第22話 引っ越しパーティー1

さて、料理の準備をしていこう。


今回は、外でバーベキューをしようと思っているのでまずは定番の串焼きを作っていこう。大きめの金串に野菜・肉を刺していくだけだが、せっかくなので肉を前回のダンジョン探索で手に入れたグレーターバイソンの肉を使っていく。手に持っただけで肉の良さがわかる。普通の赤み肉とは違い高級和牛のようなサシが入っており持っているだけで油が解け出てくる。まあ、高級和牛なんてテレビで見るぐらいで実際に食べたことはないけど・・・。


まず肉をある程度の大きさに切り焼き肉のたれにつけておく。野菜は、パプリカに玉ねぎ、ミニトマトベビーコーンを用意し肉に合わせた大きさに切る。肉がある程度漬かったら串にさしていき塩コショウをふりかけバットの中に入れていく。


次に焼きトウモロコシ。ぶっちゃけこれは俺が食べたいだけだ。トウモロコシはゆでる人と蒸す人がいると思うが、俺は茹でる派なので皮をむいたトウモロコシを熱湯の中に入れ茹でていく。茹でている間にしょうゆ、砂糖、みりん、バターをフライパンで熱してタレを作っておく。トウモロコシが茹で終わったらこれで完成あとは網の上で焼くだけだ。


どんどん取り掛かっていこう。次がアヒージョ。これは定番だろう。むきエビをたくさん用意し、マッシュルームを薄切りにしていき、ミニトマトもヘタをとり洗っていく。ブロッコリーは一口大に切っていき芯も薄切りにしていく。スキレットを用意し皮をむいたニンニクを包丁で潰し、種を除いた鷹の爪を入れる。鷹の爪は種が辛いため苦手な人は抜いておくといいだろう。後は具材を入れ塩を振りかけ浸るまでオリーブオイルを入れて完成。


あちらもいくつか料理を作ってくるというのでこれで最後にしよう。最後はばねキューと言えばこれ、スペアリブだ!使うお肉はカーネルミノタウロスを使っていく。これにはみっちゃんも超期待して待ってくれている。


まずは下茹でから行う。塊になっている肉をあばら骨に沿って切り分けていく。切り終わったらフライパンで軽く火を通し焼き目をつけていく。鍋に肉を入れ浸るように水を入れ茹でていき灰汁を取りながら肉が柔らかくなるのを確認する。茹でている間に漬けダレを作っていく。今回は蜂蜜を使ったハニーマスタードだ。蜂蜜はもちろん自家製の物を使う。玉ねぎをすりおろしショウガ、蜂蜜、酒、粒マスタード、塩を入れ混ぜ合わせる。程よい柔らかさになった肉を取り出しポリ袋に入れ塩コショウを入れ馴染ませたら時間までたれにつけておく。


よし!料理はすべて完成したので。後は会場の準備だ。簡単なバーベキュー台を作っていく。ドラム缶を縦半分に切断し横にする。。転がらないようにブロックをいくつか=のようにしきその上にドラム缶を置く。両サイドに穴をあけ空気が通るようにしたら中に網を敷き炭を入れたら完成だ。あとは料理をのせる網を引くだけだが時間にはまだ早いので後にしよう。


まだ時間があるので、デザート用の果物を取りに行こうと思ったらみっちゃんが果物の入ったカゴを持ってきてくれた。


「(はい、これ。私が一番いいやつを厳選して持ってきてあげたわ!)」


カゴにはいたものを見ると、アメリカンチェリーは真っ赤に色んでおりとても濃い赤だ。桃は柔らかく熟れており今にも張り裂けてしまいそうだ。見ているだけでもわかる、これはすごくうまいだろう。


「さすがみっちゃんだな。どれもおいしそうだ。」


「(当り前じゃない!私たちはこういうことには専門家みたいなものよ人間なんか目じゃないわ。)」


誇らしげに胸を張りもっと褒めとアピールしてくるみっちゃんをさらにほめて機嫌を取っておく。果物は冷蔵庫にしまい冷やしておく。やることもなくなったので居間でみっちゃんとテレビを見て時間をつぶした。


日も暮れ始めいい時間になったので料理などをもって移動する。まだみんなは来ていないようなので炭に火をつけいすを並べていく。しまった、飲み物を忘れてしまった。一度家に帰りお茶をもって戻ってくるとみんながついていた。


「内藤さん、今日はありがとうございます。大和、陽菜こっちへきて内藤さんに挨拶しなさい。」


大河さんが呼ぶと中学生ぐらいの子がこちらにゆっくりと歩いてきた。


「初めまして、大和です。将来の夢は上位冒険者なんでいろいろ教えてもらえると嬉しいです。」


「私は陽菜、よろしく。ほんとはこんな田舎に来たくなかったけど一人暮らしはだめって言われたから仕方がなくついてきたの。」


大和君は仲良くやれそうだけど、陽菜ちゃんは気難しそうだな。これから長い付き合いになるからできれば仲良くやっていきたいが・・・。


「こら、陽菜。変なことを内藤さんに言うんじゃない。すみません、ここに来るのにひと悶着ありまして。本人がまだ納得できてないみたいなんですよ。」


「都会生活から田舎ですからね。環境が何から何まで違いますから仕方がないですよ。それに友達も向こうにはいたでしょうから気持ちはわかりますよ。」


こんな俺でも少しは友人がいたがこの生活になって疎遠になってしまった。まあ友人と言ってもたまに食べに行くぐらいでどこかに遊びに行ったりなんかはなかったのでそれぐらいの友人とゆうことだろう。もしかしたら他人から見たらこれは友人とは言えないのかもしれないが俺は友人だと思っている。


「こんな話はやめにして、バーベキューの準備しましょうか。」


大河さんに話を止められ準備に戻る。あちらは海鮮やサラダなどあっさりしたものを作ってきてくれたようだ。こちらと料理がかぶらなくてよかった。


網を敷き、料理を置いていく。火が通り食べれるようになったのでコップに飲み物を入れ乾杯をする。


「今日は、赤城家の引っ越しパーティーになります。これからよろしくお願いします。乾杯。」



「「「乾杯」」」


「(乾杯)」


「「「「!!!!」」」」


待ってましたとみっちゃんが出てきてグラスを持ち上げる。この光景にみんなびっくりして固まってしまった。俺はみんなが固まってしまったことに思わず笑ってしまった。


「はははは。すみません。この子はみっちゃんと言いまして、俺の従魔になります。この子のおかげで養蜂家兼果樹園として仕事ができているんですよ。みなさんもこれから頻繁に顔を合わせることになりますから今日は顔合わせということで一緒に参加します。」


「ギー(よろしく!)」


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