらなかったし、
ここに来るまでの廊下も異常に長かった。部屋と
部屋の間隔も広く隣の部屋に行くには走っても一分はかかる。服装の乱れも髪の乱れも少しの息の乱れすらない。どうやって来たのかわからなくて色々怖い。京平の考えたことも一緒だったのかほぼ悲鳴に近い声を出している。そう混乱していると続けて執事の人が、
「申し遅れました。私の名は陣馬。
陣馬紡(じんば つむぐ)と申します。主に彷徨
お嬢様の身の回りの世話をしている筆頭執事でございます。ご用件は?」
「あ、えーと。俺達は「橘様と小鳥遊様ですね?お嬢様からはお話を伺っております。」あ、はい。。。そうですか。。。」
「あ、え、えーと、俺も京平もおなかがすきまして。こんな時間に申し訳ないのですが、何かご飯ってあったり。。。」
「すぐにご用意いたします。」
最後に、陣馬さんは終始無表情だった。顔の筋肉がピクリとも動かない。なにかものすごい嫌な夢を
見ている気分。ほんとに怖い。いろいろと。
京平は処理が追い付かず、開いた口がふさがっていない。今にも白目向いて倒れそうだ。
まだたった16年ほどしか生きていないが、今日を越せるほどの濃厚な一日はやってこないと思う。、たぶん、きっと、おそらく。お願いだからフラグにならないでください神様。今日一日で俺の人格がだいぶ変わってきている気がする。。。
~~~夜食後~~~
「色々あったがさすがにこうも立派なお屋敷ともなると料理もものすごい豪華だな!ありあわせのもので軽く作ったといっていたがそれでも大満足だった!」
驚きと恐怖のあまり様々な感情のコントロールができずに固まっていた京平も、部屋に持ってこられた料理のにおいには本能的に察したのか、すぐに元に戻り、料理を堪能していた。ちなみに今は冷静に
状況把握できている俺だが。理性をなくした獣の
ようにがっついてご飯を食べてしまっていたらしい。ほぼ今日一日何にも食べてないんだ。それまでも昼の一食、食パン一枚しか食べてなく、久しく
味という物を忘れていた俺にとっては言葉で表せられないほどのごちそうだった。許してほしい。
「お、もうこんな時間かいつもより寝るには早いがまだ疲れもたまっているし今日はもう寝るか。
幸い同じ部屋ではあるがベッドは二つあるし気まずいことにもならなさそうだしな。」
京平がそう言い、そそくさと寝室に向かってしまう。
「ていうかずっと気になってたけど、明日から学校俺も京平もしばらく休むことになってるけど一体
学校になんて説明したんだ?まぁ、いいか。」
そうして俺も京平の後を追い、泥のように眠った。
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思っているより展開が進むのに時間がかかってしまう!
前から次回は執事になります!Vtuberになります!って
言ってるけどもはや詐欺じゃん!許してください。
なんでもします(何でもするとは言っていない)
コメント等よろしくお願いいたします。
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