PBMの魅力③ 自由な行動が物語を作る

PBMでは、物語の状況に対して、大まかな「アクションリスト」が提示されるのが常です。

「○○と戦う」とか「××の探索に行く」とか「△△のイベントに参加する」とか。

次回のクエストリストと言いかえてもいいのかもしれません。


プレイヤーはこのリストから、自分が関わりたいものを選択し、細かい行動を決めます。

この「細かい行動」が、すなわちアクション。

そして、PBMにおけるアクションなるもの、基本的に「どんな内容でもいい」ところが良い点です。


たとえば、「○○と戦う」というアクションリストを選ぶとして。

あなたのPCはどんなふうに戦うのでしょう?

肉弾戦向きの能力を持っているのなら、剣や弓や槍や斧を持って真正面から挑んでいくことになるでしょうし、魔法使い系なら魔法を使って挑んだり、誰かのサポートをしたりするかもしれません。もちろん後方で他のPCの回復に徹しますというのもありです。

さらには事前に弱点を調べに行くとか、作戦を立案して献策するとか、こっそり隠れて不意打ちするとかもできます。「最後の最後まで、戦いを避けるために説得を続けます」とか、「戦って帰ってくるみんなのためにグルメフェスを開いて待っています」とか、そういうアクションの方もいたりします。

なんなら敵側に寝返って他のPCを迎えうつというのもありです。


まあ、そのPCにとってできそうなことであれば、何でもいい。

「戦う」というリストだからといって、その後のコマンドが「たたかう にげる」しかないってことはないのです。


ですから、アクションの成否を判定し、結果をとりまとめて小説や記事に書き起こすというマスターの仕事も、臨機応変が求められました。敵側が強すぎて、こちらの意図に反して砦の陥落を描写せざるを得なくなったこととか、その砦を取り戻したと思ったら敵側についたPCさんが人質を取ってしまって、想定外のイベント発生とか……あったなあ……

閑話休題。


ダイナミックですよ、PBM。

毎回の物語がどういうストーリーになるか、マスターにもわからないんですから。

コンピューターではなく、人と人が物語をにかかわっているからこそ、です。

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