第25話

  12月14日


もう少し内部事情を披露したい。

実にバカバカしい事件が起きたのは10月2日。出勤してロッカーを開けると私物がスッカラカン。私のじゃないユニフォームが一組キチンと畳まれて入っていただけ。

私は一瞬戸惑った。ロッカーを間違えたのかと思ったが、何度見返しても私のロッカーである。責任者のOさんに事情を訊くべくロッカー室を飛び出すと、丁度、私と交代と云う形になる (ここにも見逃せない問題があるのだが またいつか)Kさんが通り、何度も私の名前を確認した後、私の私物が事務所の机の上に置かれていると言う。更にKさん曰く、Hさんが私の事を「そんな名前の人はいない、辞めた人だ」

と、言い切ったと云うではないか。私の頭の中は益々混乱した。

早く事情が知りたくてOさんが戻ってくる間 「このまま荷物まとめて帰ったろか」と、考えたり……

事情はこうだ。

HさんよりベテランのIさんが自宅で怪我をして暫く休む事になった為、新規に募集をかけたら2~3人の雇用が決まってロッカーが必要になった。ロッカーキーのスペアを管理しているのは責任者のOさんである。そのOさんも、Hさんも私を「退職した人」扱いで私のロッカーをあてがったと云う訳だ。

百歩譲っても、ロッカーの中には私のネームバッジがついたユニフォームの他にも作業用の靴や清掃用の小道具が入っていたんだよ? (何故、清掃用の小道具をロッカーに入れなければならないか? これも後々……)

たとえ、実際に退職した人だったとしても、に、しても‼ネームバッジのついたユニフォームを何で何カ月もほっとくの? イミが解らない。

掘り下げていくと、Hさんは単に私の名前を勘違いしていただけと解ったが……

どうりで、私の名前を呼ぶとき微妙に異なる音で呼んでいたっけ。メンドクサイから

適当に返事してたんだよね。Hさんは恐縮して謝ってくれたけどOさんは我関せず顔でシレッとしてた。そして、これで終わらないのがこの会社の恐ろしいところだ。

翌週、今度は5年も勤めているMさんのロッカーが餌食に。

私のケースと同じくMさんの私物が机の上に……

もう……何だか、○○につける薬はないと云ったお手上げ状態である。

この他にも、店サイドから普段やらない清掃をやらされてOさんに報告するとキレ気味に契約にない仕事だと大見得を切った後だというのに、一週間後出勤して連絡帳を見たら、Aさんが店側の強い要望で契約外の清掃をやった事が書かれていた。勿論私はOさんにどういう事かと尋ねたが、「だって、店長が言ってくるんだ……」って、コソコソいいやがる。

ガキの使いじゃあるまいし‼

つい先日も私の給料明細を持ち帰った人がいた。机に残っていたのは私の明細書を持ち帰った人の封筒が一通あるのみ。Oさんにすぐ確認してくださいと言ったがやらず、翌週机の上に封を切った私の明細書が置いてあった。間違いは誰にでもあるさ。

でも、マナーってもんがあるでしょ?一言半句の詫びの言葉もないって何なの?


締め括りにちょっと引いちゃう話を一席

男子トイレがとにかくヒドイと云う件。 男子トイレには個室が二つと小用の、通称

アサガオが三基あるのだが、どうやったらそんなにアサガオから外せるの?ってくらい汚される。うっかり的を外したなんてレベルじゃない。アサガオとアサガオの間に用を足すのだ。当然放たれた汚水は床をビショ濡れにして、その上を平然(か、どうかは知らんけど)と歩くからその足跡がトイレ内に留まらず売り場まで続くので

もう、いっその事オムツしてきてよってマジで思う。散々汚水を踏みつけた靴で食品売り場を歩くって……用を済まして水を流す時はウイルス対策に便座の蓋をしてって言うけど 汚水が沁み込んだ靴で食品売り場を歩く方がモンダイだと思うけど。

それに、私は便座の蓋を開けるときドキドキする。何度かヒドいモノを見せられたトラウマである。この仕事のネックは男子トイレで、3カ月前までは年内でやめる気満々だったのだが、毎年購入している易本のお陰で気持ちを切り替える事ができた。私に向いている職業の中に清掃人があったのは知っていたが、これまで「ふぅ~~ん?」と、殆ど無視していた。しかしこれがタイムリーで、私の考え違いを修正したのだからキッカケとは分からないものである。

自分がやらなきゃダレがやる?ってなもんで、酷く汚されたトイレも以前より気にならなくなり、キレイに清掃した後は「どうだ!!!!!」キラ~~~~ンってカンジ。


でも時々、垂れ流して素知らぬふりをしている紳士の皆さんにこんな毒を吐く。

くたばっっっちまえ!!!!! アアア~~アア~~アア―――メン!!!!!

                      ―――へへ……――


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る