第7話 いちご狩り

あれから一晩たち今日は8時に起床した。


ビニールハウスへ向かった歩いていくとすでにみっちゃんがハチたちを集め指示を出していた。


「みんな、今日はイチゴの収穫を手伝ってもらう。お昼までには終わらせるつもりだから頑張ってくれ。収穫したイチゴは段ボールに詰めてってくれ。」


昨日準備しておいた段ボールの小箱を組み立てて並べていく。俺が話してからすぐにイチゴが運ばれてきた。傷んでしまっているものはハチたちのまかないとして食べてもらう約束をしている。ゴミが出ないのはいいことだよね。


2時間ほどして収穫は終わった。念入りに見回ってもらったから時間がかかってしまった。


収穫量は小箱20個にもなった。近所へ配るのは5箱だけでいいので残りをどうにかしなければいけない。とりあえず箱を家まで運び5箱を車へ積み込む。みっちゃんにお留守番を頼み近所の家に向かう。


挨拶に行く家の方は、この前の野菜農家の広田さん、猟師の後藤さん、米農家の片山さん、造園屋の山崎さん、町内会長の吉川さんの5人の家だ。この人たちは家が近いだけでなく自分がいない間家周りの管理をしてくれたいい人たちなのだ。恩を返さねばいけない。


広田さんの家に着いた。本人は不在であったので奥さんに挨拶とイチゴを手渡し後にした。お返しに野菜をいくつももらってしまった、とてもありがたい。


後藤さんは猟師をしながらシイタケ栽培や山の食材を収穫したりと山での仕事が多いため家にいないことが多いがたまたまお昼ご飯を食べており挨拶することができた。


片山さんは移動中の田んぼにいたので話をした後、家に息子さんがいるから渡してくれと言われた。息子さんにも挨拶を済ませお米を3俵ももらってしまった。


山崎さんは果樹園を作る際に木を集めてくれた方で、植えるのもやってくれてかなりお世話になった人だ普段は会社の事務所にいると聞いていたため会社へお邪魔する。


「こんにちは、内藤と申しますが山崎さんはお見えでしょうか?」


受付の方へと声をかけると奥から山崎さんを呼んできてくれた。山崎さんにお礼と挨拶を済ませイチゴを手渡した。


家に帰り残りのイチゴについて考える。配る人もいないし自家消費するにも数が多すぎる。どうしようか悩んでいると冒険者組合の川口さんがこちらでとれたものを安く卸してほしいと言っていたことを思い出す。おそらく蜂蜜のことを言っていたのだろうけどこの際頼らせてもらおう。


「もしもし、内藤ですが以前話していた件ですが今お話しできますか?」


「はい、大丈夫ですよ。もう蜂蜜が集まったんですか?」


やっぱりはちみつのことだった。


「いえ、それが・・・。蜂蜜を集めるために植えた果物が消費できなくてもしよかったら組合のほうで買い取ってもらえないかと相談したくて。」


「果物ですか。基本は買い取りしてないんですが、一度支店長に確認してきます。」


そう言い保留音へ変わる。しばらく待っていると川口さんから支店長へと変わった。


「俺は名古屋支部長の奥村だ。話は聞かせてもらったが野菜・果物の買取はしていない。基本的に買い取るものはダンジョン関係のものだけでそのほか一切売買はしない方針だ、素直に八百屋に卸してくれ。」


「それだったら、うちの魔物のハチがお世話しています。まだ2日ですが・・・。魔物謹製の果物ということだったらうれますか。」


「それだったら買い取れないこともない。だが2日か・・・。まあ今回だけは買い取ってやる。届いたものを鑑定してただの果物だったら次からは無しだ。値段はキロ1000円だな、金は銀行に振り込んどいてやる。」


「ありがとうございます。ではこれからそちらに送りますのでよろしくお願いします。」


よかった今回は売ることができた。でも次からどうするか本格的に考えなければ食べきれない果物であふれてしまう。ハチたちに食べてもらうこともできるがそれでは少しもったいない気がしてしまうのだ。


俺は過去の仕事のつてで商品輸送の知り合いがいるのでさっそく電話をかけ運搬業務をお願いする。みんなはたまに軽トラックみたいな車の荷台が観音扉のついた箱になっているものを見たことがあるだろう。それは商品輸送車になっていて中にはクーラーがついており冷凍品も運べるようになっているのだ。


2時間ぐらいでこちらに着くようなのでイチゴを玄関に運びテレビを見て時間をつぶすことにする。


みっちゃんは果物の消費方法で困っている内藤の姿を見てどうにかしようと内緒でハチたちに指示を飛ばした。ハチたちは収穫したイチゴに魔法をかけていき農園の果物にも魔法をかけていく。魔法をかけ終わった果物を見つめみっちゃんはうなずきその場を後にした。


車が到着したので商品を積み込み出発を見送る。


あとは組合に着くのを待つだけだ。


自家消費するイチゴを調理するための材料をスーパーに買いに出かける。いろいろ試したいので必要なものは一通り買ってこようと思う。みっちゃんに出かけることを伝え来る前乗り込む。


※これは小説ですので、食品販売に関する資格や許可書、法律は気にしないでください。ちなみに作者は1つも知りません。

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