PBMの魅力① オリジナルのキャラ設定がオフィシャルに

ゲーム世界を旅するには、なにが必要でしょうか。

当然ながら、自分自身の分身として活動してくれるキャラクターが必要です。

そしてPBMのキャラクターメイキングは、PBMというゲームの魅力の半分くらいを占めると私は思っています。なぜなら、単に性別や職業を選べます、容姿をカスタマイズできますというレベルではなく、どこまでも思い通りのキャラクターを作れるから。


たとえばゼルダの伝説なら主人公はリンクと決まっていますし、キャラクタービジュアルのカスタマイズを受け付けるようなゲームでも、彼や彼女の背景設定は自分の中にしかありません。

でも、PBMでは、自分のPCについて、「すべて」を自分でデザインできます。年齢、性別、身長体重、目の色、髪の色、顔立ち、口調や性格、そしてそれまでの経歴(なぜそこにいて、この先どんなことをしたいと思っているのかなど)まで。

それらは判定者であり行動結果の執筆者であるマスターに、全部共有されます。


小説を書く方ならよくお分かりになると思いますが、これは、物語の中で人物をきちんと描写していくには、それだけの設定が必要だから。まあ、あんまり細かすぎるのもそれはそれで大変なんですけれど、基本的には、設定がしっかりしていればいるほど、書く側はやりやすい。

だからこそ、プレイヤーは完全にオリジナルのキャラクターを投入することができるわけです。

主人公のビジュアルや設定が決まってしまっているゲームに、ちょっとでも不満を覚えたことがある方なら、これはわくわくするんじゃないのかなと思います。


まあ、制約がまったくないわけではありません。ゲームですから、能力値やスキル、購入アイテムといった要素もあって、そういうところに関してはルールに従ったメイキングが必要です。


また、キャラクターの設定はほぼほぼ自由ではありますが、世界観に抵触したり、キャラクターが有利になりすぎたりするようなものについては却下されることもありました。


オッケーと却下の境目は、その設定によってキャラクターが他のキャラクターより有利になるかどうか? でしょうか。

たとえば世界観が異世界ファンタジーだとして、下記のような感じです。


・「異世界から転生してきた」→オッケー

 「いざというときに、女神から授かったすごい能力が解放される」→却下


・「実は出奔した王家の一人である」→オッケー

 「各地の王族とコネがある」→却下


・「生き別れの恋人を探している」→オッケー

 「その恋人はとあるNPC(マスター側で扱うキャラクター)である」→却下


ようは、チートはナシ。

また、自分じゃない人が扱っているキャラクターとの人間関係を指定するのも不可。ただし、プレイヤー同士で「このキャラとこのキャラは兄弟です」とか「友達です」とか「恋人です」とか決めるのはオッケーです。


面白いのは、ストーリーの中でPCが他PCやNPCとかかわるうちに、その世界の中で、ちゃんとキャラ同士の人間関係が築かれていくところ。もちろんNPCとの関係も個別です。アクションや状況やストーリーの進行によって、友達になったり師弟になったり、恋愛モードに突入してしまうこともあったり。


こういうのは、プレイヤーが魂となって、PCをちゃんと生きた存在にしているから、そして人と人が物語を紡いでいるから起きてくること。

PBMの楽しさのひとつじゃないかなと思っています。

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