第11話

帝都はやはり大きく広かった。

ゲームしてた人間ならここ見て感動するんだろうな~帝都の入口の門を眺めながらそう思った。

まぁゲームしていなくても十分感動できる。

中世ヨーロッパってこんな感じだったんだろうな~と思いながら私は感動している。


そうこうしていると馬車は進み帝都の門を潜りミリオネラ商会本店へと到着した。

正直言って何これ?である。

デカい、大きい、間違いなく大商会だよな?と思いつつルイスさんの方を見るとこっちの視線に気が付きニコッと笑ってこっちを見ている。

こちらもニコッと笑って返したが、引き攣っていなかったか心配である。

これで任務がいったん完了で、数日後に御者の2名が我が町に帰る時にまた護衛するのでそれまで帝都待機だそうだ。

宿も商会の方で手配してくれるとのことなので数日は観光でもして時間を潰すこととなっている。

ゲイツさんたちは護衛中は禁酒していたので終日酒場で騒ぐらしいが私は掘り出し物がないか等々の帝都探索&観光を楽しむお上りさんをするのだ。


数日間の宿となるのは「森の恵亭」と言う内装が木の温もりを感じるような宿だった。

併設する食堂兼酒場で夕食を取る。

美味しいが舌の肥えた元日本人にはやはり物足りない。

明日から食を充実させる為にも市場等を調査して掘り出し商品をGETだぜ!!

翌日の朝、宿で市場の場所を聞いて早速繰り出す。

流石、帝都と言うべきだろう露店の数が多い事多い事。

冷かしながら食材を見ていくと見慣れた物ばかりではある。

お!卵発見。

卵以外に高いんだけどプリン食べたいんだよな~如何しよう・・・買う事とにした。

砂糖の代わりに蜂蜜で蜂蜜プリンを作ることに決めた。

次に発見したのは香辛料であるがここでカレーとか言っちゃう人いるよね?

カレールーっていう便利なものがある日本人が香辛料を混ぜ混ぜしてカレー作りました?

無理ーーー絶対無理ーーーー!!

カレーの香辛料って幾つ知っているよ、お前ら言ってみろ!!

私はガラムマサラ、クミン、コリアンダー、シナモン、ウコン、ターメリック、唐辛子、カルダモン、オールスパイス、ショウガ、ニンニク、ローリエ、コショウ(白・黒)位しか知らんぞ。

適当に混ぜて美味くなるとか無いからな!!

とりあえずはコショウを発見できたのは大きい。

そして、柚子発見!!

種取って孤児院の庭に植えて収穫して使えるな~よしGET

聞いたら若木もあるとのことで明日持って来てくれるとのことでこれも買い取りとした。


市場を巡っていると身なりは町娘なんだけど明かに身分高いよね?と言いたくなるような手入れの行き届いた髪の少女、いや美少女が声を掛けてきた。


「あなた、アーネスト令嬢かしら?」

「え?何それ?違いますし、私、冒険者です」

「え?そうなの・・・」

「そうなんです・・・」

「ごめんなさいね~人違いして」

「あ~見間違いなんてよくあることですよ。

それではごきげんよう」

「ちょっと待って、私はヒルデ、貴方のお名前聞いてもいいかしら?」

「私ですか?私は冒険者やっているローズマリーと言う者です」

「そう・・・覚えておくわ」

「あ~でも私、帝都の者ではないですよ?」

「そうなの?」

「はい」


その後少し話してこの美少女と別れた。

何だったんだろうか?


★~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~★


私はヒルデガルド、この帝国にある4つの公爵家の1つの公爵家の令嬢である。

今日はお忍びで市場に来たが、何処かで見たことある様な美少女を見かけた。

近くで見るとゲーム華帝の主人公のようだ。

しかし、若いが今はまだ10歳、若くて当然である。

「あなた、アーネスト令嬢かしら?」と問えば違うという・・・これは可笑しい。

何故彼女の事を気にするのかと言えば、私は神よりこの世界に連れて来られた転生者。

そして、ゲーム的に言えば悪役令嬢と言う主人公に立ちはだかる壁なのである。

ゲームでは名前はプレーヤーが決めるので手掛かりにはならないが、ゲームをプレイしたものであれば情報として色々知っている。

主人公は6歳でアーネスト公爵家へ引き取られているはずである。

会う機会は無かったが、今回運よく会えたと思えば違うという・・・

断罪イベントとか回避するつもりだが、ゲームの主人公と仲良くしていればそもそもそんなイベント起こらないだろうと主人公に近づくチャンスを考えていたのだが・・・

何かの異常事態が発生している。

早急に色々調べ対処しないと不味い。

そういう意味ではここで主人公に会えたことは行幸だったのだろう。

彼女は冒険者と言っていた。

場合によっては依頼することになるかもしれない、こちらも調べておこう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る