第14話 家庭菜園
最近の日本は野菜が高いというが、意外と畑を持っていて使っている人はスーパーなどではあまり買わず必要最低限の野菜しか買わないので出費が少ないのだ。だけどデメリットとして作った野菜ばかりの食事になってしまうのが痛いところだ。例えば夏なんかは、茄子やキュウリ、ピーマンなどは1つの苗からいくつもできるので毎日消費しないと冷蔵庫がいっぱいになってしまうぐらいで家では毎日、おかずの一品で煮物や浅漬けなんかが出ていた。
そういう生活をしてきたこともあって、買うというよりは作るというほうが俺にはしっくりくるのだ。スーパーに行っても、あれがこんな値段で!っていうことがよくあってみんなよく買うなって思ってしまう。
それにせっかく田舎に来たのだから、農業は定番だよね。本職の農家さんなんかには負けるけど、家庭菜園でも十分立派なものができるのでやれるだけやってみようと思う。
まず土を作るところからだ。硬くなった土をスコップで掘り起こし鍬でさらに細かく耕す。これが結構重労働で腰が痛く体力も使う。
「あーーー。やっと終わった。腰が痛くてまっすぐ立てない、いったん休憩にしよう。」
「ギーギ♪」
縁側でみっちゃんがジュースをもって待っていてくれた。隣に座るとコップにジュースを入れて手渡してくれた。農作業を一緒にやってくれるわけではないがこういったサポートをしてもらえると自然と笑みが出てしまう。
「みっちゃん、ありがと。」
「ギギ。」
「本当は、一緒に会話ができればいいんだけどね。いつかはしてみたいもんだ。そろそろお昼にしようか。」
お昼ご飯は、広田さんからニラをもらったのでニラ玉にしようと思う。作り方は簡単だ。
にらを洗って適当な長さに切り、溶き卵を用意する。
ごま油を入れたフライパンに卵をを入れ半熟で取り出す。
ごま油を足しにらを炒め火が通ったら半熟卵を入れる。
塩コショウ・鶏ガラスープの素を入れ混ぜ合わせ出来上がりだ。
ご飯との相性は抜群でモリモリ食べることができる。ニラの味がたまらない。実家の花壇に食用のハナニラが植わっていたことがあり9月10月ごろになると小さな白い花がたくさん咲き意外ときれいなのだ。食後の昼寝をしたら休憩は終わりにして続きをしよう。
次は耕した土の中に塊がちらほら見えるのでそれを手で崩していきすべて細かくなったら小粒石灰と混合堆肥をまき土と混ぜ合わせる。これでいったん土づくりは終わりだ。後はこのまま土に栄養がなじむのを待つだけだ。
「よっし!これで終わりだな。いてて・・腰が痛すぎて明日は筋肉痛だな。」
結局丸一日かかってしまったが無心でやっていたので意外と早く終わってしまった感じがする。
一か月後には畝を作り、いよいよ種や苗の栽培にとりかかることができる。何を植えようか迷いどころだ。夏野菜の定番、茄子・キュウリ・ピーマン・人参はもちろんトウモロコシや枝豆、オクラなんかも作りたい。
ちなみに今出た野菜の中で俺の好きな食べ方は、オクラの天ぷらや蒸し茄子が大好きだ蒸し茄子なんて柔らかく中がトロトロになっていてショウガ醤油で食べるとすごくおいしいのだ、ぜひみんなにもやってもらいたい。
どんな野菜を育てようか考えながら片づけを終えると、みっちゃんの待つ家へと帰った。
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