第5話 馬着

冬に近づくと、朝晩は寒くなるので、お兄さんお姉さん馬は馬着を着る。いつ本州に呼ばれるか分からないので、冬毛を遅らせる。まだ向こうは暖かいので、冬毛になるわけにいかない。シロちゃん達はまだ慣れてないので、着せるのにも練習が必要なのだが、彼女は白毛の汚れが目立つためか、他の1歳馬より先に着ている。馴致が始まらない馬はしばらく馬着を着ない。なので、冬になるとぬいぐるみのようにモコモコになって、可愛い。

この馬着が苦手な馬もいる。必死で脱ごうと裾を噛り、引っ張り破く。それでも、着せる。生地が丈夫なものになる。破れなくなるが、馬房の中で馬着と葛藤してる馬は必ずいる。


春になると、昼間は暖かいが朝晩は寒いので、薄い生地の馬着に衣替え。

相変わらず、馬着と格闘する馬はいる。生地が薄いので、ボロボロになる確率は高い。ボロボロにした馬は、馬着から解放される。


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