第23話 引っ越しパーティー2
みっちゃんの紹介を簡単に済ませたらみんなの緊張が解けるようにみっちゃんをみんなの前に連れていき握手させて交流を深める。
料理が焦げてもいけないので出来上がったものをどんどん皿へと持っていく。大和君がさっそく串焼きを食べたみたいでおいしさに喜んでくれている。
「うめぇ!野菜は普通だけどこの肉が口の中でとろけてうますぎる!」
「ほんとだ、これはグレーターバイソンのお肉だね。」
大河さんは、さすがA級冒険者とゆうこともあってすぐに何の肉かを当ててしまった。こんなことを思うのは失礼だろうがA級冒険者ということは俺なんかよりもいいものをたくさん食べてきたことだろう。子供達には新鮮でも2人には食べなれたものだろう。
「あらほんとね、グレーターバイソンのお肉だわ!内藤さん私たちのためにありがとうございます。モンスターの新鮮なお肉なんてめったに食べないからうれしいわ。」
「そうだな。今までは全部売ってしまって持ち帰ることなんてなかったからな。それに時間停止の付いたアイテム袋なんか1つしか持ってなくて遠征用に使っていたからな。」
上位冒険者でもモンスターの肉をそんなに食べないんだな。偏見を持ってしまっていた。赤城夫婦すみません。
「ママの料理もおいしいわよ。」
陽菜ちゃんは脂っこいのが苦手なのかサラダとホタテなどの海鮮を食べていた。ホタテは大きくほかのサザエや大アサリなども普段スーパーで見るものよりも大きい。
「今日のために友人からもらってきたんです。僕たちも普段は買わないですが今回は奮発していいものを選んできました。」
赤城夫婦は俺と同じ金銭感覚なんだろう。いわゆる庶民の金銭感覚ということだ。これに早く気づけたのはいいことだろう。A級冒険者と言えば何千万、何億と稼ぐお金持ちなのでもっと富豪見たいな生活を送っていると勝手に思っていた。
みんなモリモリと食べてくれているので、メインのスペアリブを焼いていく。と言ってもただ網にひいて焼き目をつけていくだけだが。
「おおぉ!!うまそう!」
「(おいしそうだわ!)」
食いしん坊が2人釣れた。焼いている俺を挟み込むように立ち早く食べたいと目で訴えてくる。焼き目が付いたのを確認したら2人の皿に置くとすぐに食いついた。
「うめぇ!!とろける~!」
「(さいこー!!もう一個、もう一個ちょうだい!)」
2人とも気に入ったようでバクバクと食べてくれている。このまま放っておくと全部食べてしまいそうなので一部確保しテーブルのほうにもっていきみんなが食べられるようにしておく。さっそく俺も食べてみよう。
「うまぁぁぁ。」
噛んだ瞬間にあふれる肉汁と、とろけるように崩れていく食感は癖になりそうだ。それに炭で焼いたことで表面はパリパリになっておりその食感もたまらない。
一通り食べ終えおなかがいっぱいになってきたのでデザートをクーラーボックスから取り出す。何も手を加えていないそのままで味わってもらう。みんなの前に置いたらさっそく食べてもらう。
「どうぞ、うちで育てている果物です。そのままでもすごくおいしいのでぜひ食べてください。」
「いただきます。んーーー!」
陽菜ちゃんが桃を手に取り一番に食べてくれた。一口噛むと果汁があふれてきたのだろう口をパンパンにして嬉しそうに目をつぶってくれている。俺も最初食べたときは驚いたからな、果物の体積以上の果汁が詰まっているからまじで不思議だよな。
陽菜ちゃんに続きみんなも食べてくれ皆おんなじ反応をしてくれた。
「パパたちの仕事ってこの果物の警備だよね?これって時々もらえたりする?」
「もちろんいいよ。あんまり量は上げられないけど生産者の特権てやつだね。季節ごとにいろいろもっていってもらうよ。」
やったと小さくガッツポーズした陽菜ちゃんは桃を食べるのに集中した。
「おかわりもあるからどんどん食べてね。」
そういうと大和君が口の中をいっぱいにしてこちらに急いで寄ってきたが陽菜ちゃんが突き飛ばしおかわりの果物を全部持って行ってしまった。
「陽菜~!それはずるいだろ。」
「あら、大和はお肉が大好きなんでしょそっちは任せたは、これは私とママが食べるわ。」
あぁ家庭内の序列は陽菜ちゃんのほうが上なのね。大和君かわいそうに、仕方がないので俺のを分けてあげたらそれも陽菜ちゃんが持って行ってしまった。
「内藤さん、大和に優しくする必要なんてないわよ。」
もう一度言おう大和君かわいそうに。
そんなこんなで食べ終わた後にしばらく話をしたら解散することになった。赤城夫婦が働き始めるのは来月からなのでしばらくゆっくりしてもらおう。みっちゃんももうみんなと仲良くなったようで打ち解けている。特に大和君とは相性がいいのかもう一緒に遊んでいる。俺も仲良くやっていけそうなのでよかった。
後片付けをして帰る準備を終え別れの挨拶を告げ家に向かった。
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